競馬の文化村「もきち倶楽部」

競馬の文化村「もきち倶楽部」   No.894


カテゴリー: 2008年06月17日
競馬の文化を発信するメール・マガジン       2008 年06月18日発行
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    競馬の文化村「もきち倶楽部」          No. 894

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▼目 次▼

■ 飯田正美の競馬よろず雑記帳  第25回         飯田正美

   あの乾いた「は は はっ」は何だったんだろう


■ 馬の名前に文化を読む 第323回            森本 健  

   英国ダービー:New Approach  牡3歳


■ 佐藤正人著『わたしの競馬研究ノート』 第562回   編:山本一生  

   競馬ノート15:競馬切抜帳(62)

     韓国へ種牡馬を寄贈


■ 編集人ひとりごと

   競馬研究家では通らないのか、というメールを・・・・・・・



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■ 飯田正美の競馬よろず雑記帳  第25回         飯田正美   
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   あの乾いた「は は はっ」は何だったんだろう
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 水曜日は午後6時、木曜日は午後7時が当方の退社時間。中央編集の中では一
番早く会社を出ている。水、木は新聞作り、予想作業で皆が大忙しの日だけに、
事情の分かっている古株以外では、おそらく快く思っていないものもいるだろう。

 しかし、当方は水、木の夜に調教VTR、その週の出走馬のビデオ・チェック
等で、家に帰ってからも3時間は仕事をしている。仕事の手順から木曜日中には
大半の予想を終わらせなければならないため、水曜日の夜は特に大事。この 20 
年間、一度たりと外で飲んで帰ったことなどない。そのスタンスは、予想の仕事
に携わっている限り、今後ともずっと変わらない。

 先週の水曜日、およそ午後6時 30 分ころ、帰宅を急ぐ当方の携帯から着信音
が聞こえる。タイミングよく、高田馬場の乗り換え通路を歩いているときだった。
 誰かなと見ると、発信元は山本一生。さては、よろず雑記帳の中に「競馬の文
化村」らしからぬ文章を発見し削除の通告、てっきりそう思って出てみると違っ
ていた。少し上ずった声で、
「は は はっ、日本エッセイスト・クラブ賞取っちゃった…」
「えっ、山本さん、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞したの?」
「いまモー吉で飲んでいるんだけど、来れない?」
「分かりました。すぐ行きます」

 本当にタイミングがよかった。高田馬場の乗り換え改札口から西武線に乗らず、
改札を出てすぐ東西線に向かう。飯田橋の「モー吉」まではおよそ 15 分の道の
り。水曜日の夜は仕事がいっぱいで直帰の日です、なんて野暮な返事などできっ
こない。
 それにしても、電話の出だしのあの乾いた「は は はっ」は何だったんだろ
うと、道々思う。テレ笑いだったのか、それともテレ隠し笑いだったのか…。
「ボク、株で一千万損しちゃった」なんて言葉が後ろに続いたほうがふさわしい
ような、ちょっと自嘲めいた笑い声だった。

 モー吉に着くと、編集者のK氏 ( 日本経済新聞出版社取締役 ) と二人で、つ
つましく飲んでいる。聞けば、4時ぐらいから飲んでいるという。準備中の札を
無視し、ドアをこじ開けるようにして強引にモー吉に入り込んだと思われる。
「伊与田さん、ヨーロッパから帰ってきたばかりらしいけどもうすぐ来るから。
間村も早稲田の講義が終わったら駆けつけるって言ってた。最近、早稲田で装幀
の講義をしているらしいよ」

 山本一生の本の装幀は、これまでもすべて間村俊一が担当。もちろん、今回受
賞した「恋と伯爵と大正デモクラシー」も間村の作品。つい先日も「鶴の鬱」と
いう俳句集を出した才人だが、早稲田の講師になっているとは知らなかった。
 今回はスコットランドのウイスキー工場の取材だったらしいが、世界を飛び回
っている新潮社の伊与田といい、山本一生といい、友人がどんどん偉く遠くなっ
ていく。グリーンチャンネルの調教VTRにはとても間に合わないが、今週の予
想のためのビデオ・チェックは怠れない。一人早く失礼したが、その帰路の神楽
坂下から東西線乗り場までの地下道の長さがジンと身にしみた。

 その週の土曜日は「もきち倶楽部」のドラフト会議。そして翌々日の月曜日は、
「馬と文化の会」の会合。6日間の間に三度、山本一生とご一緒。この一週間は、
女房の顔を見る時間より、おそらく山本一生の顔を見ている時間のほうが長かっ
た。 

 第4回「馬と文化の会」は、ゲストに石川喬司さんを迎えて行なわれた。
 出席者は、馬事文化賞受賞者で選考委員でもある本村凌ニ先生、馬事文化賞受
賞の吉沢譲治氏、大井の田中康弘調教師 ( 東京都トレーナー倶楽部会長 ) 、山
本一生氏、小野寺直美さん、「しげさんの馬三昧」のS氏、NHK報道局部長の
Y氏など 11 名。 石川喬司さん持参の秘蔵ビデオを観賞しながら、小一時間雑
談し、その後場を移して歓談。

 イナリトウザイ、ゴールデンリボー、バトルメント ( 地方三冠すべて2着、
田中調教師の管理馬 ) 、ゴールデンイーグルの話題から、シンボリルドルフ、
ディープインパクトの話題まで、最初は和気藹々と、そして途中からは熱気むん
むん。
 ディープインパクトはなぜ3歳秋のジャパンCを回避したのかという話題にな
り、にわかに山本一生の眼鏡の奥の目が妖しく光りだす。口をとんがらせて自説
を主張する山本一生に、なだめるように諭すように石川先生。しかし、完全にハ
ミがかかった山本一生の饒舌は止まらない。固く握り締められた石川先生の拳固
が、山本一生の脳天めがけてアワヤ打ち下ろされんとしたその瞬間、会はめでた
くお開きとなった。

 石川さん持参のビデオは、「三人いっしょ」( ちょっとタイトルが違ったかも
しれない ) というテレビ東京の 30 分番組。寺山修司が呼びかけ人となり、石
川喬司、虫明亜呂無、高橋三千綱の馬仲間と馬、競馬、馬券を語り合うというト
ーク番組。ミスターシービーが三冠を取る前の年で、寺山修司はこの番組を収録
した翌年に亡くなったという。みんな若く、話も面白い。競馬好きにはたまらな
い、お宝ビデオだ。

 エプソムCが終われば、競馬は福島、函館へ。当方は、金曜夜から日曜日夜ま
での出張が3ヶ月続く。飲み仲間ともしばしのお別れ。
 その日は例によって石川ワタルさんたちと一次会で飲み、後はN山氏の提案で 
10 時まではマージャン、その後はカラオケのフルコース。飲んで、打って、歌
って、府中最後の夜を満喫した。

 暗い話題ばかり続いていたこのコラムだが、久々に山本一生さんの日本エッセ
イスト・クラブ賞受賞という明るい話題を提供できてよかった。次回あたり、今
度は当方自身のことで明るい話題を提供したいものだが…。



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■ 馬の名前に文化を読む 第323回            森本 健  
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   英国ダービー:New Approach  牡3歳
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  229 回目を迎えた英国のダービー・ステークス(G1 芝 12f4y)は、6 月 7 
日にエプソム競馬場で行われ、昨年のカルティエ賞で最優秀 2 歳牡馬を獲得し
た New Approach が優勝した。


  New Approach (牡 2 歳 父 Galileo 母 Park Express)

 さて、少々困っている。この馬すでに昨年カルティエ賞のところでかなり詳し
くご紹介した。詳しく書きすぎて、今回書くことが残っていない。強いて言うな
ら英 2000 ギニーから愛 2000 ギニーを経てダービー挑戦が名前にふさわしく 
New Approach だったということか。

 しかし、英国ダービーの歴史を見れば、様々な路線から挑戦した例は幾らでも
あり、最近では英ダービーから愛ダービーを使うケースは枚挙に暇がなく、2000 
ギニーからダービーが基本路線だとすれば、その間に愛 2000 ギニーを挟むこと
は、例が少ないだけでそれほど特殊なことではない。
 それに比べればカジノドライヴのベルモント挑戦の方が余程刺激的だし、路線
がかっちりしてほとんど例外が起きなくなっている日本ですら、今年は NHK マ
イルからダービー連覇が実現した。

 まあとにかく、最近過去の引用が多くなっているのだけれど、今回もそうせざ
るを得ないので、長くなるが以下に再掲しておく。


『  New Approach とは「新たな取り組み方」位の訳が良かろう。
 この場合 Approach は「接近」というよりも、「ある地点に近づくための筋道、
方法、入り口」のような意味で、物理的な意味での「別の道、新道」で使われる
こともしばしばある。
 この馬の場合、「新たな取り組み方」だと父親の影響、物理的な意味だとする
と母親の影響が考えられる。命名者は両方に意味を意識しながらこの名を考えた
のかもしれない。
 父親 Galileo は 2001 年の英国ダービー馬で、その時にご紹介している。ガ
リレオが「新たな取り組み方」をしたことについては、今更説明は不要であろう。
以下に当時の記事を再録しておく。

  Galileo はイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)のことである。
なぜガリレオの名前がこの馬に付けられたのかは良く分からないが、ガリレオが
近代科学に大きな貢献をし、特に天動説を覆す地動説を支持したことから、21 
世紀に入って新しい時代がこの馬から生まれることを願ってのものではないかと
推測される。ちなみに、ダンテやミケランジェロなどこの頃のイタリアの著名人
は名字ではなくて名前の方で呼ばれることが多い。現代で言えば「イチロー」か。
Galileo の名前は両親とは関係が無さそうだが、簡単に見ておく。
 父 Sadler's Wells はロンドンの有名な劇場で、これはその父 Northern 
Dancer との関係で付けられた名前である。この劇場は 1680 年代にディック・
サドラー Dick(Richard) Sadler 氏が開いたミュージックハウス Music k 
House(スペルミスではない)が前身で、そこから鉱泉が湧いてこれが評判を集
めたことから「サドラーの井戸」と名前が変わったものだそうだ。
  Galileo の母親は Urban Sea で「都会の海」、音楽や本の題など色々調べて
みたがどうも特定の何かではなさそうだ。
  Urban Sea の父親 Miswaki はスワヒリ語で「歯磨き」のことだそうで、これ
は長いこと分からなかったのだがさる方よりご教示頂いた。Miswaki というのは
複数形で Mswaki が単数形、それでなかなか検索で引っ掛からなかったのだろう』


 母親 Park Express と聞いて、「おや?」と思われた方は、相当に血統に詳し
い方であろうか。この馬は高松宮記念を勝ったシンコウフォレストの弟である。
 で、和訳を書こうとして一瞬手が止まった。「公園急行」では何のことやら良
く分らない。検索すると、色々なものが出てくるが大別すると 3 種類の使われ
方をしている。
 一つは文字通りの「公園急行」、つまり有名な公園へ向かうバスの路線や急行
の名前で、成田エクスプレスと同じ感覚。
 二つ目は「迅速駐車」の意味で、空港や街中で会員になっていると優先的に駐
車できるシステム、あるいは駐車場そのものの名前。
 三番目は Park は公園通りなどのイメージから高級なイメージを拝借し、「
(サービスの良い、グレードの高い)輸送業者の名前」、もしかすると、ウェブ
サイトでは分らなかったが、社長が韓国人で朴(Park)さんかもしれない。
 このいずれの場合でも、利用者に今までとは違う「別の方法、新たな道」を提
供するという共通点がある。

  Park Express の父親は Ahonoora である。
 この馬は今までご紹介し損なっていたかもしれない。私自身は調べが付かなか
ったのだが、さる方がお調べになってアラビア語の「ウォークライ」であるとい
う。血統表を見ると母の父に Martial「戦争の、好戦的な」がいるのでこの辺り
から、名前の連想がされた可能性はあるだろう。
 しかしこの馬の父母はいまいち意味が分らないので、繋がりがあるのだかない
のだか判断がほとんど付かない。

 父親は Lorenzaccio と言い、人の名前のようで、19 世紀フランスのロマン主
義作家アルフレッド・ミュッセが書いた同名の作品がある。主人公の名前らしい
が、読んだことがない上にアメリカでもあまりポピュラーではなく、内容につい
ては皆目分らない。評論の中に「ダンディズム」という表現が使われていたが、
これだけで Ahonnora に繋がっているのかどうか判断するのは無理である。

 母親 Helen Nicholas は明らかに人名であるが、これも何処の誰だかは判断が
出来ない。先述の父 Martial との関連よりは、母親の Quaker Girl「クエイカ
ー(教徒)の娘」からの連想ではないだろうか。
 クエイカー教徒と言えば思い出される「真昼の決闘」で、今は亡きグレース・
ケリーが演じたクエイカー教徒の娘の名前はエミーである。相手のフランクの婚
約者は、奇しくもヘレンという名前だが、クエイカー教徒ではないし苗字はラミ
レスだそうだ。Park Express の母親は Matcher 、当然「マッチする(させる)
人」という意味である。ちなみに父親がその Match である。
  Match には色々な意味がある。「組み合わせ」もその一つで、これだと「友
達や恋人と引き合わせる人」の意味になるし、「試合」という意味だと「マッチ
を組む人」ないしは「試合をする人」の意味にも取れなくはない。Match はまた
「マッチ(燐寸)」でもあるから、それこそ「マッチを擦る人」はダジャレでも
なんでもなく、そのまま当てはまる。
 いずれの場合も、Park Express に結びつくような意味は見出せない。』

 前回も書いているように、この馬はシンコウフォレストの弟である。マル外と
はいえ、その弟が本場英国のクラシック、それもダービーを勝つというのはなん
とも凄い話だ。カジノドライヴのベルモント挑戦(最終的に実現しなかったが)
やディヴァインライト産駒が 1000 ギニーを勝ったことなど、今年は一段と日本
の競馬が世界の競馬のサークルの中で動いていることを実感させたのではないだ
ろうか。

 現役最強馬カーリンは、今週スティーヴンフォスターも圧勝してシガーの持つ
生涯獲得賞金総額歴代 1 位に迫っているが、一部には凱旋門からジャパンカッ
プを目指すという噂もある。これが実現しなかったとしても、そういう話題が出
ること自体、本当に競馬を巡る世界の環境が変わってきたのだと思う。
 この秋も、BC が完全に 2 日制になった上に日本からの移動も比較的やりやす
いカリフォルニア開催と、まだまだ色々と楽しみな動きがありそうだ。大いに期
待したい。


<先週の補足>

 先週のベルモントの勝ち馬 Da' Tara の名前について、訂正というか補足を書
いておく。
 ブラッドホース誌の記事によれば、エドモン・ダンテスが海賊に助けられたと
きに海賊の船長が付けた名前は、Da' Tara ではなくて Zatara だったのだそう
だ。
 調教師のニック・ジトーは、Zatara では馬の名前として何となくピンと来な
いので、「だったら」これでどうかと Da' Tara という名前を推奨したのだとか。
 何故 Zatara ではだめで Da' Tara なら良いのか、私としては今ひとつピンと
来てはいないが、ともかく経緯はそういうことらしい。まあ、お陰で日本人とし
ては特に覚えやすい名前になった事は間違いなく、アメリカ人の間でも覚えやす
い名前のようなので、ネーミングのセンスがあると言えるのだろう。
 ちなみに、以前ご紹介した Cool Coal Man もジトー師の命名である。



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♪♪ 第56回日本エッセイスト・クラブ賞受賞!!

   近衛文麿、志賀直哉から“日本のマザーテレサ”まで、
   吉田絃二郎、柳田国男から松根東洋城まで、
   多彩な登場人物が織り成す、華族社会の桎梏のドラマ!

   有馬記念の“父”が遺した恋の日記。
   行間から現れた意外な事実とは・・・
   東京大学名誉教授・伊藤隆氏推薦の本格歴史物。


  山本一生著『恋と伯爵と大正デモクラシー 有馬頼寧日記 1919』

                四六版上製 368 頁:税込 2,100 円
                       日本経済新聞出版社
 http://www.nikkei-bookdirect.com/bookdirect/item.php?did=16636


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■ 佐藤正人著『わたしの競馬研究ノート』 第562回   編:山本一生  
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   競馬ノート15:競馬切抜帳(62)
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 韓国へ種牡馬を寄贈
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 次に紹介する記事は、報知新聞(90/12/4)にのったものである。

 ダービー馬と、菊花賞馬が日韓友好の橋渡しに一役・・・JRAでは韓国馬事
会の「生産活動に本腰を入れるため、種牡馬を譲ってほしい」との要請を受け、
すでにダービー馬のラッキールーラとカツトップエースを譲渡することを決定し
ているが、このほど、新たに芦毛の菊花賞馬プレストウコウと、ヤマノスキーも
寄贈することになった。この4頭は、検疫が終わり次第、今月中旬にも韓国に向
かう。
 生産から育成まで自立を目ざす韓国馬事会では、競馬先輩国のJRAに種牡馬
の無償譲渡を要請してきた。これを受け、JRAでは先に決定したダービー馬ラ
ッキールーラ、カツトップエースとともに、菊花賞馬プレス下ウコウとヤマノス
キー(58年阪神3歳S2着)を加え、4頭となった。
 プレストウコウは52年の菊花賞をレコード勝ち、芦毛で初めてのクラシック
ホースで、この年の最優秀4歳牡馬に選ばれた。引退後はシンジケートが組まれ、
北海道・静内で種牡馬生活を送ってきた。南関東公営の東京ダービー馬ウインド
ミルなどの産駒を出したが、最近は種付けも減っていた。
 同馬のオーナー・渡辺喜八郎さんはJRAの韓国への譲渡の打診に対し、日韓
親善に役立つのならと11月29日にシンジケー十解散総会を開き、贈ることに
なった。
「日高の種牡馬も競争が激しくなった。向こうでもひと花咲かせてくれれば」
 くしくもラッキールーラと同期生。しのぎを削ったダービー馬と菊花賞馬のラ
イバルが、今度は新天地で子づくりの対決“第2ラウンド”が始まる。


 韓国では以前には、日本から馬を買っていたのだが、日本の馬は値段が高いし、
丈夫でないという理由で、最近では専らオーストラリアやニュージーランドから
馬を買っていた。だから、種牡馬も両国にたのめばよいのだが、距離も遠く、無
料ではくれないだろうから、気前の良い日本にたのんできたのであろう。
 心配になるのは、日本から来た種牡馬も大したことないなどと言われないよう
な成績が、これらの種牡馬であげられるかどうかということだ。

                              (9 ・ 23)


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  日本競馬史に永久に残るだろう『競馬研究ノート』シリーズのどのページ 
  を開いても、未踏の時代を先駆者として生き抜いた温厚な教養人の魅惑的 
  な低音が聞こえてくる。
  ぼくらはそれに育てられた

                             石川喬司

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■ 編集人ひとりごと
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 競馬研究家では通らないのか、というメールをいただきました。
 新聞発表では「近現代史研究家」となっていたからでしょう。

 私がこのところ使っていたのは「競馬史研究家」ですが、<立川健治>の発見
以来、ほとんど意味をなさなくなりました。立川先生こそが本物の「競馬史研究
家」であって、私の書くものなど「競馬史エッセイ」の類でしかないからです。
 それでもまあ、立川先生を「競馬史家」に格上げして、相変わらず「競馬史研
究家」を標榜していたわけですが、「恋と伯爵」出版後はそうはいかなくなりま
した。

 今年の春、雑誌「FACTA」に笹川良一の『続巣鴨日記』の書評を書いたと
きのことです。編集長の阿部重夫氏から次のように訊かれました。
「イッショウ、肩書きは何にする?」
「競馬史研究家」
「ダメ、却下!!」
「競馬研究家」
「ダメ、却下!!、却下!!」
「じゃあ、好きにしてくれ」
 で、数週間後、体調を崩して入院する編集長を新宿の病院に見舞ったとき、
「近代史考証家」にしたいといわれ、掲載される。
 http://facta.co.jp/article/200804011.html

 さらにそれから一ヶ月後、国立国会図書館の行く途中、偶然にも恩師の伊藤隆
先生に出合う。
「先生、どちらへ」
「おう、公文書館に歩いて行こうかと思ってるんだ」
「では、おともします」
「行かなくていいのか?」
「ええ、なくなりませんから、図書館は」

 それから、恩師とともに皇居のほとりを歩くという、まあ私にとっては至福の
時間をすごすのですが、その間に肩書きのことも話題になり、事情を申し上げる。
「考証家というのはどうかな、もう少し人間の情愛に踏み込んでいるだろう、
書いたものは。近代史研究家でいいじゃないか」
「ええでも、、3、4冊出していればいいですけど、まだ1冊ですから」
「いいんだ1冊でも。書いたものは量じゃない、質だ」
 というわけで、はれて恩師から、近代史研究家のお墨付きをいただいたわけで
す。

 ただ近代といっても、第一次世界大戦から第二次世界大戦までの戦間期にしか
興味はないので、「戦間期研究家」と新聞取材には答えたが、聞き手もよくわか
らないようで、「近現代史研究家」でいいですかと訊かれ、了承しました。

 その後、読売新聞の人物データベースの依頼がきたときには、「戦間期研究家、
競馬史研究家」で登録しておきました。
 次回作は『詐欺師たちと石油史』、これを書き終わると、さらに「石油史研究
家」という肩書きを加えるつもりでおります。

                          (ISSHO)


======================================================================== 
♪♪ 童話から専門書までを駆使して、あなたを興奮の坩堝に誘うミステリアス
な競馬ワールド。「競馬学への招待」から三年、いま競馬学は冒険となる!

  山本一生著 『競馬学の冒険』 毎日新聞社 1600 円


    競馬がいる         競馬の消えた日
    二着の不在、物語の空白   をみなごたちの春
    マッチレースへの憧れ    エッチンゲンのめまい
    競馬場のカストラート    ワンダーランドの昨日、今日、明日
    ケンタッキーの呼び声    天国に最も近い競馬場


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  競馬の文化村「もきち倶楽部」              No. 894 
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  BACK NUMBER http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000042700
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【発行者】     安部俊彦 
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【編集人】     山本一生 
-----------------------------------------------------------------------
【WEB】     http://www.bunkamura.ne.jp/mokichi-club
------------------------------------------------------------------------
【MAIL】     mokichiclub@bunkamura.ne.jp
------------------------------------------------------------------------
【制 作】     (有)ケーズオフィス 
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【WEB】     http://www.kz-office.co.jp
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Copyright(C)2000-2008 もきち倶楽部 許可無く転載することを禁じます。


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