キャリアデザインマガジン

日本キャリアデザイン学会 キャリアデザインマガジン第64号


カテゴリー: 2007年08月28日
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□    キャリアデザインマガジン 第64号 平成19年8月27日発行
     日本キャリアデザイン学会 http://www.cdi-j.jp/

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 「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
 ※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。

□ 目 次 □-----------------------------------------------------------

1 私のキャリア観  法政大学教授 川喜多喬(本学会常務理事・事務局長)
   「野村東太先生(ものつくり大学学長、本学会発起人)の訃報に接して」
2 私が読んだキャリアの1冊
   佐藤博樹『新しい人材マネジメント』
3 キャリアイベント情報

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【学会からのおしらせ】

◆第4回研究大会・2007年度総会(10月20日(土)−21日(日)於:武蔵野大学)の
 プログラムの骨子が決まりました。
 参加申込受付も開始しました。学会ホームページから申込ができます。
 お早めにお申し込み下さい。
 http://www.cdi-j.jp/topics/070802/index.html

10月20日(土)10時受付開始
−午前の部(11時−13時)テ−マ部会1(垣根を越えたキャリア支援)
  A1 学校間連携とキャリア形成
  A2 プロフェッショナルのキャリア形成
  A3 高校でのキャリアデザイン
−午後の部(14時ー16時)企画部会
  B1 企業内キャリアの変貌と支援教育
  B2 大学でのキャリアデザイン
  B3 ステージ別キャリア形成
−総会 16:15-17:15 
−交流懇親会 17:30-

10/21(日)
−午前の部(10時-12時)テーマ部会2(垣根を越えたキャリア支援)
  C1 産学連携によるキャリアデザイン
  C2 職場体験・実習の意義と方法
  C3 多用な人材活用とキャリア支援
−午後の部(13時ー16時)
  S 本学会・日本キャリア教育学会共同(予定)シンポジウム
 「垣根を超えたキャリアデザイン−学校と企業それぞれのキャリアデザイン
  支援とお互いへの期待」

・報告者・報告テーマ・司会者等は、ホームページで随時お知らせします。
・会場近辺の宿泊のご案内もホームページに掲載しております。

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1 私のキャリア観
  〜有識者からキャリアに関する考えを寄せていただきます〜

「野村東太先生(ものつくり大学学長、本学会発起人)の訃報に接して」
           法政大学教授 川喜多喬(本学会常務理事・事務局長)

 金山喜昭先生から紹介を受け、学会設立の発起人をお願いしに、ものつくり
大学に野村先生を訪ねて、いきなり、「この学会では、まじめに議論するつも
りがあるのかね?形だけの場に終わらせないだろうね?」と言われたことを、
まっさきに思い出す。政府の政策にも近いところでも活躍してこられただけに
形式ばっただけの審議会や委員会、学会、会議にうんざりされていたのであろ
うか・・それにしても、こちらの覚悟をいきなり問われて、絶句した思い出が
ある。
 続いて「私は自殺の研究者なんだよ!」と言われ、建築家として病院設計を
手がけ、その一貫として霊安室の設計も行い、さらに生病死苦の問題を深く考
えるようになったいきさつを話されたあと、「生き死にの話もちゃんとできな
いで、キャリアデザインもないだろうが!」と、これまた一喝されたのである。
 さらに私の胸を深く打ったのは、「キャリアデザイン学は、デザインをあえ
てしない、デザインしてはいけない場合もあるということを、ちゃんと言うん
だろうね?」という言葉であった。
 正直、さほどまでに深くキャリアデザイン学について考えてはいなかった私
であり、野村先生にお願いしたのは、ものつくりの現場に生き甲斐を見いだす
若者たちのキャリア支援者の一人ぐらいにしか考えておらず、お会いするまで
にすでにキャリアデザインの根本問題について、かほど深く考えておられると
は思ってもいなかった。
 設立大会で、自分たちが設計する建築物の素材の一つである様ざまな木が育
ち茂っている姿を知らない建築屋が出てはならないと学生たちの現場経験の大
切さを強調されて教えを賜っただけではない。学会大会に必ず顔を見せられ、
昨年の立命館の学会では、パーティの場で、「人生の設計なんて、できるわけ
はないじゃないか。皆、たまたまだよ!」といきなり論争をふっかけられ、ど
ぎまぎしながら私なりの見解を披露し続けるのをからかうように丁々発止と長
談義にひきずりこみ、私のフィールドである中小企業の人材育成の事例の話に
及び、若者が働く気がないというが働きがいのある職場を作らない大人のほう
がよほど問題なんだ、それをわかって人材育成を研究しているのかね、と眼光
鋭く質問され、最後に「ちゃんと研究して下さいね、君、若いんだから」と、
60歳直前の私に向かって微笑まれたのである。つまりはキャリアデザインを否
定されていたのではなく、深く考えずに安易に言葉をふりまわして終わっては
いけないよと、若い初学者に諭すごとく(しかり私は若くはないが初学者であ
る)、遺言として言われたような気がする。
 失礼ながら学長、学部長という肩書きを持っていても碩学とは言えない、そ
れどころかこれが学者かと思える方すらが散見される中で、碩学であることは
言うにおよばず、ものつくり学に老後をかけられた野村先生には、まさにキャ
リアデザインそのものを教えられたと思っている。ご冥福をお祈りする次第で
ある。


2 私が読んだキャリアの1冊

『新しい人材マネジメント〜正社員と非正社員のベストミックスを目指して』
  佐藤博樹編著 2007.7.31 労働新聞社

 「正社員と非正社員のベストミックスをめざして」という副題がついている
が、内容的には派遣技術者の活用マニュアルといったものである。第1章で派
遣技術者活用の考え方が整理され、第2章では派遣技術者およびその職場上司
に対するアンケート調査およびヒヤリング調査の結果をもとに、派遣技術者の
パフォーマンスを高めるための具体的な人事管理上の留意点をチェックリスト
化し、解説を加えている。第3章はそのベースとなった調査結果の概要となっ
ている。
 しっかりした調査結果を踏まえて作られているだけあって、あげられている
留意点はいずれも実務的に納得のいくものとなっている。もちろん、企業によ
って派遣技術者活用の目的や実態は異なるので、どのポイントを重視するのか
はそれぞれ異なるだろうし、人によってはいまさらという内容もあるだろうが、
現実に派遣技術者の上司となっている職場のマネージャーや、人事労務管理担
当者にとって、多くのヒント、気付きが含まれている本ではないかと思う。ま
た、これら留意点は、必ずしも派遣技術者に限った話ではなく、他の非正社員
や、正社員にも該当する部分を多く含んでいる。そういう意味では、派遣技術
者のいない職場のマネージャーなどにも参考となる内容が多いだろう。
 特に目をひくのが、一環して派遣技術者のキャリアに対する配慮の重要性を
訴えていることだ。この本の調査結果でも、職場の人間関係や業務上のコミュ
ニケーションなどの就労環境の整備と並んで、キャリアに対する配慮があるこ
とが派遣技術者の意欲やパフォーマンスを高めることが示されている。それを
踏まえて、具体的な留意点の中でも、OJTで能力の伸ばせるような仕事の与
え方や仕事の進め方、さらには必要なOff-JTの機会付与などがあげられてい
る。そもそも、特定分野の専門技術者としてのキャリアをめざして派遣技術者
という働き方を選択しているのだろうから、キャリア形成への配慮が重要なこ
とは言うまでもなく、これに少々の手間やコストをかけても十分にリターンが
あるということだろう。第2章の最後では派遣会社の選定についても留意点が
示されているが、そこでも派遣技術者のキャリアを考慮して派遣先を決めてい
る派遣会社を選択することが奨励されている。
 現実には、そこまで派遣技術者のキャリアについて意識的に考えているマ
ネージャーは少数だろう(もちろん、優れたマネージャーであれば無意識に実
践していることが多いだろうが)。派遣会社選定の際に、その派遣会社が派遣
技術者のキャリアに配慮しているかどうかを考慮に入れる企業もまだ少ないだ
ろう。しかし、こうしたことを関係者すべてが意識していくことで、質の高い
派遣労働者と派遣会社が育ってくるに違いない。実務マニュアル的ではあるが、
なかなか興味深い内容を含んだ本といえそうだ。
                         (編集委員 荻野勝彦)
 ※「私が読んだキャリアの一冊」は、執筆者による図書の紹介です。
  日本キャリアデザイン学会として当該図書を推薦するものではありません。


3 キャリアイベント情報
  〜キャリアデザインに関係するイベントの開催予定などをご紹介します〜

◆労働政策研究・研修機構 JILPT研究フォーラム2007
 「労働市場の構造変化と多様な働き方への対応」
 平成19年9月7日(金)9:50〜16:30
 於 ベルサール九段(東京都千代田区)
 http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/info/20070907.htm
  ※本学会の佐藤博樹副会長・研究組織委員(東京大学教授)、藤本真会員、
   堀有喜衣会員、石井徹会員(以上労働政策研究・研修機構)、武石恵美
   子会員(法政大学)が出講します。

◆中央職業能力開初協会 若年者向けキャリア・コンサルティングセミナー
 平成19年9月〜平成20年2月
 全国12都市(千葉市、立川市、札幌市、仙台市、富山市、福井市、京都市、
 大阪市、広島市、徳島市、福岡市、鹿児島市)にて開催
  http://www.adds.javada.or.jp/column_info/magazine/cctop.html

◆東京都労働相談情報センター国分寺事務所 働く女性の応援セミナー
 「働く女性を応援!2007−キャリアデザインとメンタルヘルス」
 平成19年9月27日(木)・28日(金)それぞれ14:00−16:00
 於 国分寺労政会館4階(東京都国分寺市)
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/ibento/kyoiku/seminar/23/index.html


[編集後記]

 下のPR欄にも掲載しておりますが、学会創設期の主要メンバーがジアース
教育新社刊行の『文部科学通信』誌にリレー連載した「シリーズ キャリアデ
ザイン論」が学会監修・菊地達昭常務理事編にて一冊にまとめられ、出版のは
こびとなりました。平成17年1月にスタートしたこのシリーズ、多数の識者が
専門分野を手短に論じていてなかなか読み応えがあります。実は私も第2回に
執筆させていただき、早々たる執筆者に交じって不出来な文章でお恥ずかしい
限りなのですが、編者の方針ですべて雑誌掲載当時のままで出版するそうです。
2年半も前の文章で今となってはやや古い感もありますが、お読みいただけれ
ば幸甚です。(O)


【日本キャリアデザイン学会とは】

・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。 
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。

 学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
 ◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
   http://www.orange-plaza.com/cdi-japan/

----[PR]--------------------------------------------------------------

◆学会監修・菊地達昭編著『キャリアデザインへの挑戦』優待販売のお知らせ

・本学会の菊地達昭・常務理事編により、学会創立期のメンバーなど、有識者
 58人の「私のキャリアデザイン論」(『文部科学通信』に連載)を集大成し
 た図書『キャリアデザインへの挑戦』が、経営書院から10月に出版されます。
 定価1890円(税込み)のところ、会員には特別に3割引で販売をします。
  *武蔵野大学大会において、直接販売をいたします(1300円)。
   (但し搬入の都合上、冊数に制限があります)
  *直接、購入を希望される方は、1冊1323円となります。
   経営書院(FAX:0120(73)3641、e-mail:sato-ken@sanro.co.jp)へ直接
   申し込んで下さい。その際、宛名に経営書院『キャリアデザインへの挑
   戦』係と書き、冊数、 宛名、送り先住所、送り先連絡先電話番号、会
   員番号を明記してください。
    なお郵送料はご負担下さい。折り返し振込用紙を同封しますので到着後
   1週間以内にお振込下さい。
  
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  日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
  オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
  
  このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。
 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
  無断転用はお断りいたします。

 編集委員:荻野勝彦(トヨタ自動車株式会社人事部担当部長)
      児美川孝一郎(法政大学キャリアデザイン学部助教授)

   日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
    e-mail cdgakkai@hosei.org
   〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1

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