バートランド・ラッセルに関するメルマガ

編集後記 トランプ政権の「終わり方」


カテゴリー: 2017年08月19日
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 (週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
  no.0547_2017/08/19 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          
(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
 編集後記

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(1) ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」
      n.1165~n.1170 を発行しました。
   http://archive.mag2.com/0001626338/index.html

  以下,1つだけ再録します。
   http://archives.mag2.com/0001626338/20170816060000000.html

 第7章 革命的な権力 n.10

このような難点は,その起源を革命に負っているあらゆる権威(や権力)に内在して
いる。そのような権威(や権力)は,(自らの存在のために当然)最初の革命は正当
化されると主張しなければならず,また(and 同時に/しかも),論理的には,それ
以後におこる革命を全て邪悪であるに決まっていると主張することはできない(*注
:そうでなければ,最初の革命も正しいとは断言できなくなる)。キリスト教におけ
る無政府主義の火焔は深く隠されていたけれども,中世全体を通じて,生き続けた。
宗教改革(の時)に,突如として,大きく燃えあがり広がっていった(のである)。
(*注)革命後の革命(反革命)を邪悪なものだとして否定する試みは,時折,奇妙
な結果をもたらした。今日(注:本書が出された1938年当時)のロシアの青年はツァ
ー時代(ロシア帝国時代)の革命運動を礼讃する話からは注意深く隔離されている
(そういった話を耳にしないように細心の注意が払われている)。『ある老ポルシェ
ヴィキの手紙』(George Allen and Unwin 社出版)は,一部学生たちによるスター
リン暗殺計画について述べた後,続けて次のように書かれている。「被告の学生から
,糸をたぐっていくと,政治学及び政党史(専門)の教授たちへと行き着いた。ロシ
ア革命運動の講義中に,今日,政府に関する批判的態度の育成に資する箇所(ページ)
を見つけ出すのは容易であり,また,若い性急な学生は,公式に確立されたものとし
て見なすように学校で教えられた事実を引用して,現在に関する自分の結論の支えに
することを常に好む。アグラーノフのやるべきことの全ては,彼の考えで(被告学生
の)同士の共犯者とみなさるぺき教授たちを選びだすことだけであった。このように
して,「十六名の裁判に」第一回の被告団が加えられたのであった。)
	
Chapter VII: Revolutionary Power, n.10

This difficulty is inherent in every authority that owes its origin to 
revolution. It must maintain that the original revolution was justified, and
it cannot, logically, contend that all subsequent revolutions must be 
wicked*. The anarchic fire in Christianity remained alive, though deeply 
buried, throughout the Middle Ages; at the Reformation, it suddenly shot up
 into a great conflagration.
(* Note: The attempt to do so sometimes has strange results. The young in 
Russia at the present day are carefully sheltered from laudatory accounts of
 the revolutionarv movement in Tsarist days. The Letter of an Old Bolshevik
 (George Allen a Unwin, Ltd.), after telling of a supposed plot by some 
students to murder Stalin, continues.. "From the accused students, threads
 were drawn to professors of political science and party history. It is easy
 to find pages in any lectures on the history of the Russian revolutionary
 movement highly conducive nowadays to the cultivation of critical attitudes
 in respect to the Government, and young hotheads always like to buttress
 their conclusions concerning the present by citing facts which they have
 been taught in school to regard as officially established. All Agranov had
 to do was to pick the professors who, in his opinion, were to be regarded
 as fellow conspirators. This was how the first batch of defendants in the
 trial of the sixteen was recruited." 
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/POWER07_100.HTM


■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
      n.1120~1125号 を発行しました
   http://archive.mag2.com/0001623960/index.html

  以下,1つだけ再録します。
     http://archives.mag2.com/0001623960/20170814060000000.html

★ outweigh【(価値・重要性・影響などが)より勝る;より重い 】

   http://russell-j.com/beginner/reitan-o044.htm

<用例1>
Bertrand Russell: Yes, it does very often happen, all because the sheer love
 of power outweighs the wish to get this or that done.
[はい,非常にしばしば起こります。,それはみな,あれこれやりたいという願望(思い)
よりも,(混ぜ物のない)全くの権力愛が勝るからです。]
 出典:『ラッセルは語る』第6章「権力」
     http://russell-j.com/cool/56T-0601.HTM

<用例2>
The ideally virtuous man, if we had got rid of asceticism, would be the man 
who permits the enjoyment of all good things whenever there is no evil 
consequence to outweigh the enjoyment.
[理想的に有徳な人とは--私たちが禁欲主義をすべて取り除いたと仮定した場合-
-良きものの享受を上回るような悪い結果を伴わないかぎり、つねに良きものの享受
を許すような人であるだろう。]
 出典:ラッセル『幸福論』第7章「罪悪感」
     http://russell-j.com/beginner/HA17-040.HTM

<用例3>
For, while physical goods have no very high value, physical evils may be so
 bad as to outweigh a great deal of mental excellence.
[というのは,物質的な財産にはそれほど高い価値はない一方,物質的な害悪が多くの
精神的優秀さに勝るほどひどい場合がありうるからである(あるかも知れないからで
ある)。]
 出典:ラッセル『教育論』第一部_教育の理想 第1章「近代教育理論の前提条件」
     http://russell-j.com/beginner/OE01-060.HTM

<参考1>
The advantage from increases in size no longer outweighed the risk of being
 caught and eaten.
[個体数の増加という長所は,捕食されるという危険に勝るということがもはやなく
なった。]
 出典:『新版完全征服 データベース5500 合格 英単語・熟語』p.225

<参考2>
The advantages far outweigh the disvantages.
[長所が短所をはるかに上回る。]
 出典:『京大学術語彙データベース 基本英単語1110』p.187

<参考3>
In this case the disadvantages far outweighthe disadvantages.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.


★「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2」 n.863~868

1)n.863: 「上品な」人々も他人の噂話や悪口は好き
     http://russell-j.com/wp/?p=2890

2)n.864: 「全能の」神が不完全な世界や人間を創造してくれた「おかげ」で・・?
     http://russell-j.com/wp/?p=2895
     
3)n.865: 裁判官における「忖度」(?)
     http://russell-j.com/wp/?p=2898

4)n.866: 政治家に対するイメージ-英国や米国の場合
     http://russell-j.com/wp/?p=2901

5)n.867:「年をとる」のを遅らせるには・・・
     http://russell-j.com/wp/?p=2904

5)n.868:年を取ってから警戒すべき危険 - 過去や子供や孫への執着
     http://russell-j.com/wp/?p=2907

 健康に関しては,私はほとんど病気の経験がないので有益なことは何も言えない
(注:ラッセルは1920年から1921年にまたがる冬にインフルエンザをこじらせたあと
は,このエッセイを発表した1930年まで大病を患ったことはなかった。ただし,晩年
に2、3度重病になった)。私は好きなものを何でも食べたり飲んだ入りし,眼を覚
ましていられなっくなると眠る。私の好むことは,事実,たいてい健康によいもので
あるが,健康によいという理由(だけ)では,私は何もしない。

心理学的にいえば,年を取ってから(そうならないように)警戒すべき危険が二つある
。その一つは過去への不当な執着である。過去の記憶に生きること,昔のよき時代を
惜しむこと,あるいは死んだ友を悲しみながら生きること,はよくない。人の思い
(思考)は未来へ,またなすべき(なされるべき)物事へ向けられなければならない
。これは必ずしも容易ではない。(なぜなら)自分の過去は次第に重みを増していく
(からである)。自分の感情は,かつて,現在よりも生き生きしており,精神はずっ
と鋭敏であった,とひそかに思うことは容易である。これが真実であるならば忘れる
べきであろうし,忘れられるならば多分真実ではないだろう。

もう一つの避けるべきことは,子供の生命力から活力を吸収したいと思って,子供に
執着することである。子供が大人になれば彼らは自分の人生をいきたいと思う。(従
って)あなたが,もし,彼らが子供だった頃彼らに抱いていたような関心の持ち方を
(おとなになった)彼らに対し持ち続ければ,彼らが異常に無感覚でなければ,あな
たは彼ら(子供)にとって重荷になりそうである。私は,子供に対し関心を持つべき
でないといっているのではなく,人の関心は静観的(観想的)であるべきであり,ま
た,可能ならば,(多くの人間に対し)博愛的であるべきだが,不当に情緒的であって
はならない,と言いたい。動物は,子供が自活ができるようになるやいなや子供に関
心をもたなくなるが,人間は幼児期が長いためにこのことが困難だと思うのである。

As regards health, I have nothing useful to say as I have little experience
 of illness. I eat and drink whatever I like, and sleep when I cannot keep
 awake. I never do anything whatever on the ground that it is good for 
health, though in actual fact the things I like doing are mostly wholesome.
Psychologically there are two dangers to be guarded against in old age. 
One of these is undue absorption in the past. It does not do to live in 
memories, in regrets for the good old days, or in sadness about friends who
 are dead. One’s thoughts must be directed to the future, and to things 
about which there is something to be done. This is not always easy; one's
 own past is a gradually increasing weight. It is easy to think to oneself 
that one’s emotions used to be more vivid than they are, and one’s mind 
more keen. If this is true it should be forgotten, and if it is forgotten 
it will probably not be true.
The other thing to be avoided is clinging to youth in the hope of sucking 
vigour from its vitality. When your children are grown up they want to live
 their own lives, and if you continue to be as interested in them as you 
were when they were young, you are likely to become a burden to them, unless
 they are unusually callous. I do not mean that one should be without 
interest in them, but one’s interest should be contemplative and, if 
possible, philanthropic, but not unduly emotional. Animals become i
ndifferent to their young as soon as their young can look after themselves,
 but human beings, owing to the length of infancy, find this difficult.
出典: How to grow old, 1951.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0958HTGO-020.HTM

<寸言>
子や孫や親しい人への過渡の執着を愛情と勘違いする過ち。


★「ラッセルの言葉_画像版」

 日本語 version : n.0286j-0292j を投稿
 英 語 version : n.0286e-0292e を投稿

 1つだけご紹介: 「自己分裂している人間」
  http://russell-j.com/smart_r366/r366g_j0289.html
 「いかなることにも興味が持てない?」

 何がその人の興味・関心を起こさせるか,事前に推測することはできないが,大部分
の人は,何らかのものに強い興味を持つことができるし,いったんそういう興味が呼び
起こされれば,その人たちの人生は退屈から解放される。

It is quite impossible to guess in advance what will interest a man, but 
most men are capable of a keen interest in something or other, and when 
once such an interest has been aroused their life becomes free from tedium.
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.11: Zest
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA22-040.HTM

 <寸言>
 強い興味を持てるものを小さい時に見つけ一生を追求できる幸福な人も少数いる。
 年をとっても強い興味を持てるものをいっこうに発見できない人もいる。
 しかし,狭い自己の殻に閉じこもらずに,虚心に外界を観察すれば,きっと,多くの
人が,強い興味を持てるものを発見できるのではないだろうか。 

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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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 今回はお休み。 

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 編集後記 トランプ政権の「終わり方」
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 トランプ政権はどのような「終わり方」(崩壊の仕方)をするのであろうか?

 政権の幹部が次々と交代をやむなくされており,ついに最側近のバノン氏が解任さ
れた。アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の場合は、全員が死なない
と物語は終わらない。トランプ政権も、側近を全て解任しても、「代わりはいっぱい
いる」と本人が強がっているように、トランプ自身がやめるか(辞職するか)、議会
による弾劾が成立しなければ,トランプ政権は終わらない。

 今のような状態でトランプ大統領が4年間の任期をまっとうするとは思われないが
一番心配されるのは,レイムダック状態になった米国大統領が、海外で戦争を起こし
て、国民の目をそらすことによって、延命をはかることである。
 現時点では北朝鮮ととの開戦があるかも知れないという危惧である。そのような事
態になれば、韓国や日本に甚大な被害(多数の死者)がでるので、それは最後の手段
だと繰り返し言っているが、トランプが大統領をやめなければならない状態になった
場合はそれもありうるかも知れない。(松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

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