「異文化交差点」(にほんごNPO)

『異文化交差点』Vol.164(にほんごNPO)


カテゴリー: 2017年03月01日
◆◇◆◇◆◇◆◇|異||文||化|╋|交||差||点|◆◇◆◇◆◇◆◇
       ~~~Culutural Crossroads~~~~~       
             Vol.163 August          2017/3/1
 
            特定非営利活動法人 浜松日本語・日本文化研究会
                   http://nihongonpo.hannnari.com/
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

☆『異文化交差点』は〈にほんごNPO〉発行のニューズレターです。会員と
会の活動を支援してくださる方に月1回毎月1日に配信しています。

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◇日本語クラス3月の日程◇(4月以降の日程は来月号にてお知らせ致します)
 http://nihongonpo.hannnari.com/school.html

━ C O N T E N T S ━
  ●にほんごNPOだより…第12回日本語スピーチコンテストより
                          …「はままつ市民の力 きらきらBOX」
   ○思い出BOX(第8回)……………田野聖一
    ●にほんごNPO諸事雑感……………加藤庸子
     ○まっちゃかふぇ………………………杉本英雄
      ●ごげんかせんといけん………………杉本英雄
       ○編集後記

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■□■にほんごNPOだより■□■

2016年8月7日に行われた「第12回 日本語スピーチコンテスト」より
大人の部に参加してくださったデデさんの楽しいスピーチをご紹介します。

「日本に来て驚いたこと」……………デデ・ハンドリアンシャ(インドネシア)

みなさん はじめまして。
デデともうします。インドネシアからまいりました。
私たちのすべてに健康をあたえてくれた神さまに感謝します。

みなさんは、はじめて見たことに おどろいたことが ありますか?
みなさんも きっと、ありますよね。

2014年12月、私は日本に来ました。さいしょのころ、はじめてのことで
おどろいたことが いっぱいありました。

12月は、もちろん寒いじゃないですか。でも日本に来る前に、友だちは私に
「だいじょうぶ、心配しないで。今はまだまだ寒くないですよ。」と、言いま
した。私は、そうなんだ、日本は まだ寒くないんだと思いました。

インドネシアの12月は暑いです。それで、シャツだけ着ることに決めました。
ジャケットはトランクに入れました。

インドネシアからタイでのりかえて日本に来ました。タイも暑かったですから、
シャツでだいじょうぶでした。そして、日本についたとき、わかりました。
日本の12月はすごーく寒かったんです。名古屋空港から飛行機にのって
インドネシアの家に帰りたかったです。

そこで見ました。こんなに寒いのに、女の人がミニスカートをはいていました。
おどろきました。すごいと思いました。

先生がむかえに来てくれました。アパートへ行く途中、私はおどろきました。
すごいと思いました。日本のまちはゴミがぜんぜんなくて、きれいでした。
日本は車をたくさん作っているのに、道路がこんでいませんでした。

最初のアパートにはエアコンがありませんでしたから、ストーブを使いました。
寒かったですが、ねるときストーブを使うのはこわいですから、毛布だけを使
いました。あたまから毛布をかぶってねました。朝おきたら足がつめたくなっ
ていました。 

はじめての買い物は、友だちと5人で行きました。
お金を払うとき、袋をくれませんでした。どうして?すごくおどろきました。
それで私たち5人は1人1個ずつ買った物をもって、アパートへ帰りました。
私は、からだがいちばん大きいですから、お米をもちました。

スーパーからアパートまで歩いて1キロありました。遠いし寒いし、ほんとう
にたいへんでした。日本人はみんな自分の袋をもっていることを知りました。
そのときから、私たちも自分の袋をもって買い物に行きます。

最初の冬に、雪がふりました。少し、つもりました。静岡には雪がふらないと
聞いていましたから、おどろきました。でも、うれしかったです。外に出て、
走りました。写真をとったり、雪をなげてあそびました。

いま私は磐田に住んでいます。日本に来て、1年半がたちました。
いまでもはじめてのことで、おどろくことがあります。日本はすごいと思って
いますから、日本のことをもっともっと知りたいです。そのためにこれからも
がんばって日本語を勉強します。

ありがとうございました。

      ………………… ◆ …………………

◆「はままつ市民の力 きらきらBOX」(浜松市民活動団体紹介サイト)

2月7日に、にほんごNPOのページを書き換えていただきました。
「にほんごNPOって、どんな団体?」と聞かれたら、にほんごNPOのHP
だけでなく、こちらのページも是非ご紹介くださいね。
http://www.n-pocket.sakura.ne.jp/kobo-Released/kirakira/nihongo/

      ………………… ◆ …………………

◆フェイスブックも!

実は、にほんごNPOには、フェイスブックのページもあります。
加藤がかなり前に開設したのですが、なかなか更新する時間がありません。

https://www.facebook.com/
NPO法人-浜松日本語日本文化研究会-597030053659689/?pnref=lhc

年のせいか、目が疲れやすくなり、PC作業が苦痛になってきました。
どなたかHELP!

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■□■思い出BOX■□■

今回からしばらくの間、田野聖一さんの「思い出BOX」をお楽しみください。

お若いころ(今も若い!)は、バックパッカーとして世界をあちこち歩いて
いらしたと聞いています。初めて出会った頃も(11年前だったんですね)
バックパッカーの雰囲気を色濃く残していらっしゃいました。いつかまた世界
を旅したいとおっしゃっていた田野さんも、一児のパパとなり、現在は、
静岡国際言語学院の常勤講師をしていらっしゃいます。(加藤)

◆
地域の日本語教育………………………………………………………田野聖一

バリカンに髪がからんだ。
2、3週間に1回は髪を刈る。最近切れ味が悪くなった。11年間使っている
バリカンだ。タイに居るときに坊主頭にした。
日本語NPOに入ったのは帰国後だ。

代表の加藤さんから来る仕事はややこしい。

<その1>来日したばかりのペルー人が中学校に入った。3年生の男の子で
高校受験を考えている。週に1回中学校に行ってほしい。というわけで、取り
出し授業で日本語を教えた。

<その2>ALTを紹介されたこともある。中国に2年いたアメリカ人だ。
土曜の午後に個人授業をした。言葉マニアで中国語が話せた。

<その3>遠州浜日本語カフェのコーディネーター。
外国人と日本人ボランティアのおしゃべりの場だ。地域の日本語教育は多様だ。
年少者から大人までと学習者の幅も広かった。

5年前から日本語学校の常勤をしている。地域に関わる時間がない。授業に
切れ味がなくなってきたと感じていたところに、加藤さんから電話がくる。

「思い出BOXの原稿を書いてくれない?」
「字数は?」
「何文字でも。」
「テーマは?」
「田野さんの好きなもので。」

大雑把なところが加藤さんらしい。地域の日本語教育はややこしいが、
もう一度関わっていくいい機会だ。 


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●○●にほんごNPO諸事雑感●○………………………………………加藤庸子

【先生が頑張るから、私も頑張った】

2月7日(火)の昼過ぎ、KT中学で日本語・学習支援をしている指導者から
携帯にメールが入った。

「何と2人とも合格です!」

中学1年生の9月にフィリピンから編入したS君と、2年生の5月にネパール
から編入したNさんの2人が、浜松市立高校のインターナショナルクラスの入
学試験に合格したのだ。11人受験して5人合格という狭き門だった。これま
で支援を受けている生徒が合格した例はないと聞いていたこともあり、合格は
難しいだろうと思っていた。

感動はじわじわと広がってきた。「快挙だ!すごい!」と喜びが爆発的に広が
ったのは、メールをもらってしばらく経ってからのことだったし、健気な二人
の顔を思い浮かべて涙がにじんで来たのは、さらに時間が経ってからのことだ
った。

二人の編入当時の日本語力は、ほぼゼロレベル。日本語と教科、両方の力を伸
ばすように全力で支援しようと、学校と指導者の連携が始まった。二人は期待
に応えてよく頑張った。小学校1年生の漢字をある程度マスターした時点で、
学年相当の漢字の学習に入り、ほどなくして、クラスのみんなと同じ漢字テス
トを受け始めた。Nさんは、漢字を紙に大きく書いて、部屋中に貼って覚えた
らしい。

Nさんが日曜日の日本語クラスに来て、「悔しい」と「後悔」の「悔」、「舟」
を間違えた。最後の横画をはねてしまった。悔しい!と言ったのは、2年生の
3学期だった。58点満点で55点だったそうだ。(昨年2月のニューズレタ
ーをご参照ください。)すごいスピードで日本語を習得していくNさんに会う
のが日曜日の楽しみだった。

思い出を語り始めるときりがない。二人の成功要因を分析してみよう。

1)日本で勉強するという覚悟をもって来日した。
 ※多くの場合、自らの意思ではなく親に連れられてきたという意識が強い
2)母語が確立していた。
3)学習習慣が身に付いていた。
4)母国でも優秀な成績を収めていた。
5)母語の他に、英語が堪能だった(学習言語は英語だったようだ)ため、
  日本人の指導者が英語を使って日本語の基礎指導や教科の補習を行うこと
  ができた。
6)学校との連携により、登校初日から日本語の基礎指導ができた。
7)取り出し支援と入り込み支援、放課後支援を柔軟に組み合わせた支援が
  できた。

KT中学での今年度の日本語・学習支援事業による1週間当たりの支援時間は
二人で5時間。指導者に聞いた話によると、これでは到底足りないと、外国人
担当の先生や支援員の方、教科担任の先生方が寸暇を惜しんで支援にあたって
くださったようだ。

2月8日(水)の指導者研修会にサプライズがあった。二人が参加してくれた
のだ。そして、Nさんから冒頭の発言があった。
「先生が頑張るから、私も頑張った」

指導者が二人のために作った教科のリライト教材の数がそれを証明している。


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□■□まっちゃかふぇ【美しい星(了)】………………………………杉本英雄

この作品のあらすじや詳しい解説はウィキペディアで詳細に記述されています
ので、興味のある方はそちらをご覧になるとよいでしょう。

この小説のクライマックスは、人間は不完全だから滅ぼすべきだと主張する白
鳥座宇宙人の羽黒と、地球を救うことは自分の責任だと信じる主人公大杉との
対話です。

小説の設定は、たしかに純文学にはふさわしくないといえましょうが、作品の
核心はやはり文学の王道そのものでした。

何かと熱かった当時(この作品は1962年に発表されました)、こういう議論は
青年の特権でした。今ではもうこんな話をする大人も青年も見当たらないよう
です。

いまや世界中の人と瞬時に連絡を取り合うことができ、自動で運転する文字通
りの“自動車”が普及しだし、人工知能やロボットが人間の仕事を肩代わりし
つつあります。1960年代に少年漫画に描かれた空想の“未来”が、ついに現実
となってきています。

ある意味、日常が非常にSFチックなものになってきました。こんな時代にあ
って、私たちはどうあるべきなのか、このまま科学技術の発達に身を任せてい
けばよいのでしょうか。

こういった問いかけに対して、いまだに「文学」は、とくに日本の文壇は、解
答どころか、思考することさえしなくなっているかのようです。

今年「美しい星」が映画化されることにおいて、作品の核心はあっさりと切り
捨てられ、ただのパロディーとなってしまいました。これが現代というもので
しょうか。

自分たちは宇宙人と信じていた大杉一家は、ただの妄想の産物に過ぎなかった
のでしょうか。その“答え”を一読されて確かめてほしいところです。


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●○【ごげんかせんといけん】─21世紀日本語日本文化起源への旅…杉本英雄

No.064「ろくなことがない」

…この「ろく」って何ですか。ろくなことがないのは、なぜわるいことなので
すか。

直感的には「ろく」に禄という漢字を充てたくなります。この禄はいわゆる「
サラリー」ですね。ははあ、この禄がないのだから、そらあエエことないわな、
これで決まりでしょう。じゃあ、きょうはこれで。


念のためググってみたところ、おもいきりハズレでした(笑)。

「ろく」は「陸」と書かれ、これは土地が平らということから、モノやコトが
まっすぐ正確であることを意味します。

それで、「ろくでなし=陸でなし」という言い方があらわれ、これが性格が曲
がっている人を意味することになりました。

だから「ろくなことがない=陸なことがない」というのは、まともでない、よ
くないこととなった模様です。

ちなみに英訳すると、It won't do any good といった例があります。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編者後記》NHKの土曜ドラマ「精霊の守り人」を観ています。原作を読んだ
ことはありませんが、日本初の本格実写ファンタジードラマということで、な
かなかの気合が入った作りです。この世にない国の人々の衣食住、そして言語
(会話はもちろん日本語ですが)を創りだす努力は相当なものです。(杉)
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