日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信

歴史家の存在意義と歴史のジレンマ


カテゴリー: 2017年08月29日
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├ 2017年08月29日 歴史家の存在意義と歴史のジレンマ
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★本日(8月29日)21時~生放送です。

■【適宜無料】地政学者・奥山真司の「アメ通 LIVE!」■
2017/08/29(火) 21:00 生放送スタート

(ニコニコ生放送)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv304027525

(Youtube)
https://www.youtube.com/c/TheStandardJournal/live

※おくやま・KAZUYAのすべらない"あの"話※
https://youtu.be/DHUumUZgrP4

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おくやまです。

以前番組でも触れたトピックですが、いい論評記事をご紹介します。

※【Youtube】奥山真司の地政学「アメリカ通信」
https://youtu.be/sMFIGFNKsvI

以前から日本でもたような現象をみかけますが、
とりわけアメリカの場合は
「大統領歴史家」(Presidential Historians)と呼ばれる人々がいて、
メディアで発言する傾向が目立ちます。

なぜメディアがこのように歴史家を連れてきて
話をさせるのかについては、
まさにこの記事の著者の説明するような「
アナロジー」の部分なのでしょうが、
私がそもそも問題だと思っているのは、
「歴史を知っている」と感じている人が陥りやすい
「全知全能的錯覚」とでもいうべき点です。

というのも、私は過去にある「歴史家」と
自称する人物の勉強会に参加した時に、
この人物が「私はあの時代をよく知っている、
だから日本の現政権も同じようなもんだ」
という無茶苦茶な分析を聞いたことがあるからです。

もちろんこの人物はある特定の時代の
一時期についての専門家であるために、
たしかにその時期の出来事や時代背景について
よくご存知だなぁという印象をもったわけですが、
問題はその時代を、
ものごとが起こった後からの視点という、
いわばその当時の人にとっては
決して得ることのできなかった「神の視点」から
ものごとを見れるという優位をもっている点です。

このような特殊な視点を持った人が、
果たして現在進行中の歴史的な現象についても
同じようにコメントする資格があるのかというと、
かなり疑問なわけですね。

すでに起こったこと、
つまり「タラレバ」を批評する人のことを、
よくアメリカンフットボールのたとえを使って
日曜夜の試合結果を踏まえて
翌朝にタラレバ言うことから
「月曜朝のクオーターバック」(monday morning quarterback)
といいます。

そしてこれは、結果を知っている歴史家たちが
陥りやすい間違いでもありますし、
そのような彼らを使いたがるメディア側にも問題が。

よってここでの教訓は
「歴史家は現在進行中の現象を知っているわけではない」
ということになるのでしょう。

ただし問題は、現在進行中、
もしくは未来の問題に向かって行くためには、
人類に残されている知的資産は「歴史」しかない、
というジレンマです。ああ悩ましい。

( おくやま )

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歴史家は「評論家」になるべきではない
by モシック・テムキン

https://goo.gl/Bkuigr

ドナルド・トランプはたしかにアメリカ人の
ほとんどの人にとって大災害であり、
世界にとっても危険な存在かもしれない。
ところが彼は歴史家たちにとっては、
大きな恩恵を与えてくれる存在だ。

なぜなら彼の政権がグロテスクに映れば映るほど、
歴史家たちはその理由を説明するために、
ケーブルニュースの番組でたった30秒の非難や、
新聞の記事の中の引用しやすい言葉のために
呼ばれるようになったからだ。

私も歴史家の一人だが、
われわれの注目されるべき職業が
こうして注目を浴びるのは喜ばしいと考えている。

ところが同時に私は、歴史が、矢継ぎ早かつ表層的な形で、
しかもそのほとんどが歴史的な「アナロジー」を
引き出す形で表現されていることに懸念もしている。

その結果として、読者や視聴者は
トランプ氏に関して誤解を生むことが多く、
現在の困難な状況に関して
ほとんど役に立たないような
「歴史の教訓」を得ることになってしまう。

このようなことが起こる原因の一つは、
まさに「歴史家がやってはいけないこと」にある。

われわれは学生たちに対して、
「アナロジー」に注意するように教えている。
アナロジーというのは政治家や政策担当者たち
(彼らは目の前の問題に合うようにアナロジーを選ぶ)
の間で人気があるものだが、
過去と現在の両方を歪めてしまうことが多いのだ。

ひとつの例を挙げてみよう。

トランプ氏は選挙期間中に、
恐慌時代のルイジアナ州知事として有名だった
ヒューイ・ロングと比較されることが多かった。

確かに二人の間には似ているところがある。
トランプ氏と同様に、ロング知事も
「大衆」の旗印の下で活動しており、
エリートを攻撃し、批判者たちには
「煽動政治家」や「ファシスト」と呼ばれていた。

ところが二人の間の違いはさらに重要だ。
ロング知事は叩き上げの既得権益に
挑戦した本物のポピュリストであり、
知事として道路・橋・病院の建設や、
貧者の救済に責任を持って取り組んでいた。

彼自身は決して「人種カード」は使っておらず、
この時代の南部の大衆的な政治家にとっては
衝撃的なほど珍しかった。

ここで重要なのは、トランプ氏がロングと
似ているかどうかという点ではない
(実際彼はロングとは違う)。むしろ重要なのは、
このアナロジーが無意味である、ということだ。

実際のところ、このようなアナロジーは有害でさえあり、
危険なものともなりうるのだ。

たしかに歴史はわれわれに
様々なことを教えてくれるものだ。
ところがその教訓の一つは、
「歴史の教訓には限界がある」ということだ。
歴史が繰り返すことはめったにないのである。

たとえばトランプ氏のウソやごまかしが
リチャード・ニクソン元大統領に似ているからといって、
それがウォーター・ゲート事件の再現
とはならないのである。

しかもウォーター・ゲート事件は、
ある種のハッピーエンドで終わっている。
ニクソンはこのスキャンダルで失脚しているからだ。

ニクソンの話がわれわれに教えているのは、
アメリカの政治システムが機能しており、
大統領でさえも法律には逆らえず、
民主制度の役割を果たしているということだ。

トランプ氏もニクソンと同じような
不名誉に直面するかもしれないが、
そうならない可能性もある。
当時と現在の社会的状況がほとんど違うからだ。

1974年にはフォックス・ニュースや、
似たような民間のプロパガンダメディアも存在しなかったし、
議会の共和党の人々は献金してくれた富裕層のために
減税を進めるよりも、民主制度と合衆国憲法を重視していた。

もし過去の大統領や政治家たちとの
アナロジーや比較に根本的な欠陥があるとすれば、
歴史家たちは何をすれば良いのであろう?
トランプ時代の彼らの役割は、
一体どのようなものであるべきなのか。

まず一つ考えられるのは、
今回のようなメディアからの注目を利用して、
軽薄なアナロジーを突き崩すことだ。

その一例として考えられる格好のターゲットは、
トランプ大統領をヒトラーやムッソリーニのような、
様々な過去の外国の独裁者たちと
比較するという流行のアナロジーだ。

もちろんここでも自国優位主義(ジンゴイズム)や
民主制度に対する軽蔑など、
似たような部分は確かに存在する。

ところが同時に危険性も存在している。
ヒトラーと比較すると、トランプ氏は実際のところ
それほど怖い存在ではないし、
トランプ氏と違ってヨーロッパのファシストたちは、
はるかにイデオロギー的であり、
トランプ氏の堕落した面や、
自らを「偉大なディール・メイカー」
として見ている点を見下したはずである。

さらに、ほとんどのアメリカ人にとって、
ヒトラーとムッソリーニの話は喜ばしいものだ。
なぜならわれわれは彼らを打ち負かしたからである。

結局のところ、歴史家ができる最も重要なことは、
アナロジーを「批評家」たちに任せて、
その代わりに現在のわかりづらく見える状況に
どのように到達したのかという点について、
批判的かつ面倒な説明を提供することなのだ。

そして実際に多くの歴史家は
このようなことを行っているのだが、
あいにくメディアのスポットライトの下で
行っているわけではない。

これは何も極端な意見ではなくて、
実際に政治関係の優れた歴史家たちが
常にやってきたことだ。

1955年のことだが、歴史家の
ヴァン・ウッドワード(C. Vann Woodward)が
『ジム・クロウ法の奇妙な経歴』
(The Strange Career of Jim Crow)という本を出版した。
これは南北戦争後の人種差別政策の
源泉について簡潔にまとめた優れた歴史書である。

著者のウッドワードは、
過去からのアナロジーを求める代わりに、
ジム・クロウ法は多くの南部の人間が
考えていたような太古の昔からの伝統ではなく、
19世紀後半という比較的最近の
人種差別主義の高まりによって始まったものである
ということを解き明かしたのだ。

社会・政治面における時代的な変化を追うこと
――これこそまさに歴史家の基本的な仕事なのだが――
によって、この本は社会的な進歩は
可能であることを示したのである。

ウッドワードは切り取られやすい言葉や
評論家が好むようなアナロジーを使ったわけではない。
ところが彼の研究は、戦後の人種政治に
大きなインパクトを与えたのである。
キング牧師はこの著作を
「公民権運動における歴史的な聖書だ」
と評しているほどだ。

トランプ氏の場合でも、そのような
明快な歴史の説明ができれば、
彼の「プラネット・アース」
(BBC制作の環境保護ドキュメンタリー番組)
に対する憎悪にもかかわらず、
トランプ氏が別世界から来たわけではない
ことがわかるはずだ。

彼の台頭は、たしかに世界的な
独裁主義への流れや民主制度への嫌悪感と
明らかに同調するものでありながら、同時に彼はまさに、
近年のアメリカの歴史による産物なのだ。

彼はそれほど過去の政治家と似ていないだろうが、
彼らと同じようにトランプ氏も、われわれが理解でき、
しかも対応できるような、
歴史的なプロセスから恩恵を受けてきた。

それはつまり、われわれの有名人への信仰や、
性別・人種・経済の面での格差、
対外戦争による精神的打撃、投票者たちの不満、
そしてアメリカ国民の多様性や
政治的な好みを反映しない政治体制などである。

ここで疑問が出てくる。
公共善のために何もしてこなかったリッチな男が、
そもそもなぜ政治家になってしまったのだろうか?
中国からバラク・オバマ大統領の生誕地に至るまでの
あらゆる不明確な知識は、
なぜ何百万人もの人々にとって重要なのだろうか?

彼の豊富な資産は、どのようにして
政治における権力と影響力へのアクセスを与えたのだろうか?
移民によって構成されている国で、なぜ外国人嫌いが
これほどまでに力を得てしまったのだろうか?

歴史家たちはこのような疑問を
解明するような研究を行ってきたわけであり、
それらに答えるに最もふさわしい人々だ。

歴史家の説明というのは、
過去の大統領の比較による
簡単な説明よりも視聴率をとれないだろうが、
トランプ氏については良い説明ができるだろうし、
アメリカ人は自分たちで
より良い歴史をつくることができる
ということを明確にしてくれるはずだ。

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「戦争論」って読んだことありますか?

そう、クラウゼヴィッツの『戦争論』です。

●戦争論という書名なら聞いたことがあるという人。
●クラウゼヴィッツという名前だけは聞いたことあるという人。
●読んでみたけど、なんだかよくわからず本立に飾っているという人。
●解説本を読んでなんとなくわかった気になっているという人。

いろいろだと思います。
しかし、日本ではほんとうの意味で流行っていません。

なぜか?・・・

つづきはこちらから

↓

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