バートランド・ラッセルに関するメルマガ

編集後記 権力者の周辺には甘い汁を求めて多くの寄生虫が寄りたかる


カテゴリー: 2017年06月17日
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 (週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
  no.0538_2017/06/17 (2006/12/21 創刊/毎週土曜or日曜日発行)

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     ■ 目 次 ■
          
(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
 編集後記

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(1) ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」
      n.1112~n.1117 を発行しました。
   http://archive.mag2.com/0001626338/index.html

  以下,1つだけ再録します。

◆ n.1115  ラッセル『権力』(Power, 1938) 

 第5章 王権 n.3

 移住や外国(人)の侵入は,慣習破壊の強い力であり,従って,政府の必要(性)を
生む強い力でもある。王と呼ぶに値する統治者を持つ最低水準の文明において,王族
は,時には,外国起源(外国からやってきた人々)で,当初,何らかのはっきりした
優秀さ(卓越性)によって尊敬を勝ち得てきた(場合がある)。しかし,それは君主制
の発達において,普通の(ありふれた)段階かそうでないかは,人類学者の間で論争
の的となっている問題である。

 戦争(戦闘)が王の権力を増大させる上で大きな役割を果たしてきたことは明らか
である。なぜなら,戦争においては,統一された司令(指揮/命令の統一)の必要(性)
があることは明らかだからである。君主制を世襲制にすることは,王位継承について
の抗争から起こる害悪を避ける最も容易なやり方である。たとえ,王が自分の後継者
(世継ぎ)を指名する権力をもっているとしても,彼が自分の家族の誰かを(後継者
として)選ぶことはまずまちがいない。しかし,王朝は永久に続かず,また,王族(王
家)はみな強奪者や外国の征服者から始まっている。通例,宗教は何らか伝統的な儀式
によってその家族を(支配者として)合法化する。聖職者(僧侶)の権力は、このよ
うな機会に利益を得る。(そのような時には)聖職者(僧侶)の権力は,王の威厳を
支持する必須のものとなるからである(come to be ~となる)。「司教なきところ
には王は存在せず」とは,チャールズ一世の言葉であるが,この格言に類似したこと
が,王の存在していた全ての時代において真実であった。王という地位は,野心をい
だく人々にとってはとても欲しい地位であるので,強力な宗教的是認だけが,彼らが
自分自身(の力)で王の地位を獲得するという望みを放棄させるのである。(注:つ
まり,自分の実力=武力だけで手に入れずに,宗教の威光をかりて権力を獲得すると
いうこと)
(注:みすず書房版の東宮訳では「王という地位は,野心をいだく人々にとってはじ
つに堪らなくほしい地位だから,強力な宗教的制裁がなくては,とても彼らの望みを
放棄させるわけにはいかないのである。」となっている。東宮氏は,世俗の権力者が
宗教を利用して王にのしあがる=王権を樹立すると言っている文脈をまったく無視し
ており、また「the hope of acquiring it themselves」の "temselves" 自分自身で
(自分自身の力で)をまったく無視している。因みに,sanctions の意味は,ここで
は「制裁」ではなく「裁可(認可」であろう。)

Chapter V: Kingly Power, n.3

Migration and foreign invasion are powerful forces in the destruction of 
custom, and therefore in creating the need of government. At the lowest 
level of civilization at which there are rulers worthy to be called kings,
 the royal family is sometimes of alien origin, and has won respect, 
initially, by some definite superiority. But whether this is a common or
 uncommon stage in the evolution of monarchy is a controversial question 
among anthropologists.

It is clear that war must have played a great part in increasing the power
of kings, since in war the need of a unified command is obvious. To make 
the monarchy hereditary is the easiest way of avoiding the evils of a 
disputed succession; even if the king has the power of appointing his 
successor, he is pretty sure to choose one of his family. But dynasties do
not last for ever, and every royal family begins with a usurper or foreign
conqueror. Usually religion legitimizes the new family by means of some 
traditional ceremony. Priestly power profits by these occasions, since it 
comes to be an essential support of the royal prestige. "No Bishop, no 
King," said Charles I, and the analogue of this maxim has been true in all
ages in which kings have existed. The position of king appears to ambitious
 people such a desirable one that only powerful religious sanctions will 
make them renounce the hope of acquiring it themselves
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/POWER05_030.HTM


■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
      n.1067~1072号 を発行しました
   http://archive.mag2.com/0001623960/index.html

  以下,1つだけ再録します。

◆ R英単語・熟語 n.1069

★ ethnic (adj.)【民族の,民族的な;民族特有の】

* an ethnic group (少数)民族集団
* ethnic foods エスニック料理
* ethnicity (n):民族性,民族的帰属(状態)
   http://russell-j.com/beginner/reitan-e061.htm

<用例>
To begin with, the Chinese and Japanese are both yellow, which points to 
ethnic affinities; but the political and cultural importance of ethnic 
affinities is very small. 
[まずなによりも、中国人も日本人もともに黄色人種であって、それが種族的類縁性
(密接な関係性)を考えさせる。しかし、種族的類縁性の政治的文化的意義はとても
小さい。]
 出典:The Problem of China (George Allen & Unwin Ltd., 1922) p.117
 追加情報:なし

<参考1>
Internationalization has not weakened ethnic identity.
[国際化は民族的アイデンティティを弱めているわけではない。]
 出典:宮川幸久『英単語ターゲット1900』p.301

<参考2>
As he grew up, he better understood the significance of his ethnicity.
[彼は成長するにつれ,自分の民族性の意義をより理解するようになった。]
 出典:『新版完全征服 データベース5500 合格 英単語・熟語』p.87

<参考3>
African Americans are the largest ethnic minority in the United States.
[アフリカ系黒人は米国で最大の少数民族だ。]
 出典:『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』p.389

<参考4>
This music would sound more ethnic if you played it on steel drums.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.


★「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2」 n.810~815

1)n.810: アメリカ、ファースト!!-経済的ナショナリズムの哲学の末路
          http://russell-j.com/wp/?p=2715

2)n.811: 高慢やおごりは偏見や誤解を生む母である -裸の王様(為政者)たち
          http://russell-j.com/wp/?p=2718
 
3)n.812: 他国民や他民族に対するヘイトスピーチ
          http://russell-j.com/wp/?p=2720

4)n.813: 十分な理由がないからこそ「信じる」-自国民の他国民に対する優越(感)
          http://russell-j.com/wp/?p=2722

 ある人種の他の人種に対する優越は,いまだかつて十分な理由から信じられたこと
はほとんどない。そのような信念が執拗に存続しているところでは,その信念は軍事
的優越によって活かし続けられているのである。日本人が(軍事的に)勝利を続けて
いる限りは,日本人は白人に対し軽蔑心を抱いて楽しんだのであり,それは日本人が
弱かった間に白人が日本人に対して感じていた軽蔑心の裏返し(対応物)であった。
しかし,時々,優越感が軍事力となんの関係ももたない場合がある。ギリシャ人たち
は,野蛮人ら(barbarians 異国の民・蛮族)が戦闘力において自分たちより勝って
いた時でさえ,彼等を軽蔑したのである。ギリシャ人の間でより啓蒙された人々は,
主人がギリシャ人で奴隷が野蛮人である限りは奴隷制を正当化できるものとみなした
が,そうでなければ自然に反するものであると考えた。古代のユダヤ人は,彼等自身
の人種的優越性について,まったく特異な信仰をもっていた。キリスト教が国家宗教
となって以降,異教徒たち(注:Gentiles ユダヤ人から見た「異教徒」。ここでは
キリスト教徒のこと)はユダヤ人に対する自分たちの優越性への同様に非合理的な信
念をもってきた。この種の信念はまさに限りない弊害を生じさせるものであり,それ
を根絶させることは教育の目的の一つでなければならないが,現在,実際にはそうな
っていない。少し前の方で,私は,英国人がインド住民を扱うさいにとる優越的態度
にふれたが,それは当然のこと,インドにおいて憤激をひき起したものである。しか
し,(インドの)カースト制度は北方の「優越した」諸民族があい次いで侵入してきた
結果,発生したものであり,その制度のいかなるものも,白人の傲慢さと同様に嫌悪
すべきものである。

The superiority of one race to another is hardly ever believed in for any 
good reason. Where the belief persists it is kept alive by military 
supremacy. So long as the Japanese were victorious, they entertained a 
contempt for the white man, which was the counterpart of the contempt that
 the white man had felt for them while they were weak. Sometimes, however,
 the feeling of superiority has nothing to do with military prowess. 
The Greeks despised the barbarians, even at times when the barbarians 
surpassed them in warlike strength. The more enlightened among the Greeks
 held that slavery was justifiable so long as the masters were Greek and 
the slaves barbarian, but that otherwise it was contrary to nature. The 
Jews had, in antiquity, a quite peculiar belief in their own racial 
superiority; ever since Christianity became the religion of the State 
Gentiles have had an equally irrational belief in their superiority to 
Jews. Beliefs of this kind do infinite harm, and it should be, but is not,
 one of the aims of education to eradicate them. I spoke a moment ago about
 the attitude of superiority that Englishmen have permitted themselves in 
their dealings with the inhabitants of India, which was naturally resented 
in that country, but the caste system arose as a result of successive 
invasions by ‘superior’ races from the North, and is every bit as 
objectionable as white arrogance.
出典:Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-120.HTM

<寸言>
人種的及び文化的優越感が軍事的優越と結べ就くと最悪となる。

5)n.814: 「公には」男女同権だが・・・
           http://russell-j.com/wp/?p=2724

6)n.815: 生まれつきの同性愛者と社会的・文化的同性愛者??
          http://russell-j.com/wp/?p=2728


★「ラッセルの言葉_画像版」

 日本語 version : n.0223j-0229j を投稿
 英 語 version : n.0223e-0229e を投稿

 1つだけご紹介
 http://russell-j.com/smart_r366/r366g_j0229.html

 第一次世界大戦が終わった時,自分がそれまでやってきたことは,自分自身に対して
以外,まったく何の役にもたたなかったことがわかった。私はたった一人の人間の生
命を救うことさえも,また戦争を一分たりとも短縮することもできなかった。ヴェル
サイユ条約をもたらす原因となった敵意(bitterness)を減らすためにいかなること
もなすことに成功しなかった。しかし,ともかくも私は,すべての交戦国が犯した罪の
共犯者ではなかったし,また,自分のためには,新しい人生観(philosophy)と新しい青
春を得た。私は大学教師であることと厳格な人間(ピューリタン)であることから解
放された。

When the War was over, I saw that all I had done had been totally useless 
except to myself. I had not saved a single life or shortened the War by a 
minute. I had not succeeded in doing anything to diminish the bitterness 
which caused the Treaty of Versailles. But at any late I had not been an 
accomplice in the crime of all the belligerent nations, and for myself 
I had acquired a new philosophy and a new youth.
 出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1:The First War,
 1968]
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB21-350.HTM

 <寸言>
 第一次世界大戦に勝利した連合国は,支払い不可能な賠償金をドイツに課した。当
初期待された国際連盟も,アメリカは国内の反対が強く加盟せず,弱体であり,ラッセ
ルは第一次世界大戦よりも残酷な世界大戦が起こるだろうと予測した。  因みに、
ラッセルは1921年に訪日した時に,土田杏村にいずれ日本とアメリカは戦うことにな
るだろう(そして日本は敗ける),と暗い見通しを述べている。)
 http://russell-j.com/beginner/ochibohiroi.htm#r2009-97   

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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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★インターネット情報源
1)福禄太郎「97歳まで現役だったバートランド・ラッセル」
 https://plaza.rakuten.co.jp/fukurokutaro/diary/201706160000/

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 編集後記 権力者の周辺には甘い汁を求めて多くの寄生虫が寄りたかる
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 与党及び「隠れ」与党(維新の会ほか)は,情報公開法をまったく無視し、都合の
悪い資料は廃棄済み,1年経過してなければ記録はとっていない,記憶にない,確
認できない・・・といった対応に終始。道徳や倫理の学習用の副読本として,国会
での与党の答弁を編集してまとめれば,「反面教師」として優れた教材にできる。

 そういった与党の議員を選挙で選んだのは多くの国民であり,このような不祥事が
頻繁に露わになっても、「民主党などの野党よりもましだ」と言って,自民党や裏切
りもの集団である公明党の候補を選挙で選び続けている。多分,多数派に属していれ
ば,自分の判断が間違っていたことが後からわかっても、多くの人が間違ったのだか
らと自分を許し易い、という心理がかなり働いているのではないだろうか?

 しかし,森友学園,加計学園だけでなく,国家戦略特区を利用した利益誘導事案と
して他にも噂されているものがいくつかあり,このまま国民の関心が薄れ、安倍内閣
の支持率が回復していくとは(今回は)思われない。

 官僚は,これまでこのような事件が明るみに出ても、保身のために証言するような
ことはほとんどなかった。しかし今回は幸い、前川氏(文科省前次官)が積極的に発
言しており,今後も期待できる。次官クラスになると、政権の都合の悪い事実を多数
知っていると思われ、本人が直接発言しなくても、第三者にリークし、証拠がためを
してもらって糾弾することも可能であろう。

 安倍政権の問題点は、学園問題だけでなく、満載の状態。自民党の中から反旗を翻
すものがでてこなければ、数年のうちに、再び政権を失う可能性があるが,多分、1
年以内に、反安倍グループが台頭してくると思われる。 (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

■登録・解除・変更はこちら: http://russell-j.com/R3HOME.HTM
■WEBサイト: http://russell-j.com/
     ( top page: http://russell-j.com/index.htm )
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