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[GEN 919] 埋設枯れ葉剤を探せ(9)


カテゴリー: 2015年09月18日
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■世界の環境ホットニュース[GEN] 919号
■15年9月18日
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■埋設枯葉剤を探せ(9)
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埋設枯れ葉剤を探せ(9)              原田 和明

熊本県議会 昭和59(1984)年 6月 定例会-06月11日

◆(柴田徳義君) 
時間がございませんので、最後の質問に移ります。除草剤の処理についてです。

愛媛県津島町(2005年に宇和島市と合併)の国有林に埋められた猛毒の 2・4・5T
系除草剤が土中に流出した事件で、林野庁は埋設廃棄した全国の追跡調査を
しましたが、二十五日までに北海道から九州までの二十九営林署で通達に
違反してずさんに廃棄されていたことがわかりました。熊本でも営林局の
調査で、北部町と宇土市、芦北町の三カ所に埋設廃棄されていることが判明
しましたが、いずれも林野庁の指示どおりの処置がなされておらず(※注1)
特にこのうちニカ所は「一カ所に埋め込む量は原則として三百キログラム以内」
という林野庁の指示を大幅に上回って、北部町では千二百九十五キログラム、
宇土市では二千五十五キログラムが廃棄されております。

さらに、林野庁の指示は、処分箇所の選定について、飲料水の水源、民家、
歩道、沢筋などから可能な限り離れた峰筋近くを選定することになっており
ますが、宇土市の場合は、近くに水源やしょうけ池と呼ばれる吸水性の
強い地もあると言われております。さらに、処理の方法についても、
セメントや土壌とまぜ合わせてコンクリートの固まりとしてビニール底の
上に埋め込むとなっているのに、穴の中にビニールを敷いてまぜ合わせた
ものを流し込んでおります。このように林野庁の指示に反した処置をし
ながら、熊本営林局は、埋設方法に問題はなく、三カ所とも現時点では
土壌汚染の心配はないと発表しております。

(※注1)処理方法については毒物及び劇物取締法第15条の2に「毒物
若しくは劇物又は第11条第2項に規定する政令で定める物は、廃棄の方法
について政令で定める技術上の基準に従わなければ 、廃棄してはならない。」
とあり、林野庁の指示どおりでない熊本県内の3ヶ所はいずれも毒物及び
劇物取締法違反に当たります。

ちなみに、同法施行令第40条に「廃棄の方法」が規定されており、「前各号
により難い場合には、地下1メートル以上で、かつ、地下水を汚染するおそれが
ない地中に確実に埋め、海面上に引き上げられ、若しくは浮き上がるおそれが
ない方法で海水中に沈め、又は保健衛生上危害を生ずるおそれがないその他の
方法で処理すること。」とあります。しかし、そもそも毒物を「地下水を汚染
するおそれがない地中に確実に埋め」ることなど可能なのでしょうか?
可能だったとしても知らずに掘り返して容器を破損し流出させる恐れがあります。
こんな条文が放置されていること自体が問題です。

◆(柴田徳義君)
(続) 特に水源池の近くで基準の七倍近くを埋設したと言われる宇土市では、
心配した地元住民の要請で宇土市長が営林局長に対し、埋設物の撤去と埋設地
付近及び下方地区の水質並びに土壌の調査を求める文書を提出しております。

私ども社会党の代表は、五月二十八日営林局長に面会を求めこの問題について
追及しました。その中で林野庁の指示に反する処理が判明しましたが、私どもが
要求した現場の掘り起こし調査と撤去、水質の検査に応じようとしませんでした。
しかし、さらに追及の結果、撤去する方向で検討する、そのため納得する方法で
掘り起こし調査するということを約束しました。しかし、この約束はまだ果た
されていないようです。

なお、当日直ちに知事に営林局に対し、現地の掘り起こし調査と撤去について
申し入れるよう要請しましたが、どのような措置がとられたか、どのような
回答がなされたかお尋ねいたします。(※注2)この 2・4・5T 系除草剤は
四十五年を最後に散布は停止されています。

(※注2)毒物及び劇物取締法第15条の3に「回収命令」の規定があります。
「都道府県知事は、(略)廃棄の方法が前条の政令で定める基準に適合せず、
これを放置しては不特定又は多数の者について保健衛生上の危害が生ずる
おそれがあると認められるときは、その者に対し、当該廃棄物の回収又は
毒性の除去その他保健衛生上の危害を防止するために必要な措置を講ずべき
ことを命ずることができる。」

林野庁は不法投棄であることは認めざるを得ないので、「不法投棄でも
『保健衛生上の危害が生ずるおそれがあるとは認められない』という条件を
満たせば知事の回収命令は回避できると踏んだと見られます。知事に対し
水質と土壌調査を申し出ます。

◎知事(細川護熙君)

熊本営林局が昭和四十六年に廃棄処分を行いました 2・4・5T 系除草剤の
問題につきましては、去る五月二十九日、営林局の責任者の来庁を求めまして、
県内における処分の実態と今後の対処方針につきまして説明を受けるとともに、
住民の不安解消のため速やかに適切な措置を講ずるように要請をいたしました。
営林局の方からは、とりあえず早急に水質検査と土壌検査を行いたいんで、
科学的かつ公正に実施できる立場にある県の協力をお願いしたいということで
ございまして、県としても、住民不安の解消を図るため、これを受けることに
いたしたところでございます。

それから、本県におきまして処理された除草剤は、四国等で問題になっている
粒剤に比べまして 2・4・5T 含有量が少ない粒剤でございますが、環境汚染に
関する問題で地元住民の不安も強いわけでございますから、水質、土壌検査の
結果を見て慎重に対処したいというふうに考えております。(以上)
 
この代表質問がなされるきっかけは冒頭にでてくる「愛媛県津島町の245T
(枯れ葉剤)流出事件」です。埋めたポイントあるいは下流側直近の土壌調査を
すれば「保健衛生上の危害はない」という結論は考えられませんが、現実は
放置されたまま今に至っています。

平成 9(1997)年12月 定例会-12月10日

◆(鬼海洋一君) 

続きまして、除草剤 2・4・5-T の管理についてお尋ねいたします。
ダイオキシン類の毒性が想像以上に強いことが認識され問題化される中で、
ベトナム戦争時に枯れ葉剤として使用された除草剤 2・4・5-T の存在が問題
化しております。二十五年前に問題になったものでありますが、そのままの
状態で残っているものであり、県下三カ所に埋められております。

せんだって、私の地元であります、林田県議の正式地元でありますけれども、
轟まで登って見てまいりましたけれども、そこの中には既に樹木がもえ立って
おりましたけれども、県としては、その埋設を把握しておられるのか。
この廃棄処理は、毒物及び劇物取締法の規定に基づきなされているのか(※注3)。
また、埋設の現況をどのように認識されておられるのか、健康福祉部長に
お尋ねいたします。

※注3 同法施行令にも林野庁通達にも違反していることは1984年の時点で
確定していることが忘れられた議論をしています。

◎健康福祉部長(佐々木正典君)

除草剤 2・4・5-T の埋没につきましては、熊本営林局を通じて把握をしている
ところでございますが、県内では、熊本市、宇土市、芦北町の三カ所の国有林に
合計三千五百三十キログラムが埋められております。

また、この薬剤の廃棄処理につきましては、毒物及び劇物取締法によって
劇物に指定されており、廃棄の方法につきましては、林野庁が厚生省と
打ち合わせの上で、同法施行令に定めている処分基準により処理されている
ところでございます(※注3)。

次に、埋没の現況につきましては、林野庁において、昭和五十九年六月に、
県、関係市町村等の立ち会いのもと、三カ所の処分地周辺の水質検査と
土壌検査を実施いたしております。その結果、五十六検体のうち、土壌の
一検体から〇・〇八六ppmの 2・4・5-T が検出されておりますが、
含まれるダイオキシンに換算をいたしますと、一兆分の一以下になり、
ほとんど検出限界に近い数値でございます。

また、昭和五十九年、林野庁の専門家によります 2・4・5-T 剤埋没処分
箇所の土壌対策等に関する検討委員会において、全国の調査結果に基づき、
この薬剤は、土壌に吸着され、ほぼ埋立箇所に固定され、徐々に減少傾向を
たどっていると報告をされているところでございます。(※注4)

県の最近の現場調査によりますと、埋立周辺の植物に異常は発見されず、
営林署によって処分地周囲へのさくの設置及び立入禁止の表示が行われ、
年二回の定期点検が実施されており、林野庁の方針に沿って管理が
行われていると認識しております。

なお、今後とも、熊本営林局及び関係各課と十分な連携を図りながら、
引き続き埋立処分地の管理の徹底を進めていくとともに、将来より安全で
科学的な処理技術が確立された場合は、迅速な国の対応を要望してまいりたいと
考えております。

※注4 「埋立箇所に固定され、徐々に減少傾向をたどっている」という
データを確認するために、林野庁に当時の検討委員会資料を開示請求しましたが、
「非開示」との回答がありました。245Tが拡散していないという科学データは
示さないままで「安全」という専門家の言葉だけを信じろという姿勢です。
検討委員会は4度開かれており、最後の会議資料のみ開示とのことです。


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