バートランド・ラッセルに関するメルマガ

編集後記 選挙(投票)に最悪な天候になるかも知れない?


カテゴリー: 2017年10月21日
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 (週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
  no.0556_2017/10/21 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          
(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
 編集後記

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(1) ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」
      n.1218~n.1223 を発行しました。
   http://archive.mag2.com/0001626338/index.html

  以下,1つだけ再録します。
    http://archives.mag2.com/0001626338/20171018060000000.html

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 ラッセル『権力』(Power, 1938) 第10章 権力の源泉としての信条 n.6
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 第10章 権力の源泉としての信条 n.6

 私が(今)問おうとしている疑問は,次のように広義のもの(疑問)ではない。即
ち,思想の自由は奨励されるべきかとか,あるいは,少なくとも思想の自由に対して
寛大であるべきか,というような疑問ではない。私が問おうとしているのは,次のよ
うなもっと狭義の疑問である。即ち,統一的な信念/信条(注:多くの人が同じ信念
を持つこと)は -自発的なものであろうと権力(権威)によって押しつけられたも
のであろうと- どの程度まで権力の源泉となるであろうかという疑問であり,また,
一方,思想の自由が果してどの程度まで権力の源泉となるか,という疑問である。
 英国の遠征軍が1905年にチベットに侵攻した時,チベット人たちは当初勇敢に進軍
したが,それはラマ僧たちが彼らに弾丸よけの護符(お守り)(magic charms)を与え
ていたからであった(注:これは「統一的な信念」の象徴)。にもかかわらず,死傷者
(casualities)が続出するや,ラマ僧たちは弾丸の先がニッケルでできていること
を(観察によって)見つけ(observed),護符は鉛に対してだけ利き目があると説明
した。以後,チベット軍の士気は下がった。クン・ベラ(Kun Bela, 1886-1939:ハ
ンガリーの共産主義者)とクルト・アイスナー(注:Kurt Eisner, 1867-1919:第一
次世界大戦直後,ミュンヘン革命の中心人物としてバイエルン自由国の暫定首相に就
任)が共産主義革命を起した際,彼らは唯物弁証法が自分たちのために戦ってくれて
いるという自信をもっていた。彼らの失敗が,コミンテルンのラマ僧(に当たる人)
によってどのような説明をなされたか,私は忘れてしまった(注:冗談?)。これら
の2つの例においては,統一的な信念(一律の信条を多くの人が抱くこと)によって
勝利はもたらされなかった。

Chapter X: Creeds as Sources of Power, n.6

The question I am asking is not the broad one: Should freedom of thought be
 encouraged, or at least tolerated? I am asking a narrower question : 
To what extent is a uniform creed, whether spontaneous or imposed by 
authority, a source of power? And to what extent, on the other hand, is 
freedom of thought a source of power?

When a British military expedition invaded Tibet in 1905, the Tibetans at 
first advanced boldly, because the Lamas had given them magic charms against
bullets. When they nevertheless had casualties, the Lamas observed that the
 bullets were nickel-pointed, and explained that their charms were only 
effective against lead. After this, the Tibetan armies showed less valour. 
When Bela Kun and Kurt Eisner made Communist revolutions, they were 
confident that Dialectical Materialism was fighting for them. I forget what
 explanation of their failure was offered by the Lamas of the Comintern. 
In these two instances, uniformity of creed did not lead to victory.
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginnerPOWER10_060.HTM
	

■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
      n.1173~1178号 を発行しました
   http://archive.mag2.com/0001623960/index.html

  以下,1つだけ再録します。
  http://archives.mag2.com/0001623960/20171017060000000.html

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 R英単語・熟語  vegetation (n)【 植物,草木】
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★ vegetation (n)【 植物,草木;(ある地域の)植生】

* vegitative (adj.):植物(界)の;(植物のように)生長する
* vegetative state 植物状態
* (cf) brain-dead-person 脳死状態の人
* vegetable (n):植物;植物人間
* become a (mere) begetable 植物人間になる
   http://russell-j.com/beginner/reitan-v026.htm

<用例1>
Think of the different things that may be noticed in the course of a country
 walk. One man may be interested in the birds, another in the vegetation, 
another in the geology, yet another in the agriculture, and so on.
[田舎を散歩している途中で気づくであろう,種々の事物について,考えてみるとよい
。ある人は小鳥に興味を持つだろう。,ある人は植物に,ある人は地'に,またある人は
農業に・・・,といった具合である。]
 出典:ラッセル『幸福論』第11章「熱意」
     http://russell-j.com/beginner/HA22-020.HTM

<用例2>
Divines have held that if our first parents had not eaten the apple the
 human race would have been replenished by some innocent mode of 
vegetation, as Gibbon calls it.
[神学者たちは,もし我々(祖先)の最初の両親(注:アダムとイブ)がリンゴを食
べなかったなら,人類は,ギボンが名付けたように,ある種の汚れのない植物的な方
法(some innocent mode of vegetation)によって繁殖(子孫を補充)しただろうと
考えてきた。]
 出典:ラッセル「上品な人々」
     http://russell-j.com/beginner/0464NP-050.HTM

<参考例1>
After suffering a severe head injury, he was in a vegetatve state.
[ひどい頭の怪我に苦しんだ後,彼は植物状態になった。]
 出典:『新版完全征服 データベース5500 合格 英単語・熟語』p.293

<参考例2>
The island is covered with dense vegetation.
[その島は密生した植物に覆われている。]
 出典:『キクタン super 120000』p.235]

<参考例3>
the colourful vegetation of a tropical forest
 出典: Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

<参考例4>
The hills are covered in lush green vegetation.
 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.


★「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2」 n.917~922

1)n.917: 「愛国心」という魔物
     http://russell-j.com/wp/?p=3091

2)n.918: 所有衝動と創造衝動 - 前者が最小で後者が最大な人生が善い人生
     http://russell-j.com/wp/?p=3093
    
3)n.919: J. S. ミルの知的高潔さ(誠実さ)
     http://russell-j.com/wp/?p=3096

4)n.920: 思想家の評価において念頭におくべきこと
     http://russell-j.com/wp/?p=3100

5)n.921: G. オーウェル『1984年』 - 監視社会と自由の制限
     http://russell-j.com/wp/?p=3103

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 ジョージ・オーウェル『1984年』- 管理社会/監視社会と自由の制限
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 ジョージ・オーウェル(注:George Orwell, 1903-1950:英国の作家で,全
体主義的・管理社会的ディストピア=反ユートピアの世界を描いた『1984年』
で有名/ラッセルのこのエッセイはオーウェルの死後4年目に書かれたことに
なる。)の『1984年』は,まさに読者を戦慄させた,身の毛のよだつような本
である。けれども,この本は,疑いもなく,著者が意図した効果(影響)をも
たなかった。(注:オーウェルが自ら語っているように,彼は民主社会主義者
であり,彼はこの小説において社会主義そのものを糾弾しているのではなく,
当時のソ連に象徴される全体主義的な社会や国家を批判していることに注意)
。
 人々はオーウェルがこれを書いていた時には彼は重病だったと言ったが,事
実,彼はその後まもなく亡くなった(注:小説『1984年』は1949年6月8日に出
版され,1950年1月21日に死亡した)。読者(彼ら)は,むしろ,その小説が与
える恐怖による身震いを楽しみ,次のように考えた。「いや,もちろん,ロシア
を除いてけっしてそんなにひどくはならないだろう。オーウェル(著者)が陰気
臭さを楽しんでいたのはあきらかだ。真面目にとらずに我々読者も楽しむこと
にしよう。」
 こういった心地よい欺瞞(虚偽)で自らを慰め,オーウェルの予言が現実の
ものとなる道を歩んできたのである。少しずつ,一歩一歩,世界はオーウェル
の悪夢の実現に向けて進んできている。しかし,この歩みは少しずつであった
ため,どのくらいこの致命的な道をどんなにか遠くまで歩んできたか,人々は
気が付いてこなかった(気がついていない)のである。 
 1914年より前の世界を覚えている人たちのみが,これまでにどれほど多くの
ものが失われてしまったかをよく理解することができる。(1914年以前の)あ
の幸福な時代には,ロシアを除いたどこにおいても,パスポート(旅券)なし
に旅行をすることができた。ロシア以外では,いかなる政治的意見も自由に発
言することができた。新聞の検閲は,ロシア以外では,知られていなかった。
白人は誰でも,世界中のどこへでも自由に移住することができた。ツァー体制
化のロシアにおける自由の制限は,他の文明世界全体で恐怖の眼をもってみら
れ,ロシアの秘密警察の権力は,忌み嫌うべきこととみなされた。ロシアはま
だ西側世界より悪いが,それは西側世界が自由を保持してきたからではなく,
西側世界が自由を失いてきた一方で,ロシアはどのツァーも考え及ばなかった
ほど圧制の方向にさらに進んだからである。

George Orwell's 1984 is a gruesome book which duly made its readers 
shudder. It did not, however, have the effect which no doubt its author
 intended. People remarked that Orwell was very ill when he wrote it, 
and in fact died soon afterward. They rather enjoyed the frisson that 
its horrors gave them and thought: "Oh well, of course it will never be
 as bad as that except in Russia! Obviously the author enjoys gloom; 
and so do we, as long as we don't take it seriously." Having soothed 
themselves with these comfortable falsehoods, people proceeded on their
 way to make Orwell's prognostications come true. Bit by bit, and step 
by step, the world has been marching toward the realization of Orwell's
 nightmares; but because the march has been gradual, people have not 
realized how far it has taken them on this fatal road. 
Only those who remember the world before 1914 can adequately realize 
how much has already been lost. In that happy age, one could travel 
without a passport, everywhere except in Russia. One could freely 
express any political opinion, except in Russia. Press censorship was
 unknown, except in Russia. Any white man could emigrate freely to any
 part of the world. The limitations of freedom in Czarist Russia were
 regarded with horror throughout the rest of the civilized world, and
 the power of the Russian Secret Police was regarded as an 
abomination. Russia is still worse than the Western World, not because
 the Western World has preserved its liberties, but because, while it
 has been losing them, Russia has marched farther in the direction of
 tyranny than any Czar ever thought of going. 
 出典: Symptoms of Orwell's 1984l,(1954).
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1070_SoO-010.HTM

 <寸言>
 日本人が現在享受している自由は闘って奪い取ったものではなかった。GHQ
(米国)から与えられた自由であり、そのため、自由が少しずつ奪い取られて
いても鈍感である。
      
6)n.922: 革命後のロシアと同様に,西欧もまた以前享受した自由の多くを失った
     http://russell-j.com/wp/?p=3109


★「ラッセルの言葉_画像版」

 日本語 version : n.0349j-0355j を投稿
 英 語 version : n.0349e-0355e を投稿

 ひとつだけあげておきます。
 http://russell-j.com/smart_r366/r366g_j0353.html

 「思想と言葉において正直(誠実)であること」

 私たちは,わが子が公平で,正直で,卒直で,自尊心のある人間になってほしいと願っ
ている。私としては,わが子が奴隷の技能で成功するよりも,むしろ,こういう性質を
もって失敗するのを見たいと思っている。・・・。私は,たとえ世俗的な不幸を招く
としても,わが子には思想と言葉(発言や論文執筆)において正直(誠実)であって
ほしいと思っている。なぜなら,富や名誉よりも重要なものが問われているからであ
る。

We wish our children to be upright, candid, frank, self-respecting; for my 
part, I would rather see them fail with these qualities than succeed by the
 arts of the slave. … I would have my children truthful in their thoughts 
and words, even if it should entail worldly misfortune, for something of
 more importance than riches and honours is at stake.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education
 of character, chap. 8: Truthfulness
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE08-090.HTM

 <寸言>
 偽善,へつらい,臆病さ,奴隷根性,(権力者の意向の)忖度,競争での成功の過
度の強調,敗者と勝者に分けたがる心性,・・・。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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★インターネット情報源
1)(cafeglobe) 「仕事の誇りは自分の誇り。ラッセル『幸福論』を読む」
   https://www.cafeglobe.com/2017/10/065194words.html

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 編集後記 選挙(投票)に最悪な天候になるかも知れない?
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 選挙(投票)に天候がどのように影響するかについて、各放送局がいろいろ見解を
述べている。それによると、ほぼだいたい次のような見解に落ち着く。即ち、

 (投票日の天候が)
 晴天 → 旅行に行く人が増え、投票率が下がる。
 雨 → おっくうになって。投票率が下がる。(大雨なら投票率がかなり下がる。)
 午前中晴れ、午後曇り → 投票率は例年並み
 午前中曇り、午後晴れ → 投票率最高となる。(曇りなので旅行はあきらめてい
    たが、午後に晴れると「投票にでもいってみるか」という気持ちになりやすい。

 もちろん、連休の1日目ならどうかとか、夏の期間ならどうかとか、いろんなバリ
エーションがあるが、大きな傾向は変わらないであろう。(自民党や公明党など、組
織票が多い政党は、天候が悪くなることを「期待」している?)

 つまり、ここでは「浮動票」の動きを主なターゲットにしている。組織票(経済団
体、宗教団体、日本会議などの思想団体、組合、その他)は天気に大きく影響される
ことはない(投票日に天候が悪いと予想されれば、期日前投票をするだろう)と考え
られることから、40%前後も存在する浮動票(浮動層)を主にターゲットに選挙活動
がなされることになる。
 候補者や支援者から見て」浮動層」は「情動的」であり、うまくやれば自分や自党
の票を増やすことが可能だと思われている。従って、選挙公約の内容を深く理解させ
るよりも、感情に働きかけることが作戦上有効だと見なされる。「浮動票」はその時
々の流行りの考え方や雰囲気に影響を受けて、自分は「多数派でいたい」という潜在
的欲求・意識を利用するものであり、「浮動層」は一人前の思考力や判断力を備えて
いないと見なされているようである。つまり、判断を間違えたとしても、多くの人が
間違えたのだからと、自分を許しやすいというわけである。 (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

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