左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii 第334号「左利きとマナー(9)」


カテゴリー: 2012年10月13日
◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
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 右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして 
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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 第334号(No.334) 2012/10/13
 「左利きとマナー(9) 伝統と左利き:茶道(1)」
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 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ..第ニ土曜日掲載
 ―その19― 左利きとマナー(9) 伝統と左利き:茶道(1)
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 今回はまた、茶道他日本の伝統的な芸道などにおける
 左利きの問題について考えてみましょう。

まず、伝統と左利きについて考えてみます。


 ●伝統とは?

まず伝統とは何か?


 《伝統というものが文化的潜在意識に生きる記憶であるとして
  も、当然ながら、それは自然に形成されるものではない。文
  化は自然ではなく、人が作り出すものである以上、伝統もま
  た人の営為から紡ぎ出される。... 》

   『キケロ ―ヨーロッパの知的伝統―』高田康成/著 
    岩波新書(新赤版627) 1999.8.20 p.3
http://www.amazon.co.jp/dp/4004306272/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22


伝統というものもまた、人が作り出すものであるというのです。


 ●世に従うか、従わないか?

鴨長明『方丈記』にこんな文章があります。

 《... 世にしたがへば、身苦し。
  したがはねば、狂せるに似たり。... 》

   『新訂 方丈記』市古貞次/校注 岩波文庫 1989.5.16 p.26
http://www.amazon.co.jp/dp/4003010019/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22


補注(p.55)には、

 《... 世ニシタガヘバ望ミアルニ似タリ。
  俗ニ背ケバ狂人ノ如シ。... 》
   (梵舜本沙石集・五末、行基菩薩御歌事)

 《世に従ふを以て人倫とし、
  世に背くを以て狂人とすと云ふ事侍り。》
   (源平盛衰記・巻二、二代后)

ともあります。

世の中のしきたりや慣習、
まあ言ってみれば、伝統でもありますが、
そういうものに従っていれば、人から悪く言われることはない、
しかし、そむけば、狂人といわれる。

まあ、よくあることです。

左利きも今でこそ、
左利きは左利きで! という考え方が広がっています。

しかし、日本の伝統的な芸道や武道の世界では
依然、左利きは忌避される状況にあります。

かなり進んだ考えの持ち主と思われる人でも、
いざとなると、
左利きでの取り組みには疑問を持たれるようです。


 《つい先日、大寄せ茶会で某流派の左利きの点前の方が、
  左手で茶筅を振り、柄杓を扱っているのを
  疑問を持って拝見した。》

   「緑水庵/2010年8月16日 左利き その1」より


 ●結論は、「慣れろ」?

上↑の引用は、裏千家 高山宗真氏の
以下↓のブログからです。

左利きの生徒さんとの出会いと、
左利きの方からの質問メールに伴い、
左利きと茶道について真剣に考察された文章です。

 緑水庵
 http://ryokusuian.exblog.jp/

2010年8月16日 左利き その1
http://ryokusuian.exblog.jp/11136724/
2010年9月5日 その2
http://ryokusuian.exblog.jp/11237277/
2010年9月8日 その3
http://ryokusuian.exblog.jp/11250309/
2010年9月10日 その4
http://ryokusuian.exblog.jp/11259788/
2010年9月13日 その5
http://ryokusuian.exblog.jp/11272724/

色々と書いていらっしゃいますが、結論としては、

【その5】
  《以上、芸道においては左利きの方も右の型を守るべき
  と結論したが、皆さまのご意見をお聞かせいただきたい。》

【その4】
 《... 左利きの矯正を不必要と思っている私ではあるが、
  日本の芸道においては左利きの方も現行の右利きの型で所作
  を行う必要を述べた(参照 その2・その3)。
  茶の湯において事足りるくらいの所作は、
  大人になってからの訓練で十分できる。
  右利きの方も、茶筅通し(投じ)、薄茶の茶筅振り、
  柄杓の扱いなどは初めてなのだから、
  較べれば左利きの方はやり難くても慣れてしまえば、
  大差ない。》

要するに、
「初めて」のことなのだから
「慣れろ! 慣れれば大差ない」
という御考えのようです。

その理由として、ご自身が左手での箸使いにチャレンジした結果、
ある程度できる、という確信を持たれたから、
ということのようです。


【その4】
 《右利きの私が、
  練習により左手で箸が扱えるになった以上に発見したのは、
  これまで無意識に左手でしていた所作が右手で行えないこと。
  飯椀なり汁椀を取る時、
  左手では人差指・中指・薬指・小指を揃えることは意識せず
  ともしているのに、
  右手は利き手であるのに気をつけていないと指の間が空いた
  りする。
  慣れは恐ろしい(良い意味で)もので、
  意識していれば左手でも美しい箸の所作ができる日がくると
  思うのである。》


 ●両手には異なる役割がある

ところでいつも私が言うことは、
自分ができるから他の人もできる、とは限らない
―ということです。

これは人それぞれ、
文字通りにそれぞれで異なるということです。

できる人もいればできない人もいる―
簡単にできる人もいれば、
がんばらないとできない人もいる、
がんばってもやっぱりできない人もいる―
ということです。

一口に左利きと言っても、
右利きに近い、左利きの度合いが弱い人―
少しの努力で、ある程度なら右手も使えるようになる人
(俗に両利きなどと呼ばれる人)―もいれば、
右利きからはほど遠い、左利きの度合いの強い人―
努力してもなかなか右手が使えない人
(私もそんな一人です)―もいます。


次に、初めてすることだから、という考え方も疑問です。

初めてのことならなんでも、「0」からスタートかといえば、
そうではありません。


第315号(No.315) 2012/6/2「レフティ・グッズ・プロジェクト
 <左手・左利き用品を考える>第5回」
http://archive.mag2.com/0000171874/20120602074000000.html

にも書いたことですが、

脳科学者・久保田競先生の著書『脳を探検する』
http://www.amazon.co.jp/dp/4062085801/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

にありますように、

両手にはそれぞれ役割があり、
作用する手と
その補助的な役割をする感覚器官としての手とがある、
ということです。

通常、人は利き手を作用する手として用い、
利き手でない方―非利き手は、
その補助・感覚器官として用います。

これは右利きの人でも左利きの人でも同じです。
すなわち、右手左手それぞれの役割は、
利き手が違えばおのずと異なってくる、ということです。


この方も、先の左手箸のくだりで、
左手が自然にできたことが、右手では意識しないとできない、
と書いておられます。

そういうものなのです。


ですから、初めて行うことだからといっても、
それぞれの手が担う役割は交換可能なものとはならないのです。

それぞれの手は、
決して「0」からのスタートとはならない、のです。


 ●普遍的な左右共用可能な方法の確立を!

そして、私が一番言いたいことは、

右利きに右利きの作法があるように、
左利きには左利きの作法があってもいいのではないか、
ということであり、

さらに、もっと強調したいことは、
左右が共存できるような作法というものは無理なのか、
ということです。


それぞれの独自性を尊重して受け入れ、
かつ、全体として統一した普遍的な、
左右共用可能な点前の作法を確立できないのか、
ということです。


無理とはいえないように思うのです。
いや、言ってはならないと思うのです。

なぜかというと、
右利きの人も左利きの人も現実に存在するからです。

実際に右側が得意な人も左側が得意な人もいるのです。

極端な話をすれば、
世の中は五体満足な人ばかりではなく、
“五体不満足”な人もいるということです。

今までのやり方では、そういう人はみな、
茶道はじめ、伝統的な日本の芸道や武道を習うことは、
拒否されてしまうことになります。

それはまさに“差別”以外の何ものでもありません。

また、その道の先生たちもまた、
一旦、“五体不満足“となれば、師匠として存在できない、
ということにもなります。


本当にそうでしょうか?

茶道というものは、そんな形式だけのものなのでしょうか?

「道」とつく限りは、そんな底の浅いものではないはずです。
もっと精神的な面が強調されるのではないでしょうか。

たとえ、手が動かなくとも、眼が見えなくとも、
ひとたびその道を極めた人なら、
何かしら人に教えるすべを持っている、
教えるに足るものを持っている、
と考えられるのではないでしょうか。


そして、習う側の立場の人も、
必ずしも皆が皆、先生を目指すわけではないのですから、
すべてに完璧ではなくてもいいのではないでしょうか。

形式が伝統に則った現行の決まり通りではなくても、
その精神が全うされていれば、それはそれで良い、
と言えなくもないのではないか、と素人の私は考えます。


だからどうしても、
右であれ左であれ、同時に共生できる方法が必要だ、
と思うのです。

もしなければ、
作らなければいけないのではないか、というのが私の結論です。


―この項、次回に続きます。

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