バートランド・ラッセルに関するメルマガ

バートランド・ラッセルに関するメール・マガジンn.15


カテゴリー: 2007年03月31日
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バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
 2007/03/31:n.0015 (2006/12/21 創刊) (毎週土曜or日曜日発行)
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HP(main): http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/index.htm 
Blog: http://green.ap.teacup.com/russellian/ (あるRussellianの呟き)
Blog その2(Google Blogger): http://russell-j.blogspot.com/ ・
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 ■ 目 次 ■

 (1) ラッセル格言・警句集(過去ログより)
 (2) (特集)「ラッセルと宗教」(再編集して、再掲)
 (3) 宗教関係以外のもの(再編集して、再掲)
 (4)  編集後記

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(1) ラッセル格言・警句集(過去ログより)
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 [n.0047:本物の愛情]

 両親の子供に対する愛情および子供の両親に対する愛情は、幸福の最大の
源の一つとなりうるが、実際は、今日においては、親子関係は90%までは両者
にとって不幸の源になっており、99%は少なくとも一方にとって不幸の源にな
っている。
★出典: http://russell.cool.ne.jp/beginner/HA24-010.HTM
(引きこもり、受験競争、就職できない若者、いつまでも独身の子供を抱えた
年老いた親/子供を顧みない若い親、精神的に成長していない未熟な大人が子
供をもつことの弊害、平均寿命がのびたことにより年金では生活できない老人
の増加/教育も含め競争原理があらゆるところで導入され、いろいろな格差が
拡大、がんばった人に報いる社会をといううたい文句、しかし大部分の人は成
功しないのはあきらか、それがジュパニーズ・ドリームとでもいうのか?)
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Affection of parents for children and of children for parents is 
capable of being one of the greatest sources of happiness, but in fact
 at the present day the relations of parents and chndren are, in nine
  cases out of ten, a source of unhappiness to both parties, and in 
  ninety-nine cases out of a hundred a source of unhappiness to at 
  least one of the two parties.
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[n.0046:本物の愛情]

 二人の人間が相手に対して本物の'相互的(双方向の)関心'を持っているとい
う意昧での愛情、即ち、相手を幸福のための手段として見るだけではなく、む
しろ共通の利益(幸福)を持つ'結合体'だと感じる愛情は、真の幸福の最も重
要な要素の一つであり、自我が鋼鉄の壁の中に閉じ込められていて、このよう
に自我を拡大することが不可能な人は、たとえ仕事(キャリア)の面でどんな
に成功していても、'人生が提供する最良のもの'をつかみ損なっていることに
なる。
★出典: http://russell.cool.ne.jp/beginner/HA23-080.HTM
(相手を自己実現のための手段としてみるのではなく、同等の人間と認めるこ
と/相思相愛+相互理解+共通の目的、共通の感情をもてることが理想だがな
かなか難しい/難しいとしても自己満足だけの人生に終わらせないためには・
・・)
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Affection in the sense of a genuiun reciprocal interest for two persons
 in each other, not solely as means to each other's good, but rather 
 as a combination having a common good, is one of the most important 
 elements of real happiness, and the man whose ego is so enclosed 
 within steel walls that this enlargement of it is impossible misses 
 the best that life has to offer, however suceessful he may be in his
  career. 
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(2) (特集)「ラッセルと宗教」(再編集して、再掲)
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 大竹勝「ラッセル著『わたしは何故キリスト教徒ではないか』を中心に」
 → http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/KAIDAI03.HTM
 ・・・18歳のある日、わたしはジョン・ステユワート・ミルの自叙伝を読
 んだのです。ところが、そのなかで、わたしは次の一文章を発見しました、
 『わたしの父は、「誰がわたしを造ったか」という問題は、答えられない
 ということをわたしに教えた。なぜならば、その問題は、たちどころに、
 「誰が神を造ったか」という、もう一つの問題を暗示するからである。』
 その極めて簡単な文章が、今もそう思うのですが、第一原因による証明法
 の誤謬をわたしに明示したのであります。もしあらゆるものが、原因を持
 たねばならないとするならば、そのときは神にも原因がなければなりませ
 ん。もし原因なしに何かが存在することができるとするならば、神と同じ
 ように、世界であってもよいことになりましょう。そうなると、その議論
 には、何の妥当さもあり得ないことになります。それは、まったく例の印
 度人の意見と同じであります。それによりますと、世界は一匹の象の上に
 あり、その象は一匹の亀の上にあるというのです。ところで「亀はどうな
 んです」と聞かれたとき、その印度人は「話題を変えたらどんなものでし
 ょう」と言ったということです

 大竹勝「ラッセル(著)『宗教は必要か』への訳者あとがき」
 → http://russell.cool.ne.jp/51T-POST.HTM
 ・・・『宗教は必要か』と題する、ラッセルのエッセイ集の(松下注:邦
 訳書の)刊行は、エリオットの研究から派生したものである。エリオット
 の「教会」と「正統主義」についての態度と、ある意味では、対照的な立
 場にあるこの哲学者を学ぶことは、エリオット研究者が怠ってはならない
 反面であるとわたしは考える。また、エリオットの学生時代、駆け出し時
 代において、両者の交渉が極めて密接なものであったことも見のがすこと
 はできない。

 ラッセル(著)、津田元一郎(訳)『宗教から科学へ』
 → http://russell.cool.ne.jp/33T-POST.HTM
 ・・・世界の至るところに不寛容と憎しみが支配し、それにもとづく戦争
 が人類を危機におとしいれている今日、ラッセルの説く経験主義的、合理
 的、批判的態度は、われわれ人類にとってますます緊要の度を増している。
 ・・・。ラッセルが最も嫌うコトバは、「確実」「たしか」「必ず」とい
 うコトバである。「これだけはたしかだ」という想定と主張とが数多くな
 り、その強度がませばますだけ、われわれの社会には信念の闘争が生れ、
 自己の信念のみをよしとし他を弾圧する立場が生れる。それが国家と国家
 との間に生れるとき、他を侵略してはばからぬ態度と、それにもとづく戦
 争を誘発する。
 
 ラッセル「第一原因による神の存在証明法」
 → http://russell.cool.ne.jp/beginner/GOD-01.HTM
 
 谷川徹三「ラッセルと宗教」
 → http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/TANI-T01.HTM
 ・・・しかしこういう彼の考え方の中には、彼のスケプティズムと相対主
 義とがあるので、彼が同じ世界宗教でも、キリスト教より仏教に好意をも
 つのも、社会主義者でありながらボルシェヴィズムを斥けるのも、ここか
 ら来ている。彼は政治的には常に専制や独裁を憎んだ。哲学や思想の系譜
 においても、専制や独裁を正当化するようなものを常に斥けている。制度
 としての宗教も同様である。一つの普遍的真理と信ずるものに固執して、
 それによってすべてを律しようとするからである。彼は科学に信頼を置く。
 しかしその科学をも絶対の真理としては受取っていない。科学といえども
 常に完全に正しいということはない。しかしそれは完全に誤っていること
 も滅多にない。それゆえ科学を仮説的に受け入れることは合理的なのであ
 る。しかしその科学でまだ分らないことがいろいろあるので、それについ
 て思弁することは人間の本性にかなっている。知識のように見えるもので
 実際には知識でないものもある。それを知識でないと謙虚に気づかせてく
 れるところに哲学の効用はあるのだ。
 
 谷川徹三「自由人ラッセル」
 → http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/TANI2-T01.HTM
 
 市井三郎「ラッセルと自由人の信仰」
 → http://russell.cool.ne.jp/ICHI-S01.HTM
 
 松下正寿「バートランド・ラッセルの宗教観」
 → http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/MATU-M1.HTM
 ・・・バートランド・ラッセルにとってはいいかげんな信じ方をするより
 は何も信じない方がましであった。彼は信ずることを信じなかった。彼は
 信じて「安神」するよりも信じないで考えたかった。彼は一生考え、考え、
 考え貫いて天寿を全うした。ラッセルを無神論者と断定するのは結構であ
 る。その断定に非難が含まれていなければ私は同感である。非難が含まれ
 ていたら私は、「ではあなたは無神論者でないか」と反問したい。そして
 私はこの反問に正直に答え得る人の数は極めて少数であると思う。
 
 日下部哲夫「ラッセル哲学における宗教の問題」
 → http://russell.cool.ne.jp/KUSAKA-T.HTM
 ・・・イギリスが生んだ今世紀最大の哲学者、バートランド・ラッセルは、
 宗教に対する批判の辛辣さにおいて世に名を成している。彼の宗教批判の
 影響は、良しにつけ悪しきにつけ絶大なものがあり、その結果多くの論争
 を惹き起こした。その原因は、ただに彼が有名な哲学者であったというこ
 とのみならず、彼みずからが臆面もなく自分自身を無神論者であると言っ
 て憚らなかった*1ということにもある。これらを権威として恰好づけ屋の
 若者が神の非存在を主張するに及んで、世の良識ある人々に不安を抱かせ
 たことも確かで、したがって、「ラッセル」といえば、あたかも無神論者
 の代名詞であるかのように扱われるのが常であった。 なるほど、確かに
 彼は、キリスト教徒の信じる神、いわんや、イエス・キリストが神である
 ことを信じない、と明言する。さらに、キリスト教における神話的設定や、
 その設定の政治的利用に対して辛辣なまでの批判を続けるが、彼は、しか
 し、徹底的な懐疑主義者でもなかった。 というのも、彼はさまざまな宗
 教・思想を無批判に信奉することを結局は拒否しながら(知識論的側面)、
 同時に、あることを信奉する側面があること、彼にとって(個人的信念の側
 面)どうしても受け入れざるを得ないもの、すなわち、ある超越的設定を残
 したのである。公的なるものと私的なるものの、その外側に、それらを仲
 介するであろうある超越的設定を的確に示しているのである――このこと
 が、ラッセル哲学の基盤を、その尖鋭的発展である現代言語哲学よりも、
 西洋の古典的伝統の哲学に、より接近させるのである*2。
 
 間瀬啓允「ラッセルにおける宗教と神・批判」
 → http://russell.cool.ne.jp/MASE-H.HTM

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(3) 宗教関係以外のもの 
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 水口志計夫「(マクマスター大学)ラッセル図書館訪問記」
 → http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/BRA-INTR.HTM

 語学に精通したラッセルと哲学に見る思考の解放性
 → http://d.hatena.ne.jp/cosmo_sophy/20041223
 ・・・彼が幼時からドイツ語に堪能であったのは、天賦の才もあろうが家
 庭教師がドイツ人であったことも多分に影響していたと思われる。しかし、
 祖母の回想によると5歳時に、少なくとも英語、ドイツ語、フランス語、
 イタリア語を文法規則を踏み外す事無く使いこなすことが出来たというか
 ら、多少の誇張表現が含まれているとは言え驚異的である。語学を習得す
 るには、普通、ある程度の年齢になってしまうと相当な年月がかかるもの
 だが、日常会話に耐える程度の基礎的な部分の語学能力は、記憶中枢の可
 塑性とニューロンネットワークの柔軟性に富む幼少期であれば複数の言語
 を同時に短期間に習得できるものなのかもしれない。
 
 忘れた頃に復活!? Bertrand Russell: The Spirit of Solitude (1996)
 → http://arsmaki.exblog.jp/d2007-03-15
 ・・・Ray Monkが著わしたバートランド・ラッセルの伝記の前編。
 ラッセルの誕生(1872)年からドーラと中国から帰国(1921年)までの約
 50年間をカヴァーしている。ラッセルは1970年に98歳で亡くなっている。
 半世紀ごとに分けていることになる。同時に、ラッセルの軌跡の変化が大
 きく変わり、学究的な生活から政治的に活動し、社会的認知度を高めてい
 ったのと期を一にしている。
 
 公平珠躬「B. Russell『ギリシア語練習帳』とテキスト・プロセッシング」
 → http://russell.cool.ne.jp/EXERCISE.HTM

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(4) 編集後記 
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 メルマガの第15号をお届けします。
 今回は、「ラッセルと宗教」に関係するものを並べてみました。
 ラッセルの宗教批判にははげしいものがありますが、ラッセルの真意を誤
 解している人も少なくありません。その点、キリスト教信者である松下正寿
 氏の「バートランド・ラッセルの宗教観」は、ラッセルの宗教思想・宗教観
 を的確にとらえており、お勧めです。対照的なのは同じくキリスト教の信者
 であると思われる間瀬啓允の「ラッセルにおける宗教と神・批判」であり、
 ラッセルの宗教批判は感情的であると「感情的に」述べておられ、自家撞着
 に陥っているように見えます。            (松下彰良)
 
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■編集・発行:(松下彰良・まつしたあきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に :  matusitaster@gmail.com
■登録・解除・変更はこちら: http://www.dgcr.com/regist/index.html
■WEBサイト: http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/index.htm
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