キャリアデザインマガジン

日本キャリアデザイン学会 キャリアデザインマガジン107号


カテゴリー: 2013年04月01日
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□    キャリアデザインマガジン 第107号 平成25年4月1日発行
     日本キャリアデザイン学会 http://www.career-design.org/

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 「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
 ※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。

□ 目 次 □-----------------------------------------------------------

1 学会からのお知らせ

2 キャリア辞典「グローバル人材」(3)

3 私が読んだキャリアの1冊 『しあわせに働ける社会へ』 

4 キャリアイベント情報

5 学会活動ニュース

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1 学会からのおしらせ

◆第47回研究会
 テーマ 障害者のキャリアデザインを考えるシリーズ(1)
        『障害者雇用の現状と障害者のキャリアデザインの課題』
  講 師 眞保 智子(高崎健康福祉大学健康福祉学部准教授)
 司 会 青木 猛正(埼玉県立上尾かしの木特別支援学校校長)
 日 時 2013年5月18日(土)14:00-16:00
 場 所 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー25階セミナー室
 定 員 40名
 参加費 会員/無料、一般/3,000円(事前申込み制)
 詳 細 ホームページへの掲載を現在準備中です。
  申込み お申し込みは学会ホームページからご登録ください。
     http://www.career-design.org/pub/t047-1.html

◆第2回 「修士論文・博士論文」 発表会
 日本キャリアデザイン学会では昨年に引き続き、来る5月25日(土)に、平成
 24年度に修士論文及び博士論文でもって学位を取得された方の研究成果発表
 のための研究会を開催します。
 当学会では、キャリアデザインに関する修士論文及び博士論文を発表する機
 会を提供することで、研究者としての成長を支援し、また大学でのキャリア
 デザイン研究の成果を共有する機会を会員諸氏に提供しています。
 多数のご来場をお待ちしております。

 日 時  2013年5月25日(土) 14:00~17:00
 場 所  法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー25階
      イノベーション・マネジメント研究センター セミナー室
 発表資格 平成24年度に修士論文及び博士論文を執筆し、学位を取得した方、
      あるいは見込みの方で、かつ当学会の会員である方。
 発表者  3名~4名
 発表時間 一人あたり「発表30分+質疑応答15分」
 詳 細  学会ホームページを参照ください。
      http://www.career-design.org/pub/t047.html

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2 キャリア辞典

「グローバル人材」(3)

 現政権の目玉政策のひとつである産業競争力会議でも、グローバル人材は論
点になっているようだ。この3月15日に開催された第4回の会合でも、議員の一
人が提出した資料の重要なポイントとして「グローバル人材が掲げられている
(長谷川議員提出資料、
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai4/siryou2.pdf)。

 具体的には「教育制度の改革」の項の最初に「グローバル人材の育成・活用」
があり、「大学入試等におけるTOEFL利用」「英語教員評価へのTOEFLスコアの
活用」「外国人教員の採用目標の設定による国際的教育環境の実現」「日本人
の留学・海外インターンシップ、外国人の日本への留学促進(寄付税制の見直
しによる留学奨励環境の強化等)」「研究者(ポスドクを含む)の国際的頭脳
循環の促進を通じた質の向上」「小学校1年生からの英語授業の実施検討開始
(補完として、学童保育を兼ねた英語教育(NPOによるSkype経由の英語教育な
ど)の実施)」「IT教育の推進(基本的プログラミングの教育を教育課程に入
れる)」などと書かれている。

 目立つのが英語力の重視、とりわけTOEFLの重視だが、英語圏への留学を念
頭においたTOEFLを自国の大学入試に活用するというのはやや不思議な感は免
れない。英語教員評価への活用も、どの程度のウェイトで用いるかによるが、
少なくとも学術英語の能力を問うTOEFLが一般的な英語教員の主要な評価項目
になることはないだろう。続けて「留学」を連呼しているように、つまるとこ
ろ、少なくとも一部の大学については必ず留学するという教育制度に改革する
ということのようだ。教育改革という文脈でグローバル人材の育成を考えると
どうしても留学(あるいは受け入れた留学生との接触)という話になってしま
うのだろう。もちろん、海外留学・海外生活はグローバル人材の育成には有効
だろうし、留学生との接触が多様性という観点からも好ましいことも間違いな
い。とはいえ、教育制度を改革しても留学関連以外のグローバル人材育成のア
イデアが出てこないというのはやや情けない印象はあり、このあたりは大学関
係者からの「本学では留学に頼らずにグローバル人材を育成できる」という反
論を期待したいところだ。なおTOEFLに戻ると、試験は約半日を要するし、試
験員や採点に要する工数も大きいので、はたしてどこまで活用のキャパシティ
が確保できるのか、大きく拡大したときに現状のクオリティが維持できるのか
といった問題や、受験料が160ドル~250ドルで、現在の日本での相場は225ドル、
2万円前後かかるが、一般的に大学の受験料は2万~3万円前後であるところさ
らに追加的にこれだけの額を負担させるのか(まあTOEFLは1回受験すれば足り
るので多数受験する人には相対的・平均的には負担は緩和されるが)といった
問題もあり、それほど簡単に進む話でもなさそうだ。

 また、大学卒業者の多くが民間企業に就職することを考えると、英語圏への
留学に依存した「グローバル人材」育成がミスマッチを起こさないかは懸念さ
れる。これから期待される海外人材は、おそらくは非英語圏のハードシップ国
が多数を占めるのではないか。それでもなお、留学経験は貴重な人的資産だろ
うが、しかし生活環境の良好な英語圏でのそれに過大な期待をかけることはで
きまい。もっとも、サハラ砂漠の真ん中で資源開発に従事するようなグローバ
ル人材の育成を大学教育に期待するのも無理があるのかも知れず、おそらくは
相当部分は企業での職業訓練を通じて育成されるべきものであろう。産業界が
そこまでを大学に期待するとしたら、いささか手前勝手なないものねだりとい
うことになるのかもしれない。

 ただ、この長谷川議員提出資料をみると、後段では雇用制度改革についても
記載されているのだが、そこにはグローバル人材の育成・活用という発想がま
ったくといっていいほど消えている。唯一、外国人技術者の入国増という記述
があるのみで、雇用制度だけをみるとまったくの外国人頼りという内容になっ
ている(もちろんこれはこれでグローバル人材の活用には違いないが)。この
あたりは政策的にどうこうというよりは各企業の努力だということなのだろう
か。それにしてもバランスが悪い感もあり、グローバル人材育成をめぐる議論
は今後まだまだ曲折がありそうだ。
                        (編集委員 荻野勝彦)

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3 私が読んだキャリアの1冊

『しあわせに働ける社会へ』 竹信三恵子著 岩波ジュニア新書 2012.6.2

 中学・高校生向けの本であるが、人々がしあわせに働ける社会を築くために、
まず働く場を直視し、しあわせな働き方に向かって進む道筋を考えようとした、
大人にも読んでほしい本である。

 第1章「就職難は若者のせいなのか」では、若者が正社員での就職が難しく
なったのは、1995年の日経連「新時代の日本的経営」構想以降、スキルが足り
ない人やえり好みや覇気のない人が増えたというよりは、会社の人材活用の考
え方が変わり、正社員として採用する数が限定されるようになったことを明ら
かにしている。
 第2章「正社員、大手企業なら安心なのか」では、大手企業の正社員になっ
たとしても、それだけでは安心やしあわせを担保することにはならないこと、
2000年以降は「名ばかり正社員」や「ブラック企業」も増えていること、中小
企業も視野に、働くことの何に喜びを感じているのか、それによって周囲に何
を与えようとしているのか、まともな働き方ができるように社会のシステムの
どこを変える必要があるのかを考えることの必要性が述べられている。
 第3章「まともな働き方をさぐる」では、長時間労働が当然視され、しかも、
突然の解雇や過労死など思わぬ地雷がしかけられている日本の社会の中で、危
機を乗り切り、少しでもまともな働き方をつくりだそうとさまざまな試みをし
てきた人たちを紹介している。
 第4章「落とし穴に備える自分づくり」では仕事をいきなり打ち切られたと
き、居場所がなくなったとき、長時間労働で疲れ果てたとき、そのような落と
し穴に備える自分づくりをしておくことの大切さを説いている。
 第5章「しあわせに働ける仕組みづくり」では、「しあわせに働ける仕組み
づくり」をすすめるためには、働くことについてもっと知り、現状を改善する
ために、どんなルールの改善や新しいルールの制定がありうるのかを調べ、提
案していくためのネットワークに参加して、声を上げていくことが必要である
ことを説いている。そして、過労死を防ぐ労働時間制度、登録型派遣制度の禁
止、賃金差別を防ぐ仕組みづくり、生活給付付き職業訓練や給付型の公的奨学
金制度の創設などを提言している。

 私が注目したのは、「労働教育とキャリア教育の両輪」を提起していること
である。現在、学校では、子どもたちに自分がどんな職業で身を立てていくか
を考えさせ、見合った仕事力を養う「キャリア教育」が盛んになっているが、
「仕事をする力」だけでは会社に押し込むことはできても、働き続けることは
困難であるとし、働く者の権利や働くルール、相談機関、働くために必要な法
律などについて学ぶ「労働教育」が必要であるとしていることである。私は、
本田由紀氏のいう「適応」と「抵抗」の両方を学ぶことこそが、本来のキャリ
ア教育だと考えているが、竹信氏も同様の考え方を提起していることになる。
 また、竹信氏は、キャリアを形成していくためには、人々の必要性を満たす
ためには、社会の仕組みを見抜いて、その変化を見通す力が必要であり、その
うえで資格やスキルをどう使っていけるかを考えること、さらに、「雪玉型」
スキルの生かし方、仕事の広げ方を説いている。「雪玉型」とは、これまでの
経験から新しい問題を発見し、その解決のためにすでに持っているスキルでは
足りないものを補うために、新しいスキルや協力してくれる人を付け加えてい
くやり方で、雪玉を雪の上でころがしてどんどん大きくしていくイメージとい
うことであるが、とても示唆に富む提言だと思っている。

 ぜひ高校生や大学生だけでなく、キャリア教育に携わる方々にも読んでもら
いたい1冊である。
                        (広報委員 山野晴雄)

※「私が読んだキャリアの一冊」は、執筆者による図書の紹介です。
 日本キャリアデザイン学会として当該図書を推薦するものではありません。

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4 キャリアイベント情報
  ~キャリアデザインに関係するイベントの開催予定などをご紹介します~

◆ASキャリアとNPO法人こうべユースネット「キャリア支援フォーラム」
 日 時 2013年4月28日(日)10:30~16:00 
 場 所 神戸市青少年会館 5階レクーションホル(神戸市中央区)
 参加費 5000円 
 詳 細 http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/event/20130222.pdf

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5 学会活動ニュース

◆2013年2月19日(火)
 第1回 研究会企画委員会・小委員会 於 法政大学
 -第10回研究大会について

◆2013年2月23日(土)
 第3回 研究会企画委員会 於 法政大学
 -第10回研究大会について
 -研究会について
 -その他

◆2013年2月23日(土)
 第46回研究会 於 法政大学
 テーマ  著者と語るシリーズ(8)
             今野晴貴『ブラック企業―日本を食いつぶす妖怪―』
 参加者数 約50名

◆2013年2月28日(木)
 第2回 研究会企画委員会・小委員会 於 武蔵野大学
 -第10回研究大会について

◆2013年3月3日(日)
 第3回 常務理事会・研究組織委員会委員長合同会議 於 法政大学
 -第10回研究大会について
 -委員会報告
 -その他

◆2013年3月3日(日)
  第1回キャリアデザイン支援ハンドブック編集委員会 於 法政大学

◆2013年3月3日(日)
 キャリア政策研究・国際交流委員会主催勉強会 於 法政大学

◆2013年3月5日(火)
 第2回10周年記念事業委員会 於 法政大学
 -10周年記念事業案の進捗状況の確認
 -10周年記念誌の概要の策定及び執筆依頼
 -その他

◆2013年3月11日(月)
 第3回 研究会企画委員会・小委員会 於 法政大学
 -第10回研究大会について

◆2013年3月16日(土) 於 関西大学(千里山キャンパス)
 関西支部第3回研究大会
 発 表
 (1)大森 順子(百合学院中学高等学校)
  「中学高等学校における10年間のキャリア教育の実践と今後の展望につい
   ての報告」
 (2)菊池 将人(菊池経営研究所)
  「企業から見たキャリア-異業種インターンシップの取り組みについて-」
 (3)ベネッセコーポレーション(賛助会員)
  「企業と大学の協働による『フューチャースキルプロジェクト』の成果報告」

◆2013年3月24日(日) 
  第3回中京支部研究会  於 ウインクあいち
 テーマ キャリア教育、就業力の育成における産官学連携の意義
          ―その必要性と課題 
 講 師 渡辺 三枝子(立教大学教授)

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【編集後記】

 今年の春闘では、流通業でベースアップや賞与の増額を決め、自動車など大
手製造業で一時金の満額回答や増額の回答が相次ぎ、その流れが中小企業にも
広がっています。また今年の新卒の就職状況も改善し、さらに2014年の新卒採
用の拡大も見込まれています。日本経済が長く続いたデフレから脱却し、新た
な成長に向かってほしいものです。(H)

【日本キャリアデザイン学会とは】

・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。 
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。

 学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
 ◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
   http://www.career-design.org/

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  日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
  オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
  
  このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。
 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
  無断転用はお断りいたします。
 このメールマガジンの文責はすべて執筆者にあり、日本キャリアデザイン学
会として正確性などを保証するものではありません。

 編集委員:青木猛正(埼玉県立特別支援学校校長)
      荻野勝彦(トヨタ自動車株式会社渉外部)
      山野晴雄(慶應義塾大学講師)
            内田勝久(富士電機株式会社社長室広報IR部)
            堀内泰利(日本電気株式会社人事部)

   日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
    e-mail cdgakkai@hosei.org
   〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1

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