キャリアデザインマガジン

日本キャリアデザイン学会 キャリアデザインマガジン第40号


カテゴリー: 2006年05月15日
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□    キャリアデザインマガジン 第40号 平成18年5月15日発行
     日本キャリアデザイン学会 http://www.cdi-j.jp/

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 「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
 ※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。

□ 目 次 □-----------------------------------------------------------

1 キャリア辞典「第2新卒」(2)
2 私が読んだキャリアの1冊 玄田有史編著『希望学』
3 キャリアイベント情報

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【学会からのおしらせ】

◆日本キャリアデザイン学会は、以下のとおり研究会(関西地区)を開催いた
 します。非会員の方もご参加いただけます。

 日 時:7月15日(土) 16:00〜18:00
 テーマ:「日本型企業文化とワークモティベーション」
 講 師:八木隆一郎 国際経済労働研究所統括研究員
 コメンテータ:川崎友嗣 関西大学社会学部教授
 会 場:関西大学第三学舎(社会学部)
 http://www.kansai-u.ac.jp/Guide-j/access.html
 定 員:60名(定員になり次第締切をいたします)
 参加費:会員は無料、非会員3,000円
 その他:研究会終了後、懇親会を開催いたします。

 詳細・お申し込みは、学会ホームページをごらんください。
 http://www.cdi-j.jp/event.html
 なお、申込みの際は、会員・非会員の区別と懇親会への出欠もお知らせくだ
 さい。会場への経路は個別にご連絡いたします。

◆6月16日(金)開催の研究会(講師:山口生史 明治大学情報コミュニケー
 ション学部教授)は、定員に達したため、受付を終了いたしました。
 多数のお申し込みありがとうございました。

◆学会研究誌投稿受付について
 日本キャリアデザイン学会は、学会研究誌への投稿を募集しております。受
 付は本年12月1日から来年1月10日到着分までとなります。投稿規程は学会
 ホームページに掲載されていますので、お読みのうえ、ふるってご投稿くだ
 さい。
 http://www.cdi-j.jp/kenkyushi.html

◆学会大会自由論題報告募集について
 日本キャリアデザイン学会は、今年度大会(10月28−29日、於立命館大学)
 での自由論題報告の募集を行っております。第一次締切は5月末日です。申
 し込み要領は学会ホームページに掲載されていますので、お読みのうえ、ふ
 るってご応募ください。
 http://www.cdi-j.jp/oshirase060401.html

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1 キャリア辞典
  〜「キャリア」に関する用語をめぐるコラムです〜

 「第2新卒」(2)

 いまの第2新卒とバブル期の第2新卒とは必ずしも同じではないようだ。
 (1)で、日経連政策調査局による第2新卒の定義を紹介したが、そのなか
に「3年以内の就職経験がある」という記述がある。いっぽう、平成16年に独
立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「第二新卒者の採用実態調査」
では、第二新卒の定義を「企業調査では、学校卒業後すぐに就職する「新卒者」
以外で、学校卒業後おおむね3年以内の者(ただし回答企業の中で第二新卒の
定義がある場合にはその定義による)。個人調査では、現在正社員で、学校卒
業後今の仕事に就くまでに6ヶ月以上5年以下の間隔があいている者。」とし
ている。「就職経験」が定義から外されているわけだ。
 これはもちろん、バブル当時と現在との労働市場の状況の違いを反映したも
のだろう。バブル期には労働市場の需給はきわめて逼迫し、新卒者が就職した
くてもできないということはほとんどなかった。だから、第2新卒といえば転
職者だった。しかし、現在の第2新卒は新卒時にはまだ「就職超氷河期」だっ
たという人も多いだろう。その中には「新卒無業」を余儀なくされてきた人も
相当数含まれているのではないか。このような考えが、第2新卒の定義から
「就職経験」を外させたのだろう。
 もっとも、この「第二新卒者の採用実態調査」の定義は私にはあまり的確で
はないようにも思える。特に重要なのは、日経連政策調査局の定義にあった
「新規学卒者とほぼ同等の条件で採用」がなくなっていることだ。この調査の
報告(http://www.jil.go.jp/press/documents/20050324_dai2sinsotu.pdfで
見ることができる)は、現在の第2新卒者の労働市場は「新卒枠」と「中途採
用枠」に二分化されていると述べているが、この定義では当然そうなるだろう。
たとえば、職種については「新卒者枠」の企業では事務系の募集が最も多いが、
「中途採用者枠」の企業では営業・販売系の募集が最も多い。応募条件でも、
「新卒者枠」の企業では要勤務経験は8.1%に過ぎないが、「中途採用者枠」
の企業では26.9%にのぼる。そして採用理由をみると、「新卒者枠」の場合は
「新卒者と変わらないから」が最多で61.7%なのに対し、「中途採用者枠」の
場合は「即戦力になるから」が41.6%と最多となっている。要するに、「中途
採用者枠」での採用は従来からの中途採用で、たまたまその中に「学校卒業後
おおむね3年以内」の人がいた、というだけのことなのだ。
 若年雇用対策を考えるにあたっては、目立った職歴も職務経験もない若年者
を、「新卒者と変わらないから」新卒と同様に育成してくれる「新卒者枠」で
の採用の存在こそ重要だろう。そう考えると、やはり第2新卒の定義には日経
連政策調査局のように「新規学卒者とほぼ同様の条件」(労働条件だけではな
く、人材育成なども含めて)を加えることが望ましいように思われる。この調
査によれば、第2新卒を新卒枠で採用する企業は全体の40.1%にとどまる。こ
れをいかに増やしていくかが、若年雇用対策の大きな課題ではなかろうか。
                         (編集委員 荻野勝彦)


2 私が読んだキャリアの1冊

『希望学』
       玄田有史編著、2006.4.10 中公新書ラクレ

 いきなり「希望学」といわれても、なんのことかちょっとわからないだろう。
まあ、「キャリアデザイン学」に言われたくはないだろうが…。
 さて、「希望学」とは、東京大学社会科学研究所で昨年から「当面3ヵ年を
メドに」取り組まれているプロジェクトの一つで、その代表が編著者の玄田有
史氏だ。氏によれば、希望学は「経済・歴史分析、思想・制度研究、社会調査
など、研究所の全精力を結集して、希望を社会科学」するのだという。「社会
科学」するというのだから、データや調査などの事実にもとづいて、希望を社
会のあり方との関わりにおいて研究しようということだろう。なんとも野心的
な構想ではあるまいか。
 この本は、プロジェクトのスタートにあたって開催されたシンポジウム「希
望学宣言」の成果にもとづいている。その中心は、同研究所が昨年5月に実施
した「職業の希望に関するアンケート」の分析だが、統計的な説明は「補論」
として各章の最後にまとめ、本文は事例やエピソードをまじえてなるべく平易
に書くという、最近流行の?スタイルをとっており、たいへん読みやすい。そ
して、読み進めていくうちに「希望学」がなにをめざそうとしているのか、そ
の一端が見えてくる。
 くわえて、分析から得られた結果もまことに興味深い。希望を持ちやすい性
格傾向を分析した第1章(佐藤香)、子ども時代の希望する職業の有無と現在
の仕事のやりがいとの関係を論じた第2章(玄田有史)、家族や友だちと希望
の関係を述べた第3章(永井暁子)、恋愛・結婚と希望を考察する第4章(佐
藤香)、挫折と幸福と希望の三角関係を解き明かす第5章(石倉義博)と、い
ずれもライフデザインとしてのキャリアデザインと深く関わる内容であり、一
般的な思い込みとは一味違った、ノントリビアルな発見がある。第6章と第7
章は編著者と宮崎哲弥氏、山田昌弘氏との対談で、ともに「希望」と今日の社
会との関係の一断面をとらえている。
 ここでは職業キャリアとの関連が深い第2章を簡単に紹介しよう。ここでの
発見は、「子ども時代に希望する職業を持っていたほうが、現実にその職業に
就いた人はわずかであるにもかかわらず、(別の)やりがいのある仕事に就い
ていることが多い」ということだ。さらに意外なことに、希望する仕事があっ
たが、その後別の仕事に希望が変わった人のほうが、希望する仕事があり、ず
っと希望し続けた人より多くやりがいのある仕事に就いている。「希望の調整、
軌道修正がやりがいにつながる」というのは、これはまさにキャリアデザイン
そのものではないだろうか?
 希望学では今後、地域でのフィールドワークなども計画されているという。
この本は希望学の全貌ではなく、入口に過ぎないのだ。入口だから、まだ見通
せないところや、足元が固まっていないところもたしかにあるだろう。しかし、
この本はこれからの大きな成果を期待させるに十分なものだと思う。まずはこ
うした大胆なプロジェクトに踏み出した編著者らに敬意を表したい。
                         (編集委員 荻野勝彦)


3 キャリアイベント情報
  〜キャリアデザインに関係するイベントの開催予定などをご紹介します〜

◆独立行政法人労働政策研究・研修機構国際フォーラム
 「アジアの労使関係、どう読むか−韓国・中国・ベトナムを中心に−」
 平成18年5月26日(金)14:00〜16:30
 於 大同生命霞ヶ関ビル6階 (東京都千代田区)
 http://www.jil.go.jp/event/ko_forum/info/20060526.htm


[編集後記]
 大型連休はいかがお過ごしだったでしょうか。実は「キャリアデザインマガ
ジン」も連休は編集をお休みし、今回は中2週での発行となりました。前号で
その旨ご連絡するのを忘れていたので、ひょっとしたら「届かないよ」「どう
した?」という苦情が殺到するのではないか…と思っていたのですが、1件も
ありませんでした(笑)。読者のみなさまのご理解に感謝します…が、ちょっ
と淋しい気もしないではない編集委員なのでありました。(O)


【日本キャリアデザイン学会とは】

・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。 
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。

 学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
 ◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
   http://www.cdi-j.jp/

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◆働く若者ネット相談事業 ご利用のお勧め
 厚生労働省委託事業・日本キャリア開発協会受託・キャリア協議会協力
 webサイトを利用していつでもどこでもネットで相談できる仕組みです。
 また対面カウンセリングや電話カウンセリング、TVカウンセリングも行っ
 ています。詳しくはhttp://net.j-cda.org/まで。     (厚生労働省)

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  日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
  オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
  
  このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。
 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
  無断転用はお断りいたします。

 編集委員:荻野勝彦(トヨタ自動車株式会社人事部担当部長)
      児美川孝一郎(法政大学キャリアデザイン学部助教授)

   日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
    e-mail cdgakkai@hosei.org
   〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1

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サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2017年、億り人に。 平成24年より投資助言・代理業を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。 2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数3万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。 主な著書に『10万円から始める高配当株投資術』(あさ出版)『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)
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