KMM 教師のエスプレッソタイム

教育実践に苦みとコクを!!


カテゴリー: 2018年07月15日
■いかがおすごしでしょうか。私も今年58歳を迎え、教職生活
も今年を含めて3年間という時期に入ってきました。多くの先生
方に、このメルマガを紹介頂くと、有り難いです。



 こんにちは、村上です。

 いよいよ夏休みまで秒読み段階ですね。

 ところかわって、イタリア! イタリアではすでに夏休み中
です。

 何と6月8日から3ヶ月のロングバケーションなのです。9月中旬
まで世話なしという状況で、保護者もたいへんらしいです。

 なお、イタリアでは小学生の1人歩き(遊び)は罰せられると
いうことで、通学はもちろん、かならず、どこぞやの保護者が
付き添わないといけないらしいですよ。

 この3ヶ月間、教師は何をするのでしょうか。教材開発ができる
のでしょうね、うらやましい!!

 今回は、読書の夏、ということで、私の書籍の冒頭と結末を
紹介することにしました。

 ぜひ、ご購入をお願いできればと思います。





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                     <2018/07/15号>


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     KMM 教師のエスプレッソタイム NO.447
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【1】マイ書籍の紹介

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[[[[[[[[  【1】 マイ書籍の紹介    ]]]]]]]]
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<< 『見方・考え方を鍛える小学校社会科探究ワーク』 >>

■冒頭部分よりーーーーーーーーーーーーー
(絵図は省略)

1.次期学習指導要領から

 新学習指導要領が提示された。現行指導要領からすると、かなり
大きな変革となっていると感じる。それは、目標を比べてみただけ
でも、わかるだろう。こうである。

現行学習指導要領 社会科目標	

 社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解
と愛情を育て、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者
として必要な公民的資質の基礎を養う。	 

新学習指導要領 社会科目標

 社会的な見方・考え方を働かせ、課題を追究したり解決したりする
活動を通して、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で
民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の
基礎を次のとおり育成することを目指す。


「社会的な見方・考え方」という視点が登場し、問題解決学習をやると
目標に明記されている。その視点とは、「社会的事象を位置や空間的な
広がり、時期や時間の経過、事象や人々の相互関係に着目して捉え、
比較・分類したり総合したり地域の人々や国民の生活と関連付けたり」
する見方・考え方としている。

さらに、「次のとおり」として、3項目が追加されている。すなわち、

 地域や我が国の国土の地理的環境、現代社会の仕組みや働き、地域や
我が国の歴史や伝統と文化を通して社会生活について理解するとともに、
様々な資料や調査活動を通して情報を適切に調べまとめる技能を身に
付けるようにする。

 社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考えたり、社会に
見られる課題を把握して、その解決に向けて社会への関わり方を選択・
判断したりする力、考えたことや選択・判断したことを適切に表現
する力を養う。

 社会的事象について、よりよい社会を考え主体的に問題解決しよう
とする態度を養うとともに、多角的な思考や理解を通して、地域社会
に対する誇りと愛情、地域社会の一員としての自覚、我が国の国土と
歴史に対する愛情、我が国の将来を担う国民としての自覚、世界の
国々の人々と共に生きていくことの大切さについての自覚などを養う。

 このように、従来の目標より具体的な観点が提示されている。



2.社会的な見方・考え方

 そこで、本書では、上記の新しい指導要領に鑑み、「社会的な見方
・考え方」を身につけられるようなワークシートを作成してみた次第
である。

 社会科は、他の教科と違って、かなり「地域性」を帯びてくると
いう側面がある。以前から同心円的拡大方式と呼ばれてきている
ところである。


 例えば、教科書では、日本全国の特色ある地域を1つ選んで、そこを
中心に記述してある。「低地のくらし」という小学5年の単元があった
とすると、A社は岐阜県や三重県の「輪中」を取り上げるという具合
である。しかし、学習する子が住んでいる地域には、輪中はないかも
しれない。低地さえないかもしれない。そんな時、次の2つのやり方が
考えられる。

X:教科書の輪中を取り上げて(低地の代表として)、学習する。

Y:地元あるいは近くの低地を副読本などで取り上げてあるものを
学習する。


 Xでは、「輪中から日本の低地が見える」という仕組みになる。
輪中堤は、どこの低地にでもあるものである。さらには、「水屋」は
ないかもしれないが、自宅を道路より高く造成するというパターンは
よく見受けられるところである。

 つまり、「◯◯から□□が見える」という社会的な見方・考え方が
重要である。このワークシートもそういう見方で使って頂けると
有り難い。

 Yに関しては、例えば熊本には低地がある。それは、特に八代平野
などを中心とした「新田開発」でつくられた平野である。あるいは、
隣接県になるが、佐賀平野のクリークがある。どこを取り上げるかは、
教師次第であろう。


 さらには、「往復運動」も必要である。図2にあるように、近くの
八代平野を見て、遠くの輪中を見たりする学習活動である。反対に、
遠くの輪中を学習して、熊本はどうだろうという学習設定である。
要するに、遠近両用メガネを脳に身につける必要があるということだ。

 これは、地理的学習だけではなく、歴史的学習にもあてはまる。
例えば、江戸幕府の学習(中央史)をしながらも、地元の肥後藩
(地方史)はどうだったのだろうということである。

 こうして、共通点や相違点を見いだしていく学習も、新学習指導
要領が求めているところでもあると感じている。

 要は、新学習指導要領に言う、
「社会的見方・考え方」を働かせることである。



3.本書の使い方

 前節から、社会科が教科書一辺倒では学習できない所以がおわかり
頂けたかと思う。特に、小学3年・4年の学習では、地域を扱うだけに、
各地で副読本が制作されているはずである。

 学習内容や発達段階から、その地域の学習は外せない状況でもある。

 そこで、本書の登場である。こちらは副読本ではなく、副ワーク
シートという存在である。場合によっては、読者の地域では使えない
ものもあるだろう。上記の理由から当然である。

 そのような場合には、その地域の写真や文章に差し替えたり、少し
アレンジをしたりして頂ければ幸いである。もちろん、どこの地域で
もあてはまるというものもある。


 本書は各節、2部構成となっている。1部が解説的ページで、2部が
児童配布用ワークシートとなっている。 

 解説部は、次のような節で構成している。 

【ワークのねらい】 学習指導要領の目標に従って、
テーマに関するものを順に記述してみた。

【鍛えるポイント:社会的見方・考え方】 各テーマ(ワークシート)
に関連して、どんな見方や考え方を育成していけばいいかについて、
記述してみた。

【展開と指導の流れ】 ワークシートを使う際の授業の流れを記述して
みたが、これは実態によって変更可能である。

【◯解答例と▽評価のポイント】 解答例(◯印で表示)を中心に
記述してみた。子どもの意見などは様々だろうから、解答例と
似たような、大まかなことを書いてあればそれでよしというような、
評価のポイント(▽印で表示)も示した。

【教材開発の極意】 こんな授業も考えられる、あるいは、こんな
教材も開発できるというようなヒント(極意)や付随事項を記述して
みた。

 ワークシート部は基本的には1枚ものだが、テーマによっては、
複数ページにわたるものもある。ワークシートのテーマ名は、子ども
向けにしてある。

 ワークシートを授業で使用する際には、シート全面を渡してしまう
と、先が見えたり、答えがわかったりする場合もある。そんな時は、
全てを印刷した後に、部分的に切り離して、順次、配付していくと
いう形にするといいだろう。

 授業終了の際は、ノートに配付順に貼っていくという作業も必要
になる。紛失してしまえば、学習の記録がなくなるからである。
面倒でも、地道にさせていきたいものである。社会科に、ハサミと
のり、色鉛筆は必需品である。

 本書の土台は、中心テーマである「社会的な見方・考え方」を
育成するワークシートということである。

 例えば、歴史的絵画を見る場合を想定してみよう。


 ただ単に絵画資料を見ても、歴史的事象を見抜いていくことは難しい。
そこには、例えば、図4のような絵画の細部を見ていくやり方がある。
その「絵画の見方」を養成できるワークシートにもなっている。

 これは、単に絵画の見方にとどまらず、例えば、学習指導要領が
重んじている課題作成の仕方、見学の仕方、写真の見方、等々に
関係することでもある。

 そのような「見方」が身につくワークシートに仕上げているので、
特に「仕方・見方」の場合には繰り返し使って頂ければと思う。

 小学3年時の課題設定の仕方のワークシートを、5年時で使っても
何ら問題はない。そのように、繰り返し使っていくことで、
「社会的な見方・考え方」が身についていくと考える。




4.教材開発の極意

 ワークシートは、自分が使いやすいようにアレンジするのがベスト
だと考える。担当する子どもが違えば、教える教師も違う。当然、
住んでいる地域が違うし、使用している教科書も違う。だから、
できれば、自分で作成するのが一番である。

 このワークシートをその土台として利用して頂くということも
想定している。

 前述したように、各テーマの終末に「教材開発の極意」という節を
設けている。地域性の強い社会科だからこそ、教材開発は欠かせない
だろう。その極意というものを付け加えてみた次第である。

 例えば、長崎から北九州までの肥前街道というのが江戸時代に
あったが、ここは「シュガーロード」として売り出し中である。
 実際に、当時、「砂糖の道」であったのだ。平戸で貿易をした
ポルトガル人が「南蛮菓子」を伝え、鎖国後は場所を長崎は出島
に変え、中国人やオランダ人が砂糖を持ってきて、それは京都や
江戸へと運ばれていった。そのおこぼれが肥前街道を満たし、
菓子が作られてきたという歴史がある。

 ここを本書でワークシートとしても掲載しているが、このこと
から、以下のような地域での教材開発ができるだろう。

 もちろん、その地の副読本ではすでに取り上げてあるかも
しれないが。

 その1つは、「鯖街道」である。若狭湾のサバを京へと運んだ、
若狭街道である。小浜と京都を結ぶ道で、小浜で一塩入れたサバは、
京都でちょうどいい塩梅にになって親しまれた経緯がある。

 逆に、小浜には京文化が残ると言われている。日本文化遺産にも
認定されているところである。

「なぜ、小浜に京都に似た仏像や寺院、祭りがあるのだろうか。」
という発問はいかがだろうか。

 もう1つは、駿州往還や中道往還を使った、山梨の煮貝やよく
食されたマグロである。なぜ、海に面していない山梨県にアワビや
マグロなのかという疑問点が当然出てくるだろう。

 何しろ、山梨県は寿司屋の数が日本一、マグロの購入金額・数量
とも全国2位ときている。上記の京都と同じパターンである。

 つまり、駿河湾でとれたアワビを加工(醤油付け)し、馬の背に
乗せて甲州は甲斐へと運んだのである。

 マグロも同様に、生魚の状態で運ばれたらしい。富士山麓で、
寒冷な道筋でもあったと考えられる。

 これは、葛飾北斎「富嶽三十六景」の「見延川裏不二」にも
登場しているところでもある。もっとも、こちらは見延山久遠寺への
参詣シーンではあるらしいのだが。

「魚尻線」という用語がある。これは列車ではなくして、海から
内陸へ魚を運搬できる限界点を結んだ線のことだ。甲府は、
ちょうどこの限界点に当たっていた。この用語だけでも、
教材開発が進みそうな気配がしてくる。

 このように、似たようなシーンを見つけ出すのが、教材開発の
醍醐味ではなかろうか。

 そのためにも、望遠鏡(遠くと近くを見る力)と顕微鏡
(見えないものを見るようにする力)の2つは必需品でもある。
(おわりに続く!)



目次ーーーーーーーーー

は じ め に

1)次期学習指導要領から            
2)社会的な見方・考え方                          
3)本書の使い方
4)教材開発の極意



目     次

1.小学3年社会科教材ワークシート

1) 町へ出かけよう!
2) 校区のチラシ地図から
3) 床屋さんの地図記号は?
4) 農家の工夫を見ぬけ!!
5) コンビニのヒミツをさぐろう!
6) デパートのナゾ?
7) どこから来たの?
8) ザ・火消し!


2.小学4年社会科教材ワークシート

1) 2つの断面図で富士山を知る!
2) マンホールの謎を科学する!
3) 水はどうやって流れてくるの?
4) プラグの向こう側
5) 備えあれば憂えなし!
6) 棚田を拓く
7) 棚田を拓く
8) 伝統的工芸品とは!


3.小学5年社会科教材ワークシート

1) Myさくいんを作ろう!!
2) 日本の重心はどこ?
3) 日本一の植木スイカ!
4) 釣り具から始めよ!
5) 原油はどこから、どうやって?
6) 新聞社の仕事!
7) 新聞VSテレビVSネット
8) 水俣病という公害について
9) 備えあれば憂えなし!


4.小学6年社会科教材ワークシート

1) 日本国憲法を読んでみよう!
2) 『蒙古襲来絵詞』に挑戦しよう!
3) ザ・シュガーロード
4) 米価から飢饉や事件を読み取る!
5) 地租改正は増税だった?
6) 原子爆弾は日本人を救ったのか?
7) どこのコーラ?
8) JICAから世界を知る!



お わ り にーーーーーーーーーーー

■望遠鏡的見方と顕微鏡的見方
  
 おわかりだとは思うが、中程に数編のコラムも載せてみた次第
であった。少しでも、社会科という面白い教科に目を向けて
ほしかったからでもある。

 さて、我々教師が、社会科で子どもたちにつけてやるべき力は、
極論を言えば、次の2つに絞られるとも考えられる。すなわち、

 望遠鏡的見方 と 顕微鏡的見方 である。

 これはとりもなおさず、言葉を換えれば「社会的な見方・考え方」
であると、考えている。

 【望遠鏡的見方】

「はじめに」では、身近な地域(学校周辺)から遠くを見ていく力
の必要性を説いた。全国代表の、遠くの(教科書の)輪中から、
我々が住んでいる地域の「低地」とは、という見方が必要であると。

 そして、逆もありと書いた。

 さらには、今の社会から、未来をどう予測していくのかという視点
である。もちろん、その際には、足下からの視点も重要だが、過去
からの視点も重要であろう。

 2017年秋現在、自動車工業界が揺れている。日産の整備ミス、
トヨタの電気自動車への切り替えの是非、ホンダの海外移転等々
である。

 これまでは、社会科で工業単元といえば、自動車一本であった。
これから先は、どうなっていくのか、自分なりに見通す力というのが
問われるだろう。

 さらには、自動運転の問題、あるいは輸送業のあり方そのものが
議論されている昨今でもある。子どもたちは、その未来を大人と
して生きていくことになるのである。

 自動車のみならず、AIの存在もものすごく大きい。これらは、今後、
私たちの社会をどう変革していくのだろうか、それを予想し、
対応できる力を養っていく責務があると言わざるを得ない。


 【顕微鏡的見方】

 一方で、今ある事象をどう見ていくか、あるけど見えないものを
どうやって見抜いていくかという力も必要になってくる。

 1つの事象から、どう課題を発見させていくのか、1つの絵画から
どんなことを見抜いていくのか、1回の見学で何を見ていくのか、
こんな力が今まで以上に求められている。なぜなら、企業に例えると、
対応を一歩間違うと大きな損失へとつながっていくからでもある。

 過去数十年では、家電業界が世界ナンバーワンの座から軒並み
下落していったという歴史がある。

 今をしっかりと見る力は、前に述べた、未来を見る力へとも
つながっていく。

 つまり、両者、つまり望遠鏡的見方と顕微鏡的見方は、車の両輪
なのである。

 かつてないスピードで、時代は進んでいる。だからこそ、
新学習指導要領の大幅な改訂があったのだと解釈している。

 私は、残り3年間で定年退職を迎える。

 思い返せば、教師3年目で法則化運動に出会い、向山洋一氏から
教育技術の大切さ、「授業の腕をあげる法則」を学ばせて頂いた。

 そして、故有田和正氏から社会科の教材開発のやり方、面白さの
手ほどきを受けた。これらのことで、35年間の教師生活を支えて
頂いた。

 この2つがなかったら、早くに教師生命は終わっていたと感じる
昨今である。

 そして今、正直に言って、SNS世代の子どもたちについていけて
いない自分がいる。本当はこれではいけないのである。

 子どもたちを知らずに、授業はできないということになってしまう。
そんな教師、大人を作らないためにも、「社会を見通す力」を
子どもたちにつけていく必要がある。

 若い教師やこれから教育者を目指そうという人のために、私の拙い
実践から本書を書かせて頂いた次第である。

 少しでも参考になったら、幸いである。


2017年(平成29年)10月1日 57歳の誕生日にて
           熊本市立花園小学校教諭 村上浩一



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 手に取って頂けると、有り難いです。よろしくお願いします。


■村上に連絡されると、多少、安くなります!!
 


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村上浩一の教材工房
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■最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。感謝致し
ます。残りの教師生活で、しっかりと学んだことを伝えていき
たいと思っております。

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