人事のブレーン社会保険労務士レポート

人事のブレーン社会保険労務士レポート第165号外国人労働者を即戦力にするためには日本の文化と価値観の理解は欠かせない


カテゴリー: 2017年06月15日
平成29年6月15日 第165号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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外国人労働者を即戦力にするためには日本の文化と価値観の理解は欠かせない

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1.はじめに

我が国では人口の減少により労働力人口の減少とどの様に向き合うのかが重要
な課題となっております。

海外より外国人を受け入れて人材不足を補うといったことが始まっています。
先日ご縁があり、ベトナム国籍でイギリスの大学院に留学している方を一日お
預かりし、日本におけるヒューマンリソースについてレクチャーをしました。

留学生に私のお客様の事業場を見せて実際の現場を見て頂いた後に私がお話し
するというプログラムにしました。
その中で留学生と議論をして日本の人事管理を制度面でお話ししても本質的な
理解にならない。

日本の労働における価値観、文化的な側面を理解頂いた上で制度面を学んで頂
かないと本質的な理解が出来ないという結論に達しました。
外国人雇用に悩まれている経営者の方も多いですが、まず日本の文化、価値観
をしっかりと理解して頂く必要があります。
私が留学生にお伝えした内容をまとめますので、ご参考にして頂ければと思い
ます。

2.異文化交流という意識
(1)日本国内でも違う文化
「関東の一個残し」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
関東の人は遠慮するから、最後の一個は残るということです。
餃子大皿で頼みますが最後の一個になると遠慮して食べず、最後まで残ると言
うことです。
関西の人は「なんで一個残しとくのか」とさっさと食べてしまう。
関東と関西の文化の違いを比喩する際に使われる例でした。

日本は国土の狭い国です。
しかし、関東と関西ではこの事例の様に文化が違います。
関東と関西でもこれだけ違うのですから、国が違えば文化が違うというのは考
えるまでもありません。

外国人雇用で注意すべきポイントはこの文化の違いをしっかりと理解する事が
必要です。
台湾に研修で行った際に、「中華圏では目上の人から料理を取り、目上の人が
箸をつけて初めて若輩者が箸をつけられる。これがマナーだからしっかりと考
え行動する様に」と注意をされた記憶があります。

(2)会議で考える日本の文化
経営者の方が「うちの社員は会議で発言しない」と悩まれていますが、これは
日本の文化を考えれば当然のことなのです。
日本は根回しの文化ですから、会議を開催する前にすべて決まっている文化で
す。
会議で発言して、根回しで決まっていることがひっくり返そうものなら「空気
が読めない」とレッテルを貼られてしまいます。
こういう文化の中で子供の頃から育ってきましたから、いきなり大人になって
「会議で発言しろ」といわれても訓練していませんし、「発言しろ」という経
営者の発言の本意を探ってしまい、肯定的な発言しか許されないのではないの
かと考え根回しの流れに沿った肯定的な発言になってしまう傾向があります。

だから出来ないのです。

これは日本人が悪いのではなく、日本の文化なのです。

(3)阿吽の呼吸の文化
外国人の労働者について権利を主張するという経営者の方も多いのですが、日
本は「阿吽の呼吸」の文化です。文書で明確にルールを決める文化ではありま
せん。
どこまでが自分の仕事であると言うことが明確に決まっていまい。
これは阿吽の呼吸の文化だからやむを得ないのです。
「契約書には書いていないことでも業務としてやらなければならないことがあ
る。」
このことを契約書に明記したいという経営者の方もいらっしゃいましたが、日
本の文化をしっかり説明して、理解して頂くことがトラブル防止の本質的な対
策なのです。
日本で働く労働者に求められる基礎的能力は「空気を読んで行動する」ことで
あり、「空気を読まないで行動する社員」は問題社員として扱われるケースが
多々あります。
「阿吽の呼吸」「空気を読んで行動する」これが日本の労働における価値観な
のです。
このことの善し悪しは別として、日本で働く以上、このことをしっかりと理解
して頂かなければ上手くいきません。

(4)休暇政策で考える日本の文化
また、休暇政策も我が国は「みんなで一緒に休もう」という文化です。お盆や
年末年始の大渋滞が毎年起こるのもこの文化によるからです。
年次有給休暇の取得率が我が国は低いといわれていますが、日本の休暇政策は
「みんなで一緒に休もう」が文化なのです。
年次有給休暇を取得してマイペースで休むといった文化ではありません。

3.まとめ
外国人にも、その出身国の文化価値観があります。
日本の文化、価値観を理解して頂くと共に、出身国の文化、価値観をしっかり
と理解し、お互いに譲れない文化、価値観はどこまでなのか。どこまでなら受
け入れられるのか。
これを研究していかなければ外国人雇用は上手くいきません。
その国の価値観、文化の中では正しいとされていることを「変えろ」といわれ
ても変えられるものではありません。
外国人雇用の第一歩は、その雇用者である日本人が日本の文化や価値観をしっ
かりと相手に理解させられるのか。
ここが重要なポイントであると思います。
どうぞご参考にしてください。



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