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609studio No.739 ◆ショートストーリー「喫煙に関する反宇宙論的考察」#2:白石阿光


カテゴリー: 2015年12月29日
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【609 Studio】メール・マガジン 2015・12・29 No.739
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上脩身氏
の現代時評、ロシアやサハリンの話題、編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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 本年も余すところ3日となりました。そして本誌も通算739号を数えます。
一年間に50号を発行するとしておよそ15年間に渡ってということとなります。
 ここまで続けられたのも読者の皆様、そして現代時評をはじめ、コラムをお書
きくださった諸氏のおかげです。
 改めてお礼申し上げるとともに、今後ともお引き立ていただきますよう、お願
いいたします。
 来る年が皆様にとって、皆様のご家族にとって良い年でありますよう。
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◆現代時評 《旧ソ連と我が国、マスコミの似てること!》:片山通夫
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 1985年3月、ソ連共産党書記長に就任したゴルバチョフは改革派を登用す
る人事を進め、翌86年2月の第27回ソヴィエト大会で、「ペレストロイカ」
の課題を提示した。

 それはそれまで抱えてきた矛盾や停滞などの問題の存在を認めてこなかった、
もしくはみとめようとして来なかった現状を公式に認め、硬直した社会体制を見
直そうという画期的なものだった。しかしその段階では、「社会主義の否定」に
までは至らなかった。

 翌年1986年4月、人類史上最悪の事故がソ連邦内で起こった。ウクライナ
の首都キエフから100キロメートルのチャルノブイリでの原発事故である。こ
の事故はソ連の政治・社会体制の矛盾を一気に内外に露呈した。しかしソ連共産
党内部では「既得権益に固執する層」が抵抗を試み、ゴルバチョフの提唱するペ
レストロイカに抵抗する勢力は依然として存在したことは言うまでもない。

 ゴルバチョフを中心とする改革派は政治改革に手を付けざるを得ない状況に陥
り、「グラスノスチ」(情報公開)を推進し、選挙での複数候補者制度の導入が
進められた。こうした改革が「ペレストロイカ」と「グラスノスチ」であり、1
991年12月25日のソ連邦崩壊につながったわけである。これはロシアをは
じめとする東側諸国民はじめ世界に提供された驚くべきクリスマスプレゼントだ
った。

 さて今年は戦後70年でもあり、ソ連邦崩壊の引き金となったペレストロイカ
30年の年でもある。ペレストロイカ(ロシア語:перестройка)は、
1980年代後半からソビエト連邦で進められた政治体制の改革運動。ロシア語で「
再構築(改革)」を意味する(“пере”〔ペレ〕は「再び」を意味する接頭
辞、“стройка”〔ストロイカ〕は「構築」「建設」を意味する単語)と
いう意味を持つ。(ウイキペディア)

 それまで硬直した政治体制だったソ連が、この改革と情報公開によって最終的
には国が崩壊するという状況に追い込まれたことは驚くべき現象だった。筆者の
知っているロシア人などは最初はただただ呆然と見ているだけだったと述懐して
いる。かくしてソ連は市場経済のロシアに変貌した。しかしそこにはまだ国民の
政治的な未熟さからか、プーチン現大統領のような「マッチョなヒーロー」を渇
望する国民性があると感じるのは筆者だけなのか。

 ところでペレストロイカとほとんど同時に行われたグラスノスチは、ゴルバチ
ョフの旧主派勢力への挑戦だった。情報公開ということが、実際にどの程度行わ
れたのかは、筆者はつまびらかではないが、抵抗する勢力は徹底抗戦を図ったで
あろうことは、一連の騒動を見ると、想像に難くない。例えば後に大統領となる
ボリス・エリツィンが旧主派のクーデターを失敗に導いたことは周知の事実であ
る。

 さて本論。ここで重要なことが「情報公開」の意義である。旧主派・ソ連共産
党は当時世界最大の新聞プラウダなど政府・共産党系のマスコミはすべてクーデ
ター側についていた。そこで活躍したのが、まだほとんど知られていなかった電
子メールだったという。1990年に、当時ソ連の専門家が開発していた電子メール
システム「RelCom」から、電子ファイルを電話回線を用いてフィンランドに送信す
る際、何らかの原因でUsenetに漏洩していたという経緯があった。そこでまず誰
かがエリツィンの声明をファックスで受け取り、このネットワークを介して西側
諸国に流したという。(この項ウイキペディア)

 国民が事態の推移を知らされていなかった段階で、西側はニュースを受け取っ
ていた。そしてそのニュースは瞬く間にロシア国内に流れた。現在の日本で安倍
政権が我が国のマスコミに対して威圧的な態度で臨み、外国のマスコミなどとの
接触を全く行っていない状況と当時のソ連の旧主派と類似していると思うのは筆
者だけか?

 当時のソ連邦の広報紙となっていたプラウダ、現在、安倍政権の広報紙となり
下がった我が国の大手マスコミとどこが違うのか?
 よくよく考えてみると全く違うようでもある。当時のプラウダは自分の意思が
持てない広報紙だった。しかし我が国の現状は「意思を持てるのに持たない」広
報紙でしかない。

 関連URL あわせてお読みください
。 
 ◆現代時評《言論封殺の意見広告》: 井上脩身
    http://609studio.com/archives/1605
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◆ショートストーリー「喫煙に関する反宇宙論的考察」#2:白石阿光
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 あの世界はなんだったのか。男にはわからなかった。しかし、さっきあの裸の
男の子が走り去るのはしっかりと目に焼き付いていた。あの子はあの世界から追
放されたのだ。
 あの世界は物が動くことによる心や物の摩擦をなくしている。動きを止めるこ
とによって平和を得たのだろう。そして、先祖帰りなどで動くものが現れたら、
反宇宙の意思として排除するのだ。

 あの子は花びらの茎を伝って降り、小さい花びらを蹴散らしながら走り回って
いた。男の記憶にその場面だけが浮かんだ。その小さい花びらからは無数の赤い
微粒子が吹き出し、超スピードで天上に吸い込まれた。天はその子を吸い上げよ
うとして、同じく排除すべき存在、すなわち男を発見したのであろう。
************************************************************************
 「国民総禁煙法は憲法に優先する」――内閣法制局長官がつぶやくように発言
した。
「聞こえないぞ!」――野党議員の声のようだ。
 議長が小さな声で言った――「憲法の効力を停止し、喫煙禁止取締法案他関連
100法案を一括して採択します」
 与党議員が合図とともに起立し、そして議場から逃げ去った。野党議員はあっ
けにとられ、ただ茫然と立っていた。その時には国会議事堂は国防軍に取り囲ま
れていた。

 それから始まった喫煙者狩りはすさまじいものだった。隣近所で煙がたなびく
とどこからともなく禁煙兵が現れた。密告も後をたたなくなり、地域社会の絆は
崩壊した。
 政府内部の政権抗争にも利用された。そのあげく、政治家のほとんどは粛清さ
れ、合法的に軍事政府ができあがった。
************************************************************************
 男は山中深い洞穴にいた。天井から滴る水滴を避けながら奥深く進むと、そこ
にいたのは貧乏神のような老人だった。見ると煙草をおいしそうにぷかぷか吸っ
ていた。その横には「ノンニコタル」と書いた煙草の箱のようなものがあった。
 男は思わず「私にも吸わせてください」と叫んだ。老人はチラッと目ん玉を男
の方に回転させたが、それもほんの一瞬だけだった。
「タバコをください!」「タバコを」「タバコを」「タバコ」「タバコ!」「タ
バコォオ~!!」
 老人の耳元で叫んだ。
「お前は・タバコが・吸いたい・のかね」
 昔のコンピューター合成音のような声で老人は言った。
「どれでも・吸うが・いい」
「ただし・どうなっても・知らない・ぞ」
 男はかまわず煙草の箱を開け、老人の前のランプのほやを上げて火を付けた。
「うまい!」「生きててよかった」「幸せだ~」「サイコー」「うめえ~」
 忙しく吸いながら、吸うたびに歓喜の声を上げる。
「わしの話を・聞いてから・吸えば・いいもの・を」
「その・タバコは・わしが発明・したものじゃ。一箱を・除いてな。昔は・愛煙
家が多くて・税金も多かった。じゃが・健康被害が増え・労働者が減った。医療
費が増え、税金が減った・ということじゃ。そこで政府は、わしに健康にいい煙
草を作れと言った。発明したのがこれじゃ。ニコチンもタールも出ないが、脳を
ある仕組みで刺激すれば煙草を吸ったと脳が勘違いし、満足する。これでうまく
いくはずじゃった」
 いつのまにか老人の声は合成音ではなく、しわがれ声になっていた。
________________________________________

「脳が勘違いさえすれば何で煙草を作ってもいいのだが、煙草栽培農家は困る。
他にも妨害者はいたが、そのうちまがい物が出てきた。同じ仕組みを使って脳を
コントロールしようという者が現れた」
「そして、ついに事故が起きたのじゃ。タバコを吸うと脳が溶けた」
「大統領派は脳をコントロールしようとしたのだが、首相派は煙草を禁止しよう
とした。健康被害なんか関係ない。政争の具に使われたのじゃ」
 言い終わったとき、男は倒れていた。脳が溶融する煙草を吸ったのだ。老人は
紛れ込んだ1箱を男のおかげで選び出すことができた。
________________________________________

 洞窟の前の空を爆撃機が飛んだ。森を押し倒す音がだんだん近くなった。
「さてそろそろだな」
 老人はやおら立ち上がった。その声は覇気のある若者の声だった。

 老人、いやいまや若者は、残りの煙草をかき集めて機械にかけた。一瞬、ある
気配が超高速で飛び交った。それは数千億個のニュートリノであったろう。
 煙草は無数の青い微粒子になり、森の中を進軍してきた兵士たちを抱き込んだ。
空も青く染まり、爆撃機もヘリコプターのエンジン音も消えた。

 兵士は体がだるくなった。乗っていた戦車は瞬時に花びらに変わっていた。兵
士はやがてゆっくり立ち上がり、裸になって笑顔を見せたまま花びらの上で動か
なくなった。
 爆撃機もヘリコプターも地上に落ちたときには花びらに変わり、操縦士も戦車
の兵士と同じ形となった。
 と、それらの変化と同時に空からチューブが伸びてきた。そして、花びらとも
ども兵士を吸い込んで消えた。すべて、あっという間の出来事であった。

 軍隊は消え、静かな森がよみがえった。

☆☆☆☆☆☆☆☆◇◇☆◇◇◇◇☆☆☆☆☆☆☆☆◇◇☆◇◇◇◇◇☆☆☆☆☆

 静けさは、ニュートリノと反ニュートリノが衝突して無のエネルギーを取り戻
したかのようだった。

  (出典明記の上転載自由、改作不可、追記創作・コメント歓迎)

コメント追記創作などは  http://609studio.com/contact-to-us    

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  日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太
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◆「ふろむ京都山麓」抜粋抄 《アウンサンスーチーとミャンマー (2)》
                         :みなみうら・くにひと                         ──────────────────────────────────────
アウンサンスーチー略年譜

1945年 ビルマの首都ラングーンに生まれる。テインセイン大統領も生年が同じ。

 1947年 「ビルマ建国の父」と呼ばれた父アウンサン将軍が暗殺された。

 1960年 母キンチーがインド大使に着任。

 1962年 スーチーはデリー大学で政治学を学ぶ。

 1964年 オックスフォード大学で、哲学・政治学・経済学を専攻。

 1969年 国連本部事務局に勤務。

 1972年 チベット研究者のマイケル・アリスと結婚。アレキサンダーとキムの
息子をもうける。
 その後、ブータン外務省、オックスフォード大の職員をつとめる。

 1985年 京都大学東南アジア研究所で、父アウンサン将軍について翌年まで研究。
京大名誉教授の濱島義博氏は当時のスーチーについて「留学中は、二男キム君と
修学院の京大国際交流会館に滞在していた。彼女は、自転車で川端通を同センタ
ーまで通っていた。あの裾の長い民族衣装のロンジー(スカート)が、車輪にか
らまるんじゃないかとよく心配して見ていたものだった。」

 1988年 母の看病のためにビルマに戻る。反政府民主化運動が激化。40万人集会
でスーチーが演説を行った。濱島義博は「黄金の輝くシュエダゴン・パゴダの特
設ステージの真ん前で、スーチーさんが現れるのを待っていた。/その時の彼女
の演説は、決して激しい口調ではなかった。興奮する大群衆をなだめるような優
しい表現だった。『平和的手段で、すべての民族が仲良く力を合わせて、民主化
を実現させよう』。説得するかのような彼女の姿に、私は非暴力主義を提唱した
ガンジーの姿をダブらせていた」。しかし運動は徹底的に弾圧され、数千人が犠
牲になった。

 1989年 ビルマは国名をミャンマーに変更。スーチーは家族のいるイギリスへの
出国勧奨を拒否。一度出国すると、軍政権は再入国を認めないためだが、以降15
年間にわたって自宅軟禁を受ける。

 1990年 総選挙。スーチーたちの野党が勝利したにもかかわらず、政権軍部は
選挙結果を無効とした。「民主化より国の安全を優先する」という一方的な理屈
である。

 1991年 スーチーはノーベル平和賞受賞。再入国が困難なため出国せず、授賞
式には家族が代理で出席した。

 1999年 夫アリスがイギリスで病死。スーチーはやはりミャンマーから出なか
った。

 2008年 軍政権は憲法を改正。自己に有利に、スーチーはじめ野党には不利な条
文に改変した。

 2010年 NLDが総選挙をボイコット。与党USDPが圧勝。スーチーの自宅軟禁が完
全に解除された。

 2011年 テインセインが大統領に選ばれた。彼は就任演説で「新政権の重要な
課題は、良い統治と汚職のない政府をつくるために働くことである。国民の声
を尊重して、すべての国民が利益を享受できる政府をつくる」。そして実際に彼
はそのように実行してきた。首相には2007年から就任していた。

 2012年 連邦議会補欠選挙でスーチーが立候補し当選。改選議席数は48。内国会
の45議席中、43議席を獲得した。スーチーはNLD党首、中央執行委員会議長に選出
された。ノルウェーのオスロでノーベル平和賞受賞演説。「テインセイン大統領が
国家にあらたな道を開く意向であることを確信している。民主化への道のりはまだ
遠いが、民主主義と人権を重んじる人々による努力が実りはじめる兆しが現れてい
る。」

 2013年 27年ぶりに来日。

 2015年11月8日 NLDが圧勝。

 <2015年12月19日>
「ふろむ京都山麓」 http://blog.goo.ne.jp/0000cdw
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◆「スプートニク」 >>> 引用元    http://jp.sputniknews.com/
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◆情報通信・ラジオ「スプートニク」(HOME)
 http://jp.sputniknews.com/

◆日本関連
 http://jp.sputniknews.com/japan/

◆国際───────────────
 http://jp.sputniknews.com/world/

◆ロシア国内───────────────
 http://jp.sputniknews.com/russia/
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◆一口メモ 【歴史検証】            
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 自民党は22日、明治以降の歴史を検証する「歴史を学び未来を考える本部」の初
会合を党本部で開いた。極東国際軍事裁判(東京裁判)に批判的な稲田朋美政調会長
が設置を主導したが、党内には米国や中韓両国との外交摩擦を懸念する声も強く、会
合では思想的に中立な講師を招くことを確認。海外メディアには公開せず、出席議員
の「個人的な歴史認識の表明」を制止するなど初日からぴりぴりしたムードが漂った。

 語るに落ちた歴史検証。
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◆編集長から: 片山通夫
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 今年もあと3日。押し詰まってきました。新年の準備はもう整いましたか?
筆者は相変らず右往左往…というよりも何もしないのが筆者のスタイルとしゃれ
こんでいますが…。

 本誌の新年号は5日発行です。
 皆様、お年をお迎えください。そして来年もどうぞよろしくお願いいたします。
────────────────────────────────────
  発行     2015年12月29日  No.739
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
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           ◇禁・無断転載◇
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