バートランド・ラッセルに関するメルマガ

バートランド・ラッセルに関するメール・マガジンn.17


カテゴリー: 2007年04月14日
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バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
 2007/04/14:n.0017 (2006/12/21 創刊) (毎週土曜or日曜日発行)
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HP(main): http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/index.htm 
Blog: http://green.ap.teacup.com/russellian/ (あるRussellianの呟き)
Blog その2(Google Blogger): http://russell-j.blogspot.com/ ・
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 ■ 目 次 ■

 (1) ラッセル格言・警句集(過去ログより)
 (2)  (特集)「ラッセルと大正日本」(再編集して、再掲)
 (3)  編集後記

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(1) ラッセル格言・警句集(過去ログより)
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[n.0053:不幸や疲労や'神経の緊張'の原因]

 不幸や疲労や'神経の緊張'の原因の一つは、自分自身の生活において実際的
な重要性のないいかなるものに対しても興味・関心を持つことができないこと
である。
★出典: http://russell.cool.ne.jp/beginner/HA26-010.HTM
(注:岩波文庫の安藤訳では、「そういうことの果てに、意識的な心は、ある
少数の事柄から休息を得ることができなくなる。しかもそうした事柄の一つ一
つには、おそらく、多少の不安と多少の不安の要素が含まれているのだ」とな
っているが、これだとニュアンスがよくわからない。/(松下の解釈)from は
「原因(・・・のために)」:自分や家族にとって重要性のあるものに注意が
集中し、他のものには、興味が持てなくなる→すると、わずかな(少数の)心
配事なども、(通常であればそのような些細な心配事は、気分転換によってう
まく処理されるのであるが、)頭の片隅に残ってしまい、それが原因で気が休
めなくなる。また、表面上は振り払ったと思っても、意識下では働いていて、
やはり休息がとれなくなる)
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One of the sources of unhappiness, fatigue, and nervous strain is 
inability to be interested in anything that is not of practical 
importance in one's own life.
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[n.0052:首尾一貫した目的]

 '首尾一貫した目的'だけでは、人生を幸福にするのに十分ではないが、首尾一
貫した目的は幸福な人生のためのほぼ必須といってよい条件である。
★出典」
(世の中の流行や力ある者の意向に影響され、あっちへゆらゆら、こっちへゆら
ゆら/こだわらないことはいろいろな経験ができて良い面もあるが、中途半端な
満足の連続(あるいは自分が本当に求めていることを我慢する習慣)は、不幸の
原因となりやすい/首尾一貫した目的や情熱を持てるに越したことはない。もち
ろんそれだけでは幸福な人生を送るに十分ではないだろうが・・・。)
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Consistent purpose is not enough to make life happy, but it is an almost
 indispensable condition of a happy life. 
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(2) (特集)「ラッセルと大正日本」(再編集して、再掲)
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 美作太郎「バートランド・ラッセル−『社会改造の原理』を読んだ頃」
 ★出典:→ http://russell.cool.ne.jp/MIMASA01.HTM
 ・・・この本は、市井三郎によれば、「人間社会のほとんどあらゆる側面に
 対して、ラッセルが因襲破壊的な思想をもっとも集約的にうち出した著作」
 であり、「知的な目的意識よりは心理の奥底にひそむ衝動の力が、いかに根
 強い規制力をもつかということの確認にもとづいて」つくりあげられた「一
 つの平和主義的社会哲学」である*2。 ここでラッセルは、人間の衝動を所有
 衝動と創造衝動に分け、前者の衝動が、国家、戦争、教育、性、宗教などの
 あらゆる面で支配的になることが何を意味するかを痛論し、創造衝動の開花
 こそ、平和で自由な社会の前提であることを主張している。
 中学校上級生の私の理解力が、このようなラッセルの思想をどの程度咀嚼し
 えたかは問題であった。しかし、自分をとりまく社会が肯定的な力と否定的
 な力とののっぴきならぬ闘いの場であり、文化、自由、平和、創造をめざす
 肯定的な力の形成に参加することこそ唯一の生きる道であることを、私はこ
 の本から教え込まれたもののようであった。
 
 野村博「ラッセルの初邦訳書における'伏せ字'と思想の自由」
 ★出典→ http://russell.cool.ne.jp/NOMURA-H.HTM
 ・・・ところで、ラッセルが日本へ招かれたのは、『社会改造の原理』
 (Principles of Social Reconstruction)の著者としてではなかったかと想像
 される。というのは、この書の高橋五郎氏による日本語訳が1919年(大正8年)
 11月に出版されるまでは、ラッセルの著書は邦訳されておらず、したがって、
 原書でラッセルを読む少数の人々を除いて一般の日本人にとっては、彼につい
 て知るところがなかったと考えられるからである
 ラッセルのこの最初の邦訳書は、しかし、男子普通選挙(1925年)を実現させた
 大正デモクラシー運動が、いわば反対給付的に、普通選挙の担い手となるはず
 の勤労大衆の思想と行動を強く拘束する治安維持法の制定(1925年)を招き出す
 ような時代背景であっただけに、日の目を見るのがそれほど容易ではなかった
 と思われる。というのも、事実、この邦訳書には合計5箇所にわたる抹消・伏
 せ字の部分が存在するからである。なるほど、この訳書の発行は治安維持法が
 制定される以前ではあるが、しかし、すでに1900年(明治33年)に制定されてい
 た治安警察法が言論・集会・結社に対しても厳格な取り締まりを行なっていた
 のである。
 いったい、この邦訳書のどんな箇所が読者の目に触れないように伏せられてい
 たのだろうか。この点について検討を加えてみたいと思う。今日からすれば、
 笑止千万ともいうべきこの問題も、思想の自由の観点からは由々しい大問題で
 あると考えられるからである。
 
 「最近出版物の傾向と取締状況(大正10年1月調):ラッセル」
 ★出典: http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/SHUPAN-T.HTM
 ・・・
 
 「FAQ ラッセルの訪日関係資料について」
 ★出典: http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/FAQA0912.HTM
 ・・・ その時のラッセルの動静は、当時の読売新聞、朝日新聞他各紙に写真
 も 含めて何回か掲載されています。また、雑誌『改造』には、ラッセルの来
 日の前 後にかけて、ラッセルの論文(邦訳されたもの)が多数掲載されてい
 ます。・・
 ・・。
 
 「ラッセル氏、神戸着」(新聞報道)
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/TA210718.HTM
 ・・・ラッセル氏は、十七日午前十一時三十分、営口丸にて神戸港第二埠頭に着、
 賀川豊彦氏以下労働者代表者の出迎えを受け、神戸のクロニクル主筆ヤング氏宅
 に入れり(神戸電話)
 
 「神戸の争議にラ氏臨席」(新聞報道)
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/TA210717.HTM
 
 「労働者百名の歓呼を浴びつつラッセル氏一行神戸に着く」(新聞報道)
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/OA210718.HTM
 ・・・バートランド・ラッセルを載せた營口丸(松下注:長崎三菱造船所が明治期
 に造船。もともとは郵便船らしい。)は、十七日午前十一時三十分、神戸港第二波
 止場に沿うて徐行して居る。此の日恰も大倉山公園に催された労働者の運動会に
 て 勢揃いせる各労働組合会の代表者約百名は、七十旒の大旗を押立てて労働歌
 を歌い つつ波止場に来り整列して迎えた。賀川豊彦氏も出迎えて居る。
 ラ氏は白の背広にヘルメット(帽)を冠り籐椅子に倚(よ)って居たが、労働者の出
 迎 と見て抑え切れぬ喜びの色を見せて起って欄干に倚(よ)った。百余の労働者
 は一斉 に旗を振り萬歳を唱えた。ラ氏は帽子を振り之に応じた。
 
 「ラッセル氏来阪−本社員の案内で大阪の各工場を巡視−」(新聞報道)
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/OM210719.HTM
 ・・・十七日、神戸に着くとすぐ自動車で波静かな塩屋海岸のヤング氏邸に入っ
 た ラッセル氏は、親しい友達や愛する人達と心おきない楽しい語らいに旅の疲
 れも病 の苦しみも忘れたようであったが、十時というに再び自動車の人となっ
 て神戸に引 き返し、北野トアホテル(右写真参照)に入って、日本における最初
 の夢を結んだ。
 
 「突然労働演説会へ姿を現したラ氏−職工の感激に迎えられて一塲(場)の熱烈な
  所感を述ぶ−
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/OM21719A.HTM
 ・・・ラッセル氏は十八日夕刻、神戸トア・ホテルに帰り夕食後、賀川豊彦氏の
 案内で折柄脇の濱阿弥陀寺で開催中の神戸製鋼所各種職工団主催の労働争議批判
 演説会場に突然現れ、各弁士の交々起って会社の横暴無理解を鳴らして居るのを
 言葉は通じないが終始熱心に聞いていたが、霜降背広の痩形の姿を壇上に現し、
 賀川氏の通訳で、「偶々(たまたま)日本に参りまして此の労働争議が(関西辺り
 に?←ヨゴレのため読みとれず)現出しているのをみまして、此の整然たる運動振
 りに接したのは、私として何より喜ばしい事である。」云々、との挨拶を述べた
 ので聴衆の大喝采を博し、十時過ぎ此の偉大なる思想家はトア・ホテルに帰った。
 
 高石眞五郎「ラッセル君と食卓を共にして−時局に触れても飽迄理想と論理で
   行く」
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/OM21-719.HTM
 ・・・ラ君が正午ホテルに着くと其処に各新聞社の写真班が伏兵のように現れた
 が、ラ君は「何故私が写真に撮られなければならぬのか」といってなかな肯(き)
 かない。食卓でアレは西(ウェスト)から来た慣習を日本でやりだしたに過ぎな
 いと私が言ったら、ラ君は笑いながら「其通りでしょう。併し師匠よりは日本の
 方が余程上手です。」といって居た。昨今問題の「太平洋会議」はラ君の方から
 持ち出した。私は日本には、門戸開放機会均等主義を太平洋の此方(こちら)の
 岸に適用するならば彼岸の米国にも適用せよと主張して居る議論が多い、「大阪
 毎日(新聞)」も其議論だといったら、ラ君は、議論はないといったような表情
 で「無論米国にも同一主義を適用すべきである、一体仏国(フランス)も自分の
 国の英国も米国も、今のように帝国主義では勢い他国を圧っするのは当たり前だ。
 それではならぬ」と訳もなく答えた。・・・。
 
 「ラッセル氏来朝」(新聞報道)
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/R-RAICHO.HTM
 
 三浦俊彦「大正の日本とラッセル−「哲人ラッセル」という大時代的な鏡が逆説
  的に映し出す現代の空虚と老成」
 ★出典: http://russell.cool.ne.jp/MIURA-TAISHOBR.HTM
 ・・・このような、「対応の多重性」とでもいうべき事態が、大正デモクラシー
 真只中の日本社会を特徴づけていると見ることができるだろう。そもそもが、例
 えば昭和四十年代以降の日本であれば、いくら外国の著名人が来日したとて、政
 界の要人などではなく、たかが哲学者とか思想家とかにすぎないのであれば、そ
 の人物の移動経路や観劇のさまなどを、文化欄での特集というのではない普通の
 紙面で一々報道するというのは、まず考えられないことである(昭和四十一年秋に
 サルトルとボーボワールが来日したときにやや似たような状況だったのだが唯一
 の例外で、おそらく最後であろう)。当時の各新聞の見出しをざっと眺めると、
  「愈よ来るラ氏に尾行はつかぬ……公私の會合は遠慮する意嚮」
  「初めて刑事の出迎を受けた哲人ラ氏」
  「千餘の聴衆熱狂裡に八名検束さる ラッセル氏より労働者へ」
 …といったものが散見され、まるで新聞記者と警察とが競争でラッセルを見張り、
 追いかけているかのような印象を受けるのだ。
  
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(3) 編集後記 
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 メルマガの第17号をお届けします。
 
 今回は、「ラッセルと大正日本」に関係するものを並べてみました。日本では
 2度ラッセル・ブームが起こりましたが、そのうちの1回は大正デモクラシー
 下の日本であり、もう1回はラッセルがさかんに平和運動(反核運動ほか)を
 していた1960年代中旬です。
 「ラッセルと大正日本」に関係するもの、特に新聞記事は多数ありますので、
 次回もこの特集にする予定です。        (松下彰良)
 
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■編集・発行:(松下彰良・まつしたあきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に :  matusitaster@gmail.com
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■WEBサイト: http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/index.htm
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