左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii 第513号「左利き者の証言 1」


カテゴリー: 2018年03月03日
(^O^)/

きょうは、3月3日お雛祭りです。


そこで、というわけではありませんけれど、

女性の左利きの先輩のお話を……。



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 ※『週刊ヒッキイ』は、2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
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  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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 第513号(No.513) 2018/3/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
 左利き者の証言から~ 左利き先輩たちの足跡 (1)」
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  ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ..第一土曜日掲載
 ―その23― 左利き者の証言から 
 左利き先輩たちの足跡(1)
 100歳の精神科医・高橋幸絵枝著『こころの匙加減』から
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 前回まで、左利きライフについて考えてきました。

 快適な左利きライフの方法を考えてみよう、と試みでした。

 あまり思うように書けなかった反省から、
 新たなテーマで書くことにします。

 今回からは、過去の左利きの人たちの言葉を紹介しながら、
 先輩の証言から学ぼう、というものです。

 さて、どのようになりますか、
 乞うご期待! ということで……。


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 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23― 

  左利き者の証言から ~快適左利きライフのために~

 
  ◆ 左利き先輩たちの足跡(1) ◆

  100歳の精神科医・高橋幸枝/著『こころの匙加減』から

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 ●100歳の精神科医・高橋幸枝/著『こころの匙加減』

著者は、
33歳で精神科医となり、49歳で精神科を含む病院を設立、
院長となった、という経歴の持ち主です。


この著書は、
精神科医として半世紀にわたり、
患者と向き合ってきた著者だからこそ気づけた、

 「迷いすぎて苦しまないためのヒント」

だそうです。


私のように、ある程度歳をとってきますと、
若い人の助言に素直に耳を傾けるのは難しくなってきます。

その点、年の上の人の言葉は、比較的耳に入りやすいものです。

特に尊敬できる人であれば、ますます聴きやすくなります。

しかも100歳という人生の大先達であり、
かつ精神科のお医者様のお言葉となれば、
やはりちょっと気になりますよね。


『100歳の精神科医が見つけた こころの匙加減』高橋幸枝/著
 飛鳥新社 2016/9/8 
http://www.amazon.co.jp/dp/486410512X/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

(「高橋幸枝」さんの「高」は、
 ナベブタの下は「口」ではなく「はしご」の高ですが、
 「環境依存文字」になりますので、表示できません。
 あしからず、ご容赦ください。)


 ●高橋幸枝さんの場合――

「第1章 生き方の匙加減」
 <3 他人を気にしすぎると結局損をする>

にこうあります。


 《もし、今のあなたに何かお悩みがあるならば、
  「他人様の何気ない言葉など、無責任なものだから、
   気にしなさんな」
  そうお伝えしたいと思います。》


左利きだということで、ずっと劣等感を抱いてきたという著者。

今からおよそ百年前となりますと、戦前、大正年間でしょうか。
ほぼ亡き我が父親と同じ頃の生まれのようです。

そのころと言えば、
左利きは徹底的に「右使いに直された」時代でしょう。
ましてや女性となれば、
「お嫁にいけませんよ」と言われて、
容赦なくといっていいでしょう。

本書の中では、淡々とさらりと書いておられます。


3、4歳になり箸を持ち始める頃――

 《家族以外の人が集まるところに行くと、
  「左利きなのね」と声をかけられるのがお決まりでした。/
  不思議なことに、ひとりがそう気づくと、周りも同じように
  「さちえちゃんって左利きなんだ、ワァー!」
  と逐一反応するのです。
  その瞬間の恥ずかしさ、情けなさ、
  悲しさといったらありゃしませんでした。/

  あまりに悔しく恥ずかしい思いを重ねた私は、
  お箸とペンは訓練を積んで、
  なんとか右手で持てるようになりました。/
  けれども、それ以外は左利きのまま。
  楽しいことばかりの10代になっても、
  私の“左利き劣等感”は、凝り固まったままでした。》


《恥ずかしさ、情けなさ、悲しさ》
《悔しく恥ずかしい思い》
《“左利き劣等感”は、凝り固まったまま》

というように、ご自身の感想を書いておられます。


左利きに対する非難は、
実際はそんなものではなかったはずです。

それは、
60代前半の男性である私の子供のころを思い起こしても、
言えることです。

あの当時でも、あれぐらいだったのですから。


もちろん人にもよるのでしょうし、
まわりの環境にもよるのでしょう。

上品な家庭では、
エゲツナイ言葉を浴びせる人はいなかったのかもしれません。


私の場合は、
幸いなことに進歩的?な小学校の先生に出会い、
自由に左利き生活を過ごせるようになりました。

それでも、心の中にはコンプレックスが渦巻いていました。

その後、「左利き友の会」を主宰された
精神科医・箱崎総一先生の著書を読んで、精神的に救われました。


*箱崎総一『左利きの秘密』立風書房マンボウブックス 1979.6
http://www.amazon.co.jp/dp/B000J8GO3A/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22


「左利きの自分が悪いのではなく、
 左利きの人を受け入れようとしない社会の方こそが悪いのだ」

という現実に目覚めさせてもらえた、ということです。



 ●30代以降の高橋幸枝さんの変化

 《30代にさしかかり、世の中のことがわかって、
  少し厚かましく生きられる時代になっても、
  私の左利き劣等感はぬぐい去ることができませんでした。》


社交辞令をいわれる側の立場になり、

 《人様の言葉の「空疎」な一面》

に気付けるようになった、というのです。


 《子どもの頃とは大きく異なり、いい歳になると
  「左利きなのですね」という決まり文句のあとに
  「左利きの方は器用でいらっしゃるそうですね」
  などというお世辞をつけられるようになってきたからです。》


すると、そのように声をかける人たちの言葉には、
「他意はない」と気付いた、という著者。

その時、左利き劣等感は嘘のように消えた、といいます。


 《このような“左利き”にまつわる体験は、専門的に言うと
  「ノイローゼになっていくプロセス」
  とどこか相通じているものがあるように思います。/
  他人様が私に投げかける「左利き」という指摘には、
  ほぼ何の意味もなく、
  会話の単なる潤滑油でしかないことが多いものです。/
  ましてや悪意やさげすむ気持ちなんて、一切ない。/
  そのような「他人様の何気ない言葉」を
  逐一真に受けていた私は、なんと若かったのかと
  今にして思います。
  よく言えば、純粋であったのかもしれません。》


最後に、

 《この話は、コンプレックスを抱えるあらゆる方に
  きっと当てはまるはずです。》

と書き、
初めに紹介した言葉に続き、この文章は結ばれています。



 ●私の場合と比べてみると

私は思うのですが、
確かに昨今の人の言葉の中には、
高橋先生のおっしゃるように
「他意はない」ものが多いでしょうね。

単に、事実を述べただけ、ということが。


私の子供の頃は、この先生の30代の頃とタブります。

自分のその頃を思い返しますと、
必ずしもそうとは言えないような気がします。

まだまだ「右手使いが正しい作法」と考え、
「左利き」は、「片○」とか「障害者」、
あるいは「不作法者」「偏屈者」
などという認識を持つ人もありました。


ただ、これは自分の体験からも言えることですが、

 大人になると、「左利き」を非難されることは少なくなる

という現実があります。

さすがに多くの人は、相手を見てものを言うようになる、
ということでしょう。

子供が相手なら、頭ごなしに命令形で言えることでも、
大人が相手となれば、そう気やすく発言できないものです。


高橋先生の場合も、そういう年齢に差し掛かって来ていた、
とも言えそうです。

それと、お医者様という社会的地位の高さもあるでしょう。

まさに「お世辞」「社交辞令」というところでしょうか。



 ●左利きであるということ

先にも書きましたが、育ちのよい方なのか、
職業上の気遣いもあるのか、
かなりソフトな書き方をされているように感じました。

昔のことですから、
さすがに言葉にできないような経験もされているのではないか、
という気がするのです。


それを含めても、なお、このような書き方になるほど、

 「左利き」で悩む必要はない

ということでしょう。


《「他人様の何気ない言葉」を逐一真に受け》る必要はないのだ

他人様の言葉に傷ついていた自分は《若かった》のだ

――という著者の言葉は、重要です。


若いということは、純粋だということでもあります。
若い人ほど傷つきやすいのです。

ましてや、右も左もわからない子供の場合は……。


「左利きの人が“左利き”だ」というのは、単なる事実です。
それ以外の何事でもありません。


「左利き」それ自体には、
善も悪も、正も邪も、損も得も、上も下も、
それら価値判断は含まれません。

ただ単に、

「右よりも左を好んでよく使う、左使いだ」

という性質――事実があるだけです。


本人はもちろん、まわりの人たちも

「こだわらず、ただその事実を素直に受け入れる」

ことが大事です。


これは、本人以上に、
まわりの人たちの態度がポイントになります。
そこをじっくり考えてほしいものです。

受け入れられれば、それなりに対応できます。

受け入れられないと、
その時、不幸が訪れるのではないでしょうか。


私は、

┏━━━━━━━━━━━━┓

  左利きは不幸ではない

  左利きを不幸にするのは
  左利きを受け入れない
  周囲の偏見にある

┗━━━━━━━━━━━━┛

と考えています。


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