━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 赤十字国際ニュース(メルマガ版) 第1号 □□■□□ +++ 一人ひとりの力が世界に届く +++ □■■■□ □□■□□ 発行日:2003年9月26日 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■目次 ---------------------------------------------------------------------------- ◇産業に深刻な影響を与えるHIV/AIDS(エイズ):アフリカ ---------------------------------------------------------------------------- ◇エイズとの闘い:国力に応じた貢献を−デル・トロ連盟会長、国連総会で呼びかけ ---------------------------------------------------------------------------- ◇赤十字シンポジウム:テーマはエイズ ---------------------------------------------------------------------------- ***************************************************************************** ◇産業に深刻な影響を与えるHIV/AIDS(エイズ):アフリカ◇ 今後10年間にHIV/AIDS(エイズ)で亡くなる人の数は、過去50年間のすべての戦争で失われた 人の数より多いといわれています。すでに2,500万人もの人々が命を失い、2001年だけで、 新たに500万人がこの病気に感染しました。しかも、これらの人々の多くは、職場や家庭に なくてはならない働き盛りの人たちです。現在、エイズの被害が最も深刻なのはアフリカの 国々、特にサハラ以南地域です。これらの国々では、エイズによって産業に深刻な影響が 出始めています。 南アフリカでは、鉱山労働者の3人にひとりがHIV感染者であると推定され、ケニアでは、 中規模の企業で働く人々の1割が感染しているといわれます。国連の報告によると、 ケニアでは、病気や死亡による退職が高齢による退職を上回りました。欠勤や雇用者の 入れ替えが頻発するため、これまで職場に蓄積された技術や知識が失われ、職場の士気が 下がり、生産性が落ちてしまいます。東アフリカでは、欠勤による負担が企業コスト全体の 25〜54%にも上っています。 また、エイズは家計にも深刻な影を落としています。患者を抱えた家庭では、医療費の増大が 極端に家計を圧迫するだけでなく、伝統的慣習から、地域によっては葬儀にかかる費用が 家族にとって多大な出費となる場合もあります。「何も手を打たなければ、仕事をする人も、 できた製品を買う人もいなくなってしまいます」とケニア赤十字の保健・社会サービス部長 のアシャ・モハメド医師は警鐘を鳴らしています。 危機感を感じた企業では、エイズに感染した従業員の医療費を補填するなどの対策に取り組み 始めました。知らぬふりを決め込んで生産性を落とすより、積極的な取り組みによる利益の方 が大きいことに気付いたからです。ケニア赤十字では、このような企業からの資金助成を受け て、従業員に対するエイズ教育や、エイズ対策のための政策提言など、企業向けの総合エイズ 対策事業を開始しました。アフリカでは、他にもいくつかの国の赤十字社で同様の事業を 始めています。 ***************************************************************************** ◇エイズとの闘い:国力に応じた貢献を−デル・トロ連盟会長、国連総会で呼びかけ◇ 「1日わずか1米ドル足らず。人間の尊厳を守るのに高すぎる額でしょうか?エイズに苦しむ 何百万という人々の望みを取り戻すのには重すぎる負担でしょうか?」9月22日、国連総会の エイズ特別会議において、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)会長のホアン・マニュエル・ スアレス・デル・トロ会長が各国政府に対して呼びかけを行いました。 エイズとの闘いに、2005年までに少なくとも100億米ドルを投資するとした、2年前の国連臨時 総会での取り組み宣言が遵守されていないことに触れ、「エイズとの闘いには息の長い取り組み が必要です。エイズを始め、結核、マラリア等の伝染病撲滅のために設立された世界的な基金 (グローバル・ファンド)を確実に維持運営していくためには、各国がその経済的国力、 つまりGDPの規模に応じた公平な貢献を行うような仕組みが必要です」と訴えています。 「1日あたり1米ドル」とは、世界中で現在エイズに感染している人の数を非常に控えめに 見積もって4,000万人とし、100億米ドルを等分に分けた時の1人あたりの数字です。 「意志をもって取り組めば、容易に達成できる数字のはずです」 デル・トロ会長はまた、エイズ問題を最優先課題のひとつとして取り組んできた赤十字の経験 を生かして欲しいとし、各国政府に対して「赤十字、市民社会、エイズ感染者自身らと協調し、 偏見や差別、法的・政治的な障壁を取り除くことで、環境や置かれた立場に左右されず、 誰もがエイズの予防、治療、ケアを受けられるようにするべき」と述べています。 ***************************************************************************** ◇赤十字シンポジウム:テーマはエイズ◇ 日本赤十字社は毎年、様々なテーマのもとに赤十字シンポジウムを開催しておりますが、 16回目を迎える今年は「HIV/エイズ〜世界の現実と国際援助」と題して、11月1日(土)に ゲートシティホール(ゲートシティ大崎B1F:東京都品川区)にて開催することになりました。 世界中で猛威をふるい、さらに拡大を続けているHIV/エイズについて、NGOなど実際にエイズ 対策に携わっている関係者をパネリストにお迎えしてシンポジウムを開催いたしますので、 是非ご参加ください。参加は無料です。 参加を希望される方は官製はがきに郵便番号・住所・氏名・電話番号・職業を記入して、 10/14(火)までに(当日消印有効)以下までお申込みください。詳細は日赤ホームページ (http://www.jrc.or.jp)をご覧下さい。 〒105-8521 東京都港区芝大門1-1-3 日本赤十字社国際部企画課「赤十字シンポジウム2003」係 なお、この赤十字シンポジウムの模様は本年12月13日(土)にNHK教育テレビの 「土曜フォーラム」の番組として午後11時30分から放映される予定です。 ***************************************************************************** ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ 発行者:日本赤十字社事業局国際部 〒105-8521 東京都港区芝大門1-1-3 電話:03-3437-7087 FAX:03-3435-8509 E-mail:kokusai@jrc.or.jp URL:http://www.jrc.or.jp/ ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ ■注意!メールマガジンの登録・解除をご希望の方■ *日本赤十字社のメールマガジン配信は、まぐまぐ配信システムによって管理されています。 登録・解除をご希望の際は、以下のURLにて行って下さい。 http://www.mag2.com/m/0000117537.htm *まぐまぐで発行されているメールマガジンに登録されますと、併せてメールマガジンの 新着情報やお知らせなどを掲載している「ウィークリーまぐまぐ」にも登録されるシステム になっています。 「ウィークリーまぐまぐ」の解除を希望される方は以下のURLにて手続きを行って下さい。 http://www.mag2.com/wmag/ ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△