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遠山清彦のメールマガジン[T-mode]No.765 「平和安全法制が立憲主義に反する」という主張に反論する


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 「平和安全法制が立憲主義に反する」という主張に反論する
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                   【No.765】2016年11月26日

11月24日に、今年2回目の衆院憲法審査会が開催され、私も自
由討議の時間帯で約5分発言しました。「昨年成立した平和安全法
制が立憲主義に反している」という誤った主張に正面から反論しま
した。

<衆議院憲法審査会(平成28年11月24日)自由討議発言>
前回と今回の会議において、昨年成立した平和安全法制と憲法およ
び立憲主義との関係が話題になっておりますので、私からも、一言、
意見表明を行います。

【憲法9条と憲法解釈の基本姿勢】
憲法9条は、1項で「戦争の放棄」を定め、2項で「戦力の不保持」
と「交戦権の否認」を定めています。その文言からすると、憲法9
条は、国際関係における「武力の行使」を一切禁じているようにも
見えます。

しかし、憲法を始めとする法の解釈というものは、およそ、一部の
条文だけを切り取って行えばよいようなものではなく、その全体構
造の中で整合的な解釈を追求することが求められるもの、と理解し
ています。

【47年見解の論理~基本的な論理とあてはめ~】
昭和47年に参議院決算委員会に提出された政府見解、いわゆる「
47年見解」では、このような体系的な法の解釈という観点から、
憲法9条の下での「武力行使」の可否とその限界について、一般論
の提示に当たる「基本的な論理」とこれを具体的な状況に「あては
め」た記述とを截然と整理しながら、見事な定式化を行っています。

まず「基本的な論理」では、憲法前文の平和的生存権や13条の幸
福追求権の趣旨をも踏まえれば「平和主義を具体化した9条も、外
国の武力攻撃によって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由
及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態、そ
のような極限的な場合においては、我が国と国民を守るためのやむ
を得ない必要最小限度の武力の行使をすることまでをも禁じている
とは解されない」旨を述べています。

その上で、「そうだとすれば」という接続語を用いて当時の国際環
境への「あてはめ」の論述に入り、「我が憲法の下で武力行使を行
うことが許されるのは、我が国に対する急迫、不正の侵害に対処す
る場合に限られる(中略)したがって、他国に加えられた武力攻撃
を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、
憲法上許されない」と述べて、「当時考えられていた、他国防衛を
目的とするような集団的自衛権」を念頭に、「いわゆるフルセット
の集団的自衛権」を否定しているのです。

【平和安全法制の合憲性】
その後、弾道ミサイルや核の開発が進み、軍事技術も飛躍的に高度
化するなど、我が国を巡る安全保障環境は厳しさを増してきました。
このような安全保障環境の変化と、我が国の安全保障に日米防衛協
力体制が中核的な役割を果たしていることを踏まえれば、未だ我が
国に対する武力攻撃に至っていない状況でも「我が国と密接な関係
にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が
脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆され
る明白な危険」が発生することもあり得るとの認識に至ったのです。

すなわち、「47年見解」の「基本的な論理」を維持した上で、そ
れを現在の安全保障環境に「あてはめ」た結果、このような極めて
限定的な事態に対応するための「自国防衛を目的とする集団的自衛
権」の行使を認めることは、憲法前文や13条の趣旨を踏まえた憲
法9条に反するものではない、と位置付けたものなのであります。

【平和安全法制と近代立憲主義】
ところで、平和安全法制について、「憲法違反」というのではなく
て「立憲主義に反する」とか「非立憲的」などという批判を、しば
しば耳にします。

「憲法に適合するにもかかわらず、立憲主義に反する」という論理
が成り立つかはさておき、そもそも、国民の権利・自由を守ること
が「近代立憲主義」の本質という観点からいたしますと、国民の生
命・自由・幸福追求の権利をいかに守るかという観点から制定され
た平和安全法制は、「立憲主義違反」どころか、まさに「立憲主義」
を具現化したものと評価されるべきもの、と考えます。

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  遠山清彦(とおやまきよひこ)衆議院議員、平和学博士
(Ph.D in Peace Studies, University of Bradford,UK,1998)
  公明党国際局長、国対筆頭副委員長、沖縄方面本部長
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