ビジネス知識源:経営の成功原理と実践原則

110319 2:30ビジネス知識源:被爆放射線量と急性・慢性疾患の障害


カテゴリー: 2011年03月19日
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 ビジネス知識源 プレミアム(週刊:630円/月)Vol.番外補足

  <3月19日:増刊:被曝放射線量と急性・慢性の障害>

2011年3月19日:増刊 東日本地震:有料版無料版共通
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  著者へのメール    yoshida@cool-knowledge.com
  著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治
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本稿は、<被曝した放射線量と急性・慢性の障害>に関する補足情
報としての増刊です。お送りする理由は、3つあります。

(1)当方の論考では、この件に関し、緊急号の全8号に分散して書
いたので、一目での一覧性がなく分かりにくい点がある。

(2)政府や東電が言う、場所別の放射線量(1時間単位)は正確と
しても、待避圏(今30Km)や、その外に住んでいて(あるいは仕事
をしていて)毎日累積するはずの被曝量がどう身体に影響するのか、
全く分かりにくい。

この点の説明は、大手マスコミでも、知る限り、ほとんどありませ
ん。

(3)政府は放射線量(1時間単位)に対する安全基準を、普段の時
と変えて甘くし、「いま**です。この値なら健康には害がない。
胸部X線の一回程度です」という表現にしているからです。

地上波TVの、専門医の発言も、ほぼ同様です。

◎以上の理由から個人で判断し、行動する必要があります。これが
お送りする理由です。今日、資料と、インターネットで調べました。
「・・・という」の表現で書くべきですが、それは略しています。

(注)調べて書いていますが、これからの健康にとり大切なことな
ので、間違っている点や、触れるほうがいい事項があれば数行でも
いいです。メールをいただければ幸甚に存じます。批判もOKです。
科学的なことでは、間違いは修正せねばなりません。
yoshida@cool-knowledge.com

■1.累積被曝線量(線量とも言う)と、がん発生の確率的な関係

最初に、これを示します。

【前提となる知識】
・政府・東電が発表するのは、1時間当たりの放射線量です。
・一方、身体にとって肝心なのは、累積被曝量(線量)です。

(線量の単位)
1シーベルト=1000ミリシーベルト=100万マイクロ・シーベルトで
す。

東電や政府の発表は、1時間そこにいたとき被曝する可能性のある
線量です。

ところが、そこに住んでいるときは、1日が24時間ですから、平均
で、その放射線量/時が続けば、人体の被曝量は24倍に、1ヶ月な
ら720倍になります。(注)すべて可能性:観測点に近い区域でも、
場所、遮蔽物、防護で変わります。雨、雪、地下水、水道水、食物
の中の放射物もある。自分の被曝数値は大きく見たほうが安全です。

20マイクロ・シーベルトの線量の場所に、1ヶ月住んでいると、20
×720倍=14.4ミリシーベルトを被曝します(可能性)。

(注)カタカナは冗長なので、以降では、μSv(マイクロ・シーベ
ルト)、mSv(ミリ・シーベルト)と表記します。μは100万分1を示
すギリシア文字、mは1000分の1、Svが1シーベルトです。

【医学的なX線撮影での、被曝の線量】
・40分かかるPET(断層撮影)が、検査ではもっとも多く被曝しま
す(1回6.9mSv)。
 これを毎日行うことは決してない。15回(累積で約100mSv)も受
ければ、がんになる確率が、ほぼ1%高まるからです。(後述)
・胃腸のX線撮影(0.6mSv)も一回のものです。
・胸部X線撮影(0.05mSv)も一回のものです。
以上のように、医学的な検査での被曝線量は、一回当たりです。

【誤った論理】
「この場所の放射線量は、600μSv/1時間です。これは胃の集団X線
撮影(600μSv/1回)くらいだから安全」とは言えません。

1日で24倍(14.4mSv)、1週間では100mSvの危険値になります。

1ヶ月間、平均で600μSv/時間が続いたところに住めば、720倍に増
えます。被曝線量は432mSvで、白血病やがんになる確率が急に増え
ます。子供は、成長のため細胞分裂が活発ですから、もっと危険で
す。

繰り返しますが、ある地区の線量は、気体性の放射性物質が飛散す
る源からの距離と風向きで、予測できないような不規則な変化をし
ます。

◎政府も、地区ごとの平均放射線量と累積放射線量を発表すべきで
しょう。エクセルで計算すれば、変数で概算ができます。放射線で
重要なのは、測定の小数点の正確さではなく、概数です。

何から出た放射線かによって変化しますが、それは考慮していませ
ん。今大気に含まれる放射物質が何か、政府も東電も公には詳細を
明らかにしていないからです。われわれは、ガンマ線や中性子線の
[量/時間]を知るのみです。なお、動植物による放射性物質の凝
縮作用も長期に残ります。例えば犬の外出。あるいは家畜です。

◎現時点では、1ヶ月そこにいたとき、普段の食物を摂(と)って
安全かどうかが、ひとつの判断基準になるでしょう。

しかし1年、2年と原発からの放射線の異常発生が続くときは、当然、
1年で1ヶ月の12倍、2年で24倍を想定しなければなりません。

まだどうするか、決定する余裕は誰にもない「複合的に壊れた原発
PLANTの最終処理」は、世論も絡み、少なくとも数年はかかる長期
戦になるからです。

◎50mSv以上を受けるのは危ないと思う人は、1年住み続けるときの、
放射線量の平均限界は、50000μSv÷8760時間=5.7μSV/時間です。
2年住むなら、その半分の2.9μSv/時間です。

(注)政府判断は1年に100mSvが安全値ですが、これは甘いという
学者もいます。

以上の、放射線量の累積期間を入れれば、安全な値は、3.11の原発
事故以来、政府が言っているものより低い値になります。

▼2011年3月18日午前の、地区別の放射線量は以下です。単位は、
μSv/1時間です。

福島市11.0;南相馬2.73;いわき1.06;白河2.70;北茨城1.03;日
立0.55;東海0.56;千葉県市川市0.035;東京新宿0.05;さいたま
0.059:川崎0.066;横須賀0.069マイクロ・シーベルト/時

(注)距離、風向き、地形、観測スポットで変わります。
原発の状態と事故の進展で、常に変動しています。
予測できない不規則な変動です。

同じ距離でも、原発からの、最近の風向きで北西方向が高い。
雨や雪が降ると、その水に、上記の値以上が含まれるはずです。
今、気体性の放射物質が多いからです。

◎上記のままの放射線量が1年続けば、そこに1年住む人は、政府が
言う待避地区(30Km圏)の外である福島市も危険ラインと言えます。

1年の累積で96ミリ・シーベルトの被曝線量になる可能性が高いか
らです。(政府規準の安全値は、今、累積で100ミリシーベルト)

1ヶ月で、正常値に戻れば、その限りではありません。1週間なら
OKです。どれくらいの期間ならOKかは、原発の事故の進展状況によ
ります。

常に、放射線量の変動を監視せねばならない地区は、やはり、よく
ないでしょう。

◎政府は今、安全基準を、甘くしています。以上のような被曝期間
との関係を、国民のこれからの健康問題のために、説明すべきと考
えます。

ある人からのご意見のメールで、これに気がつきました。急遽調べ
て、本稿を書いた理由がこれです。

【累積被曝の日常イメージ】
東京とNYを一回往復(24時間くらいの搭乗)すると、上空は地上よ
り放射線量が多いので、0.24~0.36mSvの線量を浴びます。

当方米国は100回くらい往復していますから、被曝量は24~36mSv分
多い。当然、アジアや他の外国、国内の航空に乗っても、ほぼ飛行
時間分増えます。

米国に1000回行くと、240~360mSvに達し、100mSv(慢性病への危
険ラインとされる閾値(しきいち))を超えます。当方も、米国行
きを、累積で300回以内に抑える必要があります。パイロットやキ
ャビン・アテンダントはどうなるか・・・

【日常】
世界の、地上生活での平均線量は、1年で2.4mSv(50年で100mSV)で
す。幸い日本は低く、1年の被曝線量は1.0mSv(50年で50mSV)です。

以上の日常値に、医学的な検査でのX線撮影が加わり、原発事故を
原因として増える放射線量も加わる、と考えていいでしょう。

(注)緊急7号で述べた、プルトニウムの放射線量の害も、他の放
射線量の害もほぼ同じです。ただプルトニウムは、一旦臓器沈着し
たものは、排出されにくいため、身体細胞(DNA)にとっての害が
多い。DNAを傷つけたり、切断させたりします。

それに、半減期が2万4000年とイマジネーションを超えるくらいの
地球時間です。ギリシア時代の、微量な天然プルトニウムも、ほぼ
そのままの放射性の能力で残っているイメージです。そのためプル
トニウムを多く含む核兵器は、人類の環境を壊す「汚い爆弾」と言
われています。

【使用済み核燃料の崩壊熱】
使用済み核燃料(プルトニウムを含む)の崩壊熱が問題になってい
る3号機のMOX燃料(再生燃料)は、4~9%のプルトニウムを含みま
す。

使用済み燃料を再生し、ウランと合成して使うのがMOXですが、こ
の推進をプル・サーマルと言って、政府は推進しています。

同じ重さでの熱量が1.7倍高いMOX燃料が使われるようになったのは、
ウランの節約ではなく、プルニウムを含む使用済み核燃料の、環境
を汚染しない最終処分が難しいからです。

使用済み核燃料は、核物質の消し炭や灰に思えるので、新しいウラ
ン燃料より害が少ないと思っている人もいますが、それは誤りです。

被覆管の中のペレット(燃料片)には、ウラン238から、熱を出す
核反応で生成されたプルトニウム239が含まれています。

使用済み核燃料の過熱が、問題になっているのは、このためです。
加えて、融点(溶ける温度)が639度と低い。沸点は3230度でこれ
以上の温度になると、酸化した重い蒸気(気体)になります。

■2.以上を予備知識として以下を見れば、理解できるでしょう。

▼急性・慢性の疾患と、放射線量の関係

【累積被曝線量】    疾患           
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
[急性疾患]
7000~10000mSv ほぼ即死に近い
4000mSv         短期間で死亡
1000mSv         悪心・嘔吐
500mSV          血中のリンパ球の減少

[慢性疾患]
400mSv          白血病が増える
100mSV          健康被害は少ないとする政府基準

[以下は日常値とされている]
100mSV          がんの確率が1万人で100名(1%)増える
50mSv           がんの確率が1万人で50名(0.5%)増える
25mSv           がんの確率が1万人で25名(0.25%)増える
1mSv(1000μSv) がんの確率が1万人で1名(0.01%)増える
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

放射線被曝によるがんの発生は、体細胞のDNAに傷をつけたり、切
断することが原因です。

遺伝子を含むDNAは、ご存知のように、細胞の再生や卵子、精子を
支配しています。DNAに障害が起こると、がん細胞が発生しやすく
なります。特に細胞分裂が多い成長期の乳幼児や子供では、障害が
大きくなります。胎児も同じです。このため妊婦には、緊急に必要
な時以外は、医師がX線撮影をしません。

放射線の被曝量と、人体へのがんの発生確率の関係は、リニア(線
的:正比例)とされます。

累積100mSv以下は、タバコの害と比べて、どうでしょうか?

ところで、今発表されているのは、ほぼすべて1時間当たりの放射
線量です。

それが50μSv/時と低く見えても、被曝線量では、
・1週間続くと168倍(8.4mSv)、
・1ヶ月で720倍(36μSv)、
・1年で438mSvになる可能性に、留意しておかねばならない。

▼各地の放射線量例と、その累積被曝量の関係

【発表値例】          【累積被曝線量】
  1時間   1週間(168倍) 1ヶ月(720倍) 1年(8760倍)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1μSv以下    あまり問題にならない(新宿は0.05μSv)

1μSv(いわき) 0.17mSv   0.72mSv       8.7mSv
5μSv      0.84mSv     3.6mSv          43.5mSv
20μSv      3.3mSv      14.4mSv          175.2mSv
50μSv      8.4mSv      36.0mSv          438.0mSv
100μSv     16.8mSv     72.0mSv          876.0mSv
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◎「30キロ圏内1か所で、100μSv台の数字が継続しているところ
がある。これは、直ちに人体に影響を与えるものではない」と官房
長官が言っています。確かに、前掲表(急性・慢性の疾患と放射線
量の関係)に照らせば、短時間なら即刻の障害は、生まない。

しかしその放射線量の平均が、100μSv/時間で続き、1ヶ月間、自
宅内で待避し続ければ、被曝量は72mSvになる可能性があります。
1年間なら、危険を通り越して身体の危機です。

平均100μSv/時の1ヶ月分で、慢性がんの発生の確率が約1%上がり
ます。政府発言の適否は、どうでしょうか? 政府はこれを問題な
いとしています。

まさか高齢が多いからいい、としているのではないでしょう。原発
の集結処理は、長期間かかります。今後の不確定な可能性としても
害が想定されるなら、対策の必要があるように考えます。

政府の公式発言は、様々な専門家に相談した上での発表のはずです。
医師の方、以上をどう思われますか? 30Km圏内で、100μSv/時間
が数日も続くなら、待避ではなく避難命令にすべきに思えるのです。

◎緊急号(8)で、政府の発表は信頼できると書きましたが、この
点を本稿で修正します。

【参考:福島第一原発西門の公表値(東電プレスリリース)】
[1時間:ガンマ線]
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
13.7μSv     3月18日 午後0:00の低くなった値(西門)
278.9μSv    3月18日  午前5:30(西門)     
3339μSv    3月18日 消防車での放水後(事務本館北)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(注)上記のように、福島市は、11.0μSv/時間でした。

福島第一原発の敷地内(事務本館北)は、放水後で1時間3.3mSvで
す。放水前もほとんど同じ3.5mSvでした。これは、微妙な計測誤差
の範囲でしょう。ほぼずっと、これが続いていると見ていい。

◎1日で79mSv、5日で395mSv。危険なことが分かります。このため
敷地に立ち入りすれば命がけになる。ごく短時間の作業しかできな
い。原発の建屋内は、作業は無理でしょう。これがずっと続いてい
ます。事務棟は、原発の建屋から比較的に離れています。

以上のデータを、自分が住む地区の、放射線量のμSvの値(1時間
当たり:発表値)に当てはめると、「危険かどうか」ご自分で判断
ができるでしょう。本稿の目的は、これです。ニュースの数値の意
味が、分かって、判断できます。

政府(または厚労省の技官)は以上を、今、説明すべきですが、手
が回らないのか。知っていて説明しないとすれば問題です。政府に
は「言わざるの罪」もある。専門家の義務でしょう。ごまかしてい
るとは思えませんが、国民の健康に係わる問題です。

以上は増刊とします。余計な事かも知れませんが、あと一点。

ニュース原稿を書く方、誤った部分は、専門家に確認して訂正し、
「累積放射線量と疾患の関係」を示してアナやキャスターが読むよ
うにしてください。マスコミの倫理義務でしょう。

事実を知らせても、情緒的ではなく科学的なら、無用なパニックは
誘発しません。医師のインフォームド・コンセントと同じ論理です


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