キャリアデザインマガジン

日本キャリアデザイン学会 キャリアデザインマガジン第65号


カテゴリー: 2007年09月12日
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□    キャリアデザインマガジン 第65号 平成19年9月10日発行
     日本キャリアデザイン学会 http://www.cdi-j.jp/

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 「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
 ※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。

□ 目 次 □-----------------------------------------------------------

1 キャリア辞典「テレワーク(1)」
2 私が読んだキャリアの1冊
   小島貴子『働く意味』
3 キャリアイベント情報

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【学会からのおしらせ】

◆第4回研究大会・2007年度総会(10月20日(土)−21日(日)於:武蔵野大学)の
 プログラムの骨子が決まりました。
 参加申込受付も開始しました。学会ホームページから申込ができます。
 お早めにお申し込み下さい。
 http://www.cdi-j.jp/topics/070802/index.html

10月20日(土)10時受付開始
−午前の部(11時−13時)テ−マ部会1(垣根を越えたキャリア支援)
  A1 学校間連携とキャリア形成
  A2 プロフェッショナルのキャリア形成
  A3 高校でのキャリアデザイン
−午後の部(14時ー16時)企画部会
  B1 企業内キャリアの変貌と支援教育
  B2 大学でのキャリアデザイン
  B3 ステージ別キャリア形成
−総会 16:15-17:15 
−交流懇親会 17:30-

10/21(日)
−午前の部(10時-12時)テーマ部会2(垣根を越えたキャリア支援)
  C1 産学連携によるキャリアデザイン
  C2 職場体験・実習の意義と方法
  C3 多用な人材活用とキャリア支援
−午後の部(13時ー16時)
  S 本学会・日本キャリア教育学会共同(予定)シンポジウム
 「垣根を超えたキャリアデザイン−学校と企業それぞれのキャリアデザイン
  支援とお互いへの期待」

・報告者・報告テーマ・司会者等は、ホームページで随時お知らせします。
・会場近辺の宿泊のご案内もホームページに掲載しております。

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1 キャリア辞典
  〜「キャリア」に関する用語をめぐるコラムです〜

「テレワーク」(1)

 このところ、経済財政諮問会議の労働市場改革専門調査会が「テレワーク」
について議論している。どうやら、専門調査会の「第2次報告」はテレワーク
に関するものになるらしい。
 「テレワーク」というのは、telescopeやtelephone、televisionといった語
にならって、「遠隔」を示す接頭辞のteleにworkをくっつけたものだろう。場
所的に拘束されず、職場を離れた場所で働くという雰囲気がよく出た造語だと
思う。もっとも、専門調査会の配布資料をみると「テレワーク」のあとに括弧
付きで(在宅勤務)と書いてあるので、たとえばサテライト・オフィスのよう
なものは専門調査会のいうテレワークには含まれないらしい。なお余談にわた
るが、「テレワーク」「日本テレワーク」という企業もある。ただし前者は電
話オペレーターサービス、後者はテレビ番組の制作会社なので、ここでいうテ
レワークとは直接の関係はなさそうだ。おそらくはテレフォン+ワーク、テレ
ビジョン+ワークを短縮して社名としたのだろう。
 さて、例によって日本経済新聞のデータベース「日経テレコン21」を使って
「テレワーク」の日経新聞の初出を調べてみると1994年9月にさかのぼる。福
島県いわき市に全国初の「テレワークセンター」がオープンしたことを伝える
記事で、「21世紀の高度情報社会の到来と、それに伴う人々のライフスタイル
の変化に備えた挑戦」「職住近接のモデル施設として導入」「高度情報通信網
とコンピューターを活用」などの言葉が並んでいる。1995年4月には「郵政省
は12日、地方などでの遠隔地勤務に道を開く「テレワーク」の普及を本格的に
支援する方針を明らかにした。具体的には、(1)補助金で各地のテレワーク
センター建設を支援する(2)14日に研究会報告を出し、推進ビジョンを示す
(3)フォーラムを通じて産業界などの推進意欲を高める――などが柱」とい
う記事もみられる。当時は在宅に限らず「遠隔地」勤務という日本語をあてて
いたようで、たしかにこちらのほうが「テレワーク」に近いかもしれない。当
時の郵政省はテレワークを地方にUターンしてきた人材などを雇用する「田園
型」、都市部で交通混雑緩和のために導入する「都市型」、災害時に交通手段
が途絶えた際、各地にテレワーク出張所をつくって行政サービスを提供する
「災害対策型」の3類型に区分しており、現在のようなワーク・ライフ・バラ
ンスのためのテレワークという観点は薄いようだ。むしろ、阪神・淡路大震災
の経験などをふまえて、災害時に従業員が出社しなくても事業を継続できると
いった議論が注目されていたらしい。
 いずれにしても、テレワークはすでに10年以上前からその導入・普及が政策
として推進されており、その結果、国土交通省の「2005年時点のテレワーク人
口推計(実態調査)」によると、わが国では週8時間以上テレワークを行う人
が674万人で労働力人口に占める割合が10.4%、週8時間未満の「広くとらえ
たテレワーカー」を合わせると2,521万人、同じく38.9%となり、これは世界
一の水準だという。
 もっとも、それで十分に普及していると考えられているわけではなく、政府
のIT戦略本部はこの5月、「テレワーク人口倍増アクションプラン」を発表、
2010年のテレワーカー比率を2005年比倍増の20.8%にするとの方針を打ち出し
た。ワーク・ライフ・バランスが注目を集める現在、今日的な課題としてその
行方が注目される。
                         (編集委員 荻野勝彦)


2 私が読んだキャリアの1冊

『働く意味』
  小島貴子著 2007.7.30 幻冬社新書

 「キャリアデザインマガジン」の読者にとっては、この本の著者は広く知ら
れたカリスマ・キャリアカウンセラーとして周知だろう。この本は、2005年か
ら2年間にわたって朝日新聞に掲載された、読者からの仕事に関する相談に著
者が回答するコーナーの記事をまとめたものだという。相談は就職活動に臨む
学生からのものが多いが、それに限らず、就職したばかりの若者や、親や上司
などからの相談もある。
 したがって相談者は個人ではあるものの、相談事項の詳細な内容や背景など
はわからない。リアリティという面ではやや物足りなさが残ることは否めない
し、回答もどうしても一般論に傾きがちなのは致し方のないところだろう。も
っとも、そこは著者自身がこれまでに接してきた多くの相談から実例をひいた
り、ときには著者自身の経験もまじえたりしながら回答を進めているので、比
較的具体的なイメージがわきやすいし、一般論を述べている部分でも、読み手
がそれを自分自身に反映させて考えながら読み進めることを促すように、巧み
に書かれている。カリスマのカリスマたるゆえんかもしれない。
 また、新聞の記事だから、当然ながら読み手は学生や若者に限られるわけで
はあるまい。著者はこうした幅広い読者、とりわけ若者の親世代、上司世代を
意識しながら回答しているようだ。実際、一連の記事に対しては「こんなこと
を悩んでいたのか」という親世代、上司世代からの驚きの反響が多かったとい
う。そういう意味で、直接相談を寄せる若者はもちろんのこと、親世代をふく
む幅広い読者にとって有意義な本といえるだろう。
 こうした若者たちの相談に対して、著者はその悩みを正面から受け止め、真
摯に回答している。その姿勢は若者に対する共感にあふれている。結論をダイ
レクトに述べることもあるが、多くの場合は事例や比喩などを通じて読み手の
「気づき」をうながすような書きぶりが多い。とりわけ、若者に厳しい回答ほ
ど、単純な批判ではなく、きちんと受け入れることができる「気づき」を与え
るように書かれているように思う。まことに思いやりあふれる姿勢である。
 こうした「気づき」は、ひとり若者世代に限らず、キャリアを意識する多く
の世代にとって有益ではないだろうか。すでに若者の2倍の年齢に達している
私にも、単に若者の意識を知るというにとどまらず、自分自身がキャリアを考
えるうえでの材料になるような記述も多かった。文章は相談に対する回答であ
るだけに非常に読みやすく、短時間で読みきることができるし、明日からのさ
まざまなコミュニケーション、話題としても使える材料も多い。気軽に読んで
役立つ本といえそうだ。
                         (編集委員 荻野勝彦)
 ※「私が読んだキャリアの一冊」は、執筆者による図書の紹介です。
  日本キャリアデザイン学会として当該図書を推薦するものではありません。


3 キャリアイベント情報
  〜キャリアデザインに関係するイベントの開催予定などをご紹介します〜

◆中央職業能力開初協会 若年者向けキャリア・コンサルティングセミナー
 平成19年9月〜平成20年2月
 全国12都市(千葉市、立川市、札幌市、仙台市、富山市、福井市、京都市、
 大阪市、広島市、徳島市、福岡市、鹿児島市)にて開催
  http://www.adds.javada.or.jp/column_info/magazine/cctop.html

◆東京都労働相談情報センター国分寺事務所 働く女性の応援セミナー
 「働く女性を応援!2007−キャリアデザインとメンタルヘルス」
 平成19年9月27日(木)・28日(金)それぞれ14:00−16:00
 於 国分寺労政会館4階(東京都国分寺市)
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/ibento/kyoiku/seminar/23/index.html


[編集後記]

 安倍首相が苦境に立たされているようですが、その安倍首相が昨年9月に就
任した際の所信表明演説でカタカナ言葉を多用したのが話題になったのをご記
憶でしょうか?1回の演説で109回出現したのだそうですが、その中には「自
宅での仕事を可能にするテレワーク人口の倍増」というのもあったのだとか。
学会事務局長なら「テレワーク」に対して「日本語で言え」と喝破されるかも
しれません。(O)


【日本キャリアデザイン学会とは】

・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。 
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。

 学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
 ◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
   http://www.orange-plaza.com/cdi-japan/

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◆学会監修・菊地達昭編著『キャリアデザインへの挑戦』優待販売のお知らせ

・本学会の菊地達昭・常務理事編により、学会創立期のメンバーなど、有識者
 58人の「私のキャリアデザイン論」(『文部科学通信』に連載)を集大成し
 た図書『キャリアデザインへの挑戦』が、経営書院から10月に出版されます。
 定価1890円(税込み)のところ、会員には特別に3割引で販売をします。
  *武蔵野大学大会において、直接販売をいたします(1300円)。
   (但し搬入の都合上、冊数に制限があります)
  *直接、購入を希望される方は、1冊1323円となります。
   経営書院(FAX:0120(73)3641、e-mail:sato-ken@sanro.co.jp)へ直接
   申し込んで下さい。その際、宛名に経営書院『キャリアデザインへの挑
   戦』係と書き、冊数、 宛名、送り先住所、送り先連絡先電話番号、会
   員番号を明記してください。
    なお郵送料はご負担下さい。折り返し振込用紙を同封しますので到着後
   1週間以内にお振込下さい。

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  日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
  オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
  
  このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。
 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
  無断転用はお断りいたします。

 編集委員:荻野勝彦(トヨタ自動車株式会社人事部担当部長)
      児美川孝一郎(法政大学キャリアデザイン学部助教授)

   日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
    e-mail cdgakkai@hosei.org
   〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1

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