609studio

609studio No.795 ◇現代時評《慰安婦像設置が意味するもの》: 井上脩身


カテゴリー: 2017年01月24日
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【609 Studio】メール・マガジン 2017年1月24日 No.795
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   フォト・ジャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身
氏の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載! 
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◇現代時評《慰安婦像設置が意味するもの》: 井上脩身        
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 韓国・釜山の日本総領事前に慰安婦像が設置されたことに対し、政府は対抗措
置として6日、駐韓国大使と釜山総領事を一時帰国させた。政府は、2015年
12月に日韓両国が交わした合意の履行を韓国側に迫る、としているが、職務停
止中の朴槿恵大統領に何ら権限はなく、日韓関係に大きな亀裂が入ることは必至
だ。この合意はアーミテージ元米国務副長官の提言によるものだが、トランプ氏
が大統領になったことで、アーミテージ路線は大きな曲がり角を迎えることとな
った。アーミテージレポートを教科書としてきた安倍晋三首相だが、今後、外交
や防衛全般について、教科書なしで取り組まねばならなくなるだろう。今年は安
倍首相の化けの皮がはがれる年になる、と私はみる。

 アーミテージ氏は2000年に「米国と日本 成熟したパートナーシップに向
けての前進」と題して、「日本の集団的自衛権の行使の禁止は、日米関係の束縛
となっている」と、集団的自衛権を行使できる政策に変更するよう求めた。その
後も数回、アーミテージ氏は日本政府への提言をまとめており、その中で、共に
アメリカの同盟国である日本と韓国が歴史認識問題で対立していることを懸念、
日本政府に慰安婦問題に向き合うよう強く要請した。
 安倍首相はアーミテージレポートを受け、集団的自衛権の行使は容認されてい
る、と憲法9条の解釈を強引にねじ曲げて、安保法制の成立を強行。さらに歴史
修正主義者としての右翼歴史観を敢えて押さえ、朴大統領との間で慰安婦問題解
決の道筋を探った。
 従軍慰安婦にかかわる日韓合意は1)慰安婦問題が最終的かつ否可逆的に解決さ
れる2)韓国政府は元慰安婦を支援する財団を設置し、日本政府の予算で10億円
程度を拠出3)在韓国日本大使館前の少女像についての適切な解決への努力――な
ど5項目からなる。政府は「慰安婦を象徴する少女像の撤去」を前提に、10億
円を拠出、慰安婦問題解決に向けて前進するかにみえた。

 朴大統領の親友による国政介入疑惑の発覚によって事態は大きく変わった。朴
大統領の支持率が5%以下にまで低下するなか、「慰安婦合意無効」の声が韓国
内に強まり、11月30日、市民団体が同総領事館に慰安婦像を設置。韓国政府
は世論の反発を恐れて撤去できないまま、年を越した。
 本来、親友の国政介入疑惑と従軍慰安婦合意とは別物である。この疑惑をめぐ
って、韓国の国民の朴大統領への怒りが爆発するのに乗じて慰安婦像が設置され
たとみられる。トランプ氏が大統領選に当選(11月8日、投開票)して20日
後のことだ。オバマ政権からトランプ政権に移ることとも決して無縁ではない。
 オバマ政権は太平洋のリバランス政策をとってきた。軍事的、経済的に台頭す
る中国を念頭に、日本、韓国との同盟関係を一層緊密化しようというものだ。沖
縄の辺野古基地建設はその一環であることはいうまでもない。アーミテージ提案
にそって従軍慰安婦問題で日韓両国が合意することは、アメリカにとって軍事戦
略上重要であるだけでなく、歴史認識問題で共に反日感情をもつ韓国と中国を切
り離す効果も期待できた。

 韓国の野党は、政権をとれば日韓合意を反故にする、としている。それはアー
ミテージ提案を拒否することでもある。トランプ氏はオバマ氏のリバランス政策
に懐疑的な姿勢をみせており、アーミテージ路線を変更することは大いにあり得
る。そうなれば、アーミテージレポートという安倍首相の教科書は使いものにな
らなくなる。

 安倍首相は教科書を後生大事に中国封じ込め政策にまい進し、周辺各国を回っ
ている。だが、その土台が崩れようとしている。トランプ氏の当選にみられるよ
うに、いま、世界は一寸先が闇である。アーミテージレポートを頼りの綱にして
いたのでは、予測もできないような大きなうねりを乗り切ることはできない。
まかり間違えば、世界大戦の悪夢がよみがえりかねない21世紀である。世界の
平和のために日本は何ができるのか。安倍首相には教科書を閉じて、想像力を働
かせてほしい。ないものねだりではあるが。
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◆不条理ショートストーリー21:白石阿光 
「立て ウジ虫ども、覚めよ 乳酸菌、暴虐の鎖を打ち砕け!」
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 「かかって来い! このウジ虫ども」
 山田風之助は、刀を晴眼に構えて言い放った。言い終えるのとほぼ同時だった
ろう。霧のようにある思いが風之助を取り巻き、その瞬間、風之助は「ウジ虫さ
ん、ごめんなさい」と心の中で呟いた。
 ウジ虫さんは悪者ではない。ある意味、生態系の中で汚物を処理し、浄化して
いる功労者だ。風之助は、ボットン便所の中で押し合いへし合いしながらひしめ
くウジ虫さんたちの姿を思い出していた。

 すると、やや痩せてはいるものの目付きの鋭い中年男が賊の間をかき分けて風
之助の前にすっくと立った。
「たわけ者。ウジ虫さんをなんと心得る。ウジ虫どもとは、必死に生きているウ
ジ虫さんたちに失礼ではないか」
(ウム、できる!  こやつは何者だ)
 風之助はひるんだ。
(もしかして、こいつもお玉が池の千葉道場? 同門か。周作先生の口ぶりにそ
っくりだ)

「何を言う。確かにウジ虫さんたちには失礼をした。心より訂正してお詫び申し
上げる。だが、お前たち虫けらどもを許すわけにはいかん」
「なんと! 虫けらとな。お前はおけらさまに向かって何ということを言うんだ」
 風之助は(しまった!)と心の中で叫んだ。
 おけらさまは、身を落ち葉の中に隠して世の中を掃除してくれる女神さまのよ
うな存在だ。落ち込んで夜眠れないときも、「義、義、義」と鳴いて、正義はお
前にあると慰めてくれるありがたい存在なのだ。
(まいった!)
 風之助は心の中で叫んだ。

「そちの名は?」
 男は答えなかった。
「そなたの名は?」
 それでも男は答えなかった。
「君の名は?」
「麿は、慶良間山の蒲生氏郷ぞえ」
「ハハーッ」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
<もったいない話1>
あーやは5歳の女の子です。
おばあちゃんにピカピカの革靴を買ってもらいました。
あまりにきれいで、履くのがもったいないので
毎日ピカピカに磨いていました。
1年が経ちました。
あーやは一回もその革靴を履くことはありませんでした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆◇◇◇◇☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆◇◇◇◇☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 私はO756です。
私は乳酸菌です。
S教授の研究では、免疫力を高め、血糖値を抑える効果があるとされています。
しかし、それは蚕やネズミで実験されたデータで、人間でもそうだという証明に
までいたっていません。
また、なぜそうなのか、のメカニズムもまだわかってません。
乳酸菌そのものの働きなのか、乳酸菌が生成した有用成分の働きなのか。
もし、乳酸菌そのものの働きであれば生きた状態で体に取り込まなければならな
いし、生成物の働きなら乳酸菌は生きていなくてもいいので、いくら可熱加工し
てもいいわけです。それは、生成物が熱に強い場合の仮の話ですが。

しかし、私が広く使われていないのはそれが一番大きい理由ではありません。
食品としてなら「体によさそう」「動物データでは効果あり」だけでヒットして
いる乳酸菌はいくらでもあります。名前もわからぬたくさんの乳酸菌をひっくる
めて「乳酸菌が数十種類入った」という宣伝だけの食品も出回っているのです。
私にとってもっとも大きく高い壁は、風評被害です。
みなさんはご存じでしょうか。O157という有名な菌を。
しょっちゅう食中毒をおこす悪い奴です。
私はあいつと混同され、悪い菌の仲間にされてしまうんです。
いくら説明しても「O157もどき」とか「O157のお兄さん」と冷やかされてしまい
ます。
と言っても、私たち菌界では悪い奴もいい奴もいません。みんな平等です。
O157は、牛の大腸菌の一種ですが、牛の体内ではおとなしいものです。ある種の
O157がベロ毒素を作り、人間界で食中毒を引き起こすのです。
私O756は、元はと言えば、ある動物の体表についている乳酸菌です。

私が人間に見つかったときには、まだO157は人間界に登録されていませんでした。
その後、食中毒の原因の一つがO157だとわかって一躍有名になりました。不幸な
ことに、私も悪者の仲間に間違われることになりました。

私はO756という名前をつけたS教授を恨みます。
それは、1977年9月3日のことでした。
日本プロ野球界のスター、王貞治選手がアメリカ・メジャーリーグ、ハンク・ア
ーロン選手の持つ世界本塁打記録755本を抜いて756本目を放った日です。
S教授はその日に発見した私に、何の躊躇もなくO756という名前をつけました。
いい加減と言えばいい加減です。しかし、学術の世界ではよくあることだと私を
同定した大学院生が言っていました。
O157の方の名前にはちゃんとした学術的な根拠があるそうです。よくわかりませ
んが、遺伝子配列でO抗原が157番目の位置にある菌だそうです。
私が軽んじられるのはネーミングのいい加減さにもあるのかもしれません。

しかし、私はまだ望みを捨てていません。
あるホテルの社長さんがS教授の友だちで、いま一生懸命、私を使った健康食品
の開発を続けています。成功すれば、免疫力を高め、血糖値を抑える夢の食品と
して、私は脚光を浴びるでしょう。

そうなれば、王選手がテレビコマーシャルに出てくれるはずです。
そして言うでしょう。
「O756は、乳酸菌のホームラン王です!」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
<もったいない話2>
あーやは6歳の女の子です。
おかあさんにお花の飾りの靴を買ってもらいました。
あまりにきれいで、履くのがもったいないので、
毎日眺めていました。
あるとき蜂が飛んできてお花にとまりました。
あーやは思わず足で踏んづけようとしました。
蜂はあーやの足を刺しました。
あーやは腫れがひいてもお花の靴を履きませんでした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 S教授はシャーレの前で目を見開いたまま、固まっていた。いま目の前に現れた
現象をどう解釈したらいいだろうか。
 2つのシャーレの中にはいずれも10匹ずつのウジ虫が入っていた。右のシャー
レには、O756が入った餌で育ったウジ虫集団、左のシャーレには、O756を除けば
同じ成分の餌を食べた集団を入れてある。両方とも昨日、ある毒を振りかけてお
いた。そしていま、S教授の目の前で、右の集団はごそごそ蠢き、左の集団は全く
動かない。右のシャーレのウジ虫たちは心なしか丸々しているように見えた。

 はるか昔、この国にはどこの家庭の便所にもこのようなウジ虫がいた。便所は
ボットン便所と呼ばれ、雨水が流れ込む家庭では、排便するたびに跳ねた水がお
尻にかかるので、腰を浮かし浮かし、用を足す子供もいた。そこには必ずウジャ
ウジャというか、モゴモゴというか、大都会のラッシュアワーの人混みにも似た
光景があったのである。

 農婦は肥えたごに便所からそれらを汲み、天秤棒にさして畑に運び、人糞とし
てカンランヤ馬鈴薯に与えた。重労働のあまり腰を痛める人も多く、ノーキョー
は農婦体操を普及させてその軽減策に力を入れたものである。その成果があった
かどうかは記録にも残されていない。

 S教授の故郷は、山深い村、村というよりほとんど隠頓地と言った方が当たって
いる山の中にあった。そこには電気もガスも水道もなかった。灯油でランプを灯
し、薪で飯を炊き、炭火で鮎を焼き、川で洗濯をした。便所はボットン便所だっ
た。

 今では絶滅危惧種のウジ虫をS教授は研究室の中で飼っていた。ウジ虫の生命力
に注目し、その代謝システムや環境浄化作用を利用しようとしたのだ。その成果
は目覚ましいものがあった。にも拘わらず、世に普及しなかった。ウジ虫はずっ
と嫌われ者のままだったからである。
 そこでS教授は、ウジ虫に黒子の役割を与えることにした。生命力が強いウジ虫
を薬の実験台として使ったのである。
 いま目の前の2つのシャーレにいるウジ虫はO756の摂取以外には何の差もなか
った。遺伝子も同じ、環境も全く同じ、そしてどちらにも同じ毒が注入されてい
た。なのに、左側のウジ虫は死に、右側のウジ虫は生きている。
すなわち、O756はこの毒に強いということだ。毒の名はO156。O756はO156に勝利
したのである。もちろん人間でにも同じ効果が期待できる。O756は完全に名誉回
復することができた。
 比較検証したウジ虫の違いについて、言い忘れたことを一つだけ付記する。実
は、念のため、両方のウジ虫とも体表を無菌に近い状態にした。それは元々つい
ているO756を除去し、餌から摂ったO756だけの作用をみるために行ったものであ
る。

 S教授は、この乳酸菌の名前を変えることにした。わかりやすい名前にしよう、
と考えたときアイデアが浮かんだ。“Toyosun756”。2020年にオリンピックを開
催した都市で、市場移転でもめたことがあったが、そのときの移転先の地名から
取ったものだ。建物ができ、さあ開場という寸前に次々に毒物が出て大騒ぎにな
り、一時は悪いイメージがつきまとったが、一気に毒物を無毒化する新技術が現
れ、解決した。今では、大都市の台所として人気スポットになっており、観光客
で賑わっている
。O756とイメージが重なったのも無理はなかった。

 人々を食中毒から救ったToyosun756は、「お口の恋人、トヨスン」と称えられた。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆@☆☆☆☆◇☆☆☆☆☆☆☆@☆☆☆☆◇◇◇◇☆☆☆☆☆☆
<もったいない話3>
あーやは7歳の女の子です。
おとうさんが雪道は危ないと長靴を買ってきました。
あまりに大きくてあーやにはぶかぶかでした。
それでもあーやはおもしろくて履いて外に出ました。
雪に足を取られて倒れてしまいました。
足はすぽーんと抜け、あーやは吹っ飛んでしまいました。
おとうさんは「大は小を兼ねる」と言いましたが
あーやは二度と長靴を履きませんでした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆@☆☆☆☆◇☆☆☆☆☆☆☆@☆☆☆☆◇◇◇◇☆☆☆☆

 ばあちゃんはよく働いた。働いて働いて働きずめ。働いていない姿を誰も見た
ことがないくらいだった。
 段々畑で昔ながらの野菜を作り、時々リヤカーを引いて山を降り、村人に野菜
や山菜、ヤマメを売ったもんだ。ばあちゃんのニンジンはうまかった。甘くて、
シャキッとして、かじると幸せになった。村の人々はみんな笑顔になった。ばあ
ちゃんは幸せを運ぶキューピットだったんだね。
 ばあちゃんのニンジンの中でも不思議なニンジンがあった。それは細くて、短
くて、曲がっていて、小さかった。あまりに貧弱なニンジンなのに、葉だけは青
々とし、大きくて、長くて、ふさふさとしていたんだ。
 あるとき、村の若者が遊び半分でこの貧弱ニンジンを都会のフランス料理店に
送ったんだそうだ。フランス帰りのシェフが一口かじってみてぶっ飛んだ。脳全
体が一瞬軽く収縮し、頂点から発振されたf波がゆったりと脳の表面を覆っていっ
た。眠くなるようなまどろみの中で、はっきりとした映像が目に見えている。脳
が感じていたのはなんとも言えない日常の平安だった。それは完全な平和という
ものかもしれないね。

 実は、世の中に出回っている野菜はすべてF1ハイブリッド種という種子から育
てられたものなんだ。人間に都合のよい優性遺伝子を持った親同士をかけあわせ
ると人間に都合のよい性質だけ持った野菜ができる。大量にできるもの、虫や病
気に強いもの、大きさが揃っているもの、腐らないもの、色がきれいなもの、ま
っすぐしているもの、早くできるもの、収穫しやすいものーー手間がかからず、
収入が多く、見栄えがよい野菜ばっかりになってしまった。
 ところが、F1ハイブリッド種をかけあわせて種子をとると、劣性遺伝子も現れ
るので人間にとって好ましくない野菜ができてしまう。だから、絶えず同じ親を
交配させる必要があるので農家は毎年、種子屋からF1ハイブリッド種を買わなけ
ればならなくなったんだ。いまや農家は自由を奪われ、国際的な巨大企業ジーン
マフィアに支配されているんだよ。

 ばあちゃんは違う。ばあちゃんは固定種とも言われる在来種の種子を毎年採っ
て育てている。だが、じいちゃんが死に、子供が都会に住み、一人で暮らすよう
になってから、耕す畑もだんだん狭くなり、売る野菜も少なくなった。だが、皮
肉なことに少なくなるほど野菜の人気は上がったんじゃ。放置した畑に育つニン
ジンは貧相になったけどうまさは増した。特に、野原のようになった畑のニンジ
ンを探すのは大変だが、うまさは世界一じゃろ。人々はばあちゃんのそれを“放
置農法”“原野農法”と呼んだ。

 何年かしてばあちゃんが死ぬとなにも残らんじゃろうなあ。じゃが、それでい
いんじゃ。
 銀座で涙を流しながら原野ニンジンを食べる感動にどれだけの価値があるとい
うのだ。ばあちゃんは自分が作ったニンジンしか食べちょらん。うまいともまず
いとも聞いたことがない。それが普通のことで、当たり前のことだったんだ。生
きることに感謝し、食べることに感謝し、働きずくめの人生に感謝している。そ
れが真の平和というもんじゃろうよ。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 ばあちゃんが死んで畑はすべて原野となった。ニンジンはがんばって生きたが、
誰も収穫に訪れる者はいなかった。
 ばあちゃんの家の敷地の隅に小さくたたずんでいたぼっとん便所は朽ち果て、
倒木や土砂に埋まった。無数にいたウジ虫もいない。
 S教授が引退したいま、この世にウジ虫は存在しない。ウジ虫は完全に絶滅した。

 もう、ウジ虫が人類を救うことはない。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 今でも、村には意味不明の歌が残されているんです。あーやだって歌えるよ。

「F1でもニンジン、F15でも戦闘機、メスの鳥でもオスプレイ、ばあちゃんチャン
バラバラ散らし、ぼっとんボトボト泣くものか、かもうてくだされ、ウジの里……」

あーやの子どもも歌っています。

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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆《News Digest》:609studio編集部
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◇◇ニュースな一口メモ 【ラストベルト】
⇒ラストベルト(英:Rust Belt)とはアメリカ合衆国の中西部地域と大西洋岸中
部地域の一部に渡る脱工業化が進んでいる領域を表現する呼称である。ラスト
(rust)は金属のさびのことで、使われなくなった工場や機械を表現している
。この領域はボスウォッシュ回廊(ボストンからワシントンを繋ぐ一帯)の西に
始まり、そこから西方にウィスコンシン州東部までと定義できる。この領域の南
はアパラチア山脈の炭田地帯であり、北は五大湖で、カナダのオンタリオ州の工
業地帯を含んでいる。本来の意味は「錆びた工業地帯」をいう。

 アメリカの新大統領は共和党。民主党の本拠を攻めて当選した。本来ラストベ
ルトと呼ばれる地域は民主党支持者が多いと言われていたが、トランプ大統領は
そこを攻めて勝利した。
                             
◇◇News Digest◇◇

◇日本のニュース・世界の話題

コラム:トランプ時代の闇、行方を担うCIA新長官
https://goo.gl/QW7FyW

天下りあっせん「人助けのつもりだった」
http://digital.asahi.com/articles/ASK1P5W3ZK1PUTIL01R.html?ref=nmail

給料も増えないのに「消費しろ」と言われても... 
プレミアムフライデーへ厳しい視線
http://www.j-cast.com/2017/01/21288246.html

韓国文化相と朴氏側近逮捕 ブラックリストで閣僚初
https://this.kiji.is/195266417992810502

米大統領就任式:トランプ新大統領「イスラム過激派を地上から根絶」 就任演
説全文 - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20170121/mog/00m/030/001000c

大統領選で浮き彫り「二つのアメリカ」~日本人地元紙記者が見た分断の姿~
http://www.jiji.com/sp/v4?id=201612usele-cal0001

アパホテルに続いて今度はDHC会長が「似非日本人は母国に帰れ」の在日ヘイト
発言! ネトウヨ経営者こそ日本の恥だ
http://lite-ra.com/i/2017/01/post-2865.html

米国はTPPを離脱、NAFTAも離脱の可能性、米新政権が明らかに
https://jp.sputniknews.com/politics/201701213259604/

ホテル対応に疑問=南京事件否定の書籍-高橋北海道知事
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012000684&g=pol

ガンビア大統領、任期切れも退任拒否 新大統領は隣国で宣誓
http://www.bbc.com/japanese/38686861

北極圏の海底から謎の音、動物も消えた? カナダ軍が調査へ
http://www.afpbb.com/articles/-/3114817

米共和党のトランプ氏(70)が第45代大統領に就任。公職経験ない初の大統
領
http://www.asahi.com/skh/201701210001.html?ref=flashmail

韓国軍のベトナム戦争虐殺、被害者を慰霊する銅像を建立へ 作ったのは「慰安
婦像」の夫妻
http://m.huffpost.com/jp/entry/9067140?


戦前発見の恐竜化石 日本の協力で複製完成 サハリン
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170120/k10010846021000.html

アパホテルに配慮要請=南京事件否定の書籍-札幌アジア大会
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017011900942&g=spo

アパホテル書籍で言及された「通州事件」の歴史事実
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6773.php

ロシア サハリンでロシア正教伝統のもく浴
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170119/k10010845131000.html

トランプ氏の政策注視、保護主義を過度に悲観せず=黒田日銀総裁
https://goo.gl/6zH9TN

TPPは「終焉」、2国間交渉に注力=トランプ氏顧問
https://goo.gl/dMv6px

暴露が続くアメリカ政治――ロシアが仕掛ける「情報攻撃」
http://www.newsweekjapan.jp/tsuchiya/2017/01/post-19.php


田舎町が起こした奇跡 世界釣り上げた「華川ヤマメ祭り」
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2017011203070
 

◇ロシアからのニュース

ロシア 再びシリアで長距離爆撃機を使用
https://jp.sputniknews.com/middle_east/201701223261766/

岸田外相、ロシアとの領土問題の対話続行を希望
日本政府は領土問題の正常化についてロシアとさらにエネルギッシュな対話を続
けてゆく。岸田外相が声明を表した。
https://jp.sputniknews.com/politics/201701203257032/

トランプ新大統領は我々の「暗鬱な生活」に彩を添えることになるか?
https://jp.sputniknews.com/opinion/201701203258886/

ロシア大統領府、ロシアは常に核軍縮を行なう用意あり
https://jp.sputniknews.com/us/201701203255613/

米国はTPPを離脱、NAFTAも離脱の可能性、米新政権が明らかに
https://jp.sputniknews.com/politics/201701213259604/


昭和の大横綱 大鵬が生まれ育ったサハリンで相撲教室
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170114/k10010839211000.html

米大統領選とロシアのサイバー攻撃
https://jp.rbth.com/politics/2017/01/11/678531

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◆編集長から:片山通夫
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 外信からは、射落としているのかもしれないが、まだ聞こえてこない。
G7などの各国首脳がトランプ新大統領との会談を始めるとかコンタクトを取っ
たとか・・。わが安倍首相を除いては…。 

 節操がないのか、ネットで揶揄されているように「ポチ」なのかはわからない
がTPPからの離脱を宣言し、まだ外交方針もはっきりしない相手に会って、何
をするつもりなんだろうか。まさか尾っぽを振りに行くだけ?

  ・・・と書いていたら、トランプ大統領は、31日にメキシコ大塗料と会談、
そしてイギリスの首相が今月末に訪米 首脳会談をするという。
 あれ?安倍首相は残念なことに「一番乗り」はできなかった…。同時にメキシ
コとイギリスとの首脳会談では、ハードな交渉が待っているわけだ。
 ポチに手を振っている場合じゃないだろう。トランプ大統領も。
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  発行    2017年1月24日 No.795
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