安心!?食べ物情報

安心!?食べ物情報 Food Review 929


カテゴリー: 2017年09月10日
安心!?食べ物情報929号
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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------929号--2017.09.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「原料原産地表示制度」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 O157の食中毒事件はまだまだ広がりを見せています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■焼き肉店でO157食中毒 10人から検出 愛知・岡崎

 愛知県岡崎市は5日、同市伊賀町の焼肉店「焼肉 三八」で食事
をした2~67歳の男女7人が下痢などの症状を訴え、うち6人から
腸管出血性大腸菌O157を検出したと発表した。症状はないが、3
~62歳の他の男女4人からも菌が検出された。

 症状が重い患者はおらず、いずれも快方に向かっているという。
市は食中毒と断定し、再発防止策を講じるまでの間、同店を営業禁
止処分とした。

 市によると、患者はいずれも8月20日に同店を利用。伝票を調べ
たところ、同日は142組が飲食をしており、今後、患者数が増える
可能性もある。岡崎市保健所が店内や従業員からO157が検出され
ないか調べる。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFD05H3O_V00C17A9CN8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■保育園でO157集団感染 園児ら20人 長野

 長野県茅野市内の保育園で、腸管出血性大腸菌のO157、O2
6の集団感染があったと、県が6日発表した。

 県によると、1~6歳の園児19人と職員1人の計20人の感染
が確認され、このうち、園児10人に腹痛や下痢などの症状が出た。
うち4人は入院したが、快方に向かっているという。

 8月2~7日、同園の園児3人が腹痛などで医療機関を受診し、
発覚した。

http://www.asahi.com/articles/ASK974D4BK97UBQU00R.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■東大阪の80代男性、O157に感染し死亡 周辺発症なし

 大阪府東大阪市は30日、同市に住む80代の男性がO157に
感染し、28日夜に死亡したと発表した。男性が外食した店の客や
従業員の発症はなく、立ち寄り先や同居の家族で有症者はいない。
市は食中毒や集団感染の可能性は低いとしている。

 市保健所によると、20日に嘔吐の症状が出た。いったん回復し
たが23日に再び悪化し大阪市内で入院、25日にO157の感染
が判明した。

http://www.sankei.com/west/news/170830/wst1708300070-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後のは食中毒事件とは言い難いですが、死者が出ています。

 前回も書きましたが、「未知の原因物質」による大規模な汚染が
広がっている可能性が高いです。

 もう一つ思うのは、O157の毒性が弱くなったのではないか?
ということです。関係諸氏の努力の結果なのかもしれませんが、以
前と比べると死亡や重体という患者は減っているように思います。

 今のところ,最強の食中毒原因菌には違いありませんが。

 次は久々のサルモネラ食中毒事件です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■飲食店で男女8人サルモネラ菌集団食中毒 静岡

 静岡県は5日、8月29日に同県富士市の飲食店「くいしん坊」
で宴会料理を食べた27人のうち、30~53歳の男女8人が腹痛
や下痢の症状を訴え、食中毒と診断されたと発表した。重症者はお
らず、全員快方に向かっている。

 患者5人からサルモネラ属菌が検出されたことから、県はこの菌
による集団食中毒と断定し、同店の営業を5日から当分の間、禁止
した。

 今年県内で発生した集団食中毒は12件あるが、サルモネラ属菌
を原因とするものは初めて。

http://www.sankei.com/life/news/170906/lif1709060024-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 20年ほど前は最も警戒すべきはサルモネラだったのですが、様
変わりしたものです。

 これも養鶏関係者等の努力の結果ではありますが、毒性が強いタ
イプの菌が衰退しているのでは?という気がします。

 次はヨーロッパの殺虫剤汚染卵の話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■汚染卵、45カ国・地域で流通 EUで使用禁止の殺虫剤使用

 オランダやベルギーの養鶏場で使用禁止の殺虫剤フィプロニルが
使われ、汚染された鶏卵・卵製品が出回った疑いがある問題で、欧
州連合(EU)は5日、世界の計45カ国・地域で流通した恐れが
あると明らかにした。アンドリュウカイティス欧州委員(保健・食
品安全)がエストニアでの記者会見で説明した。日本は含まれてい
ない。

 同委員によると、問題の鶏卵は大半のEU加盟国のほか香港、シ
ンガポール、米国、カナダ、イスラエル、サウジアラビア、南アフ
リカ、トルコなどでも売られていた。

 流通量が特に多いのはオランダ、ベルギー、ドイツ、フランスな
ど。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/130461
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本は生卵をほとんど輸入していないので、汚染卵は入ってきて
いない、と考えてよさそうです。

 最後は東京の豊洲市場の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■小池都知事が豊洲視察=風評払拭に意欲

 東京都の小池百合子知事は9日、築地市場(中央区)の移転先と
なる豊洲市場で行われた地域住民対象の見学会を視察した。小池氏
が豊洲を訪れるのは、昨年8月以来2回目。小池氏は「豊洲の素晴
らしさをしっかりとアピールしたい」と住民にあいさつし、風評被
害の払拭に積極的に取り組む姿勢を示した。

 見学会には約130人が参加し、卸売場や仲卸店舗などを見て回
った。豊洲町会会長の小安勤さんは見学会終了後、「(土壌汚染対
策の)追加工事の後、必ず安全宣言がほしい」と小池氏に要請した
ことを明らかにした。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090900389&g=pol
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「風評被害」は誰のせいかと考えると腹立たしいですね。厚顔無
恥とはこんな人のことです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

今週は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「原料原産地表示制度」
------------------------------------------------------------

 9月から「原料原産地表示制度」がスタートしたのですが、やや
こしいのとまだ猶予期間がたっぷりあることから、無視しようかと
考えていました。

 そんなところに、FOOCOM.NETの森田満樹さんが解説記事を書いて
くれていましたので、紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■2017年9月1日 新たな原料原産地表示制度がスタート 複雑な表
示を見分ける3つのキーワード

 消費者庁は9月1日、食品表示法の食品表示基準を改正し、全ての
加工食品の1番多い原材料について、原料原産地を義務付けること
を決めました。移行期限は2022年3月末まで。漬物など一部の加工
食品に限定されていた原料原産地表示が、約5年かけて拡大してい
きます。

 新制度は複雑でわかりにくく、「国産又は輸入」や「国内製造」
など、これまで見たことのない新しい方法で書かれるので最初は戸
惑うかもしれません。しかし、慣れると産地の情報がわかるように
なり、選ぶ目安となるでしょう。新表示をどのように見わければよ
いのか、まとめてみました。

(略)

●4つの例外表示が導入された

 原料原産地の表示方法は5つで、1)の原則表示の他に、4つの
例外表示が新たに導入されました。

1) 原則の国別重量順表示…(A国、B国)

 使われている原材料の原産地が、カッコ内に表示されます。2か
国以上の場合は使用割合の多い順に「、」でつないで表示されます。
たとえばソーセージで「豚肉(国産、アメリカ産)」とあれば、常
に国産とアメリカ産の両方が使われ、その割合は国産の方が多いこ
とを意味します。なお、3か国以上は、3か国めから「その他」と表
示されることもあります。

2) 製造地表示…(〇〇製造)

 原材料が加工食品の場合、その製造地が(〇〇製造)と表示され
ます。たとえば「そば粉(国内製造)」であれば、そば粉の製造場
所が日本国内であることを意味します。そばの実が国産とは限らず
中国産ということもあり得ます。誤解しないようにしましょう。

3) 又は表示…(A国又はB国)

 原材料の産地が2か国以上で切り替わる場合、過去の使用実績等
をもとに使用割合の多い順に「又は」でつないで表示されます。

 たとえばソーセージで「豚肉(国産又はアメリカ産)」であれば、
国産かアメリカ産のどちらか、または両方が使われる可能性を意味
します。つまり、その商品に国産豚肉が必ず入っているわけではあ
りません。なお、3か国以上は、3か国めから「その他」と表示さ
れることもあります。

4) 大括り表示…(輸入)

 3か国以上の外国産の原材料が使用され、かつ、その産地の重量
順位にが変動するようようなる場合、(輸入)と表示されます。国
産原料もあわせて常に使われる場合は、(輸入、国産)または(国
産、輸入)と表示されます。書き順で輸入が先にくれば、過去の使
用実績等で輸入の使用割合が国産よりも多いことを意味します。

5) 大括り表示+又は表示…(輸入又は国産)

 国産を含む4か国以上の原材料が切り替えて使用される場合は、
「輸入又は国産」などと表示します。書き順で輸入が先にくれば、
過去の使用実績をもとに、「輸入」の方が「国産」よりも多く使わ
れたことを意味します。

●新表示を理解する3つのキーワード

 以上のとおり、新表示は複雑ですが、3つのキーワードを覚えて
おくと便利です。

その1 「製造」の文字が入っているか

 原材料が加工品の場合は、上記の例外表示2)のとおり(○○製造)
で表示されます。パンやめんは「小麦粉(国内製造)」、お菓子は
「砂糖(国内製造)」など、これから最も多く見かけることになる
でしょう。これらは、原料の原産地は国産とは限らないので、誤解
しないようにしましょう。

その2 「輸入」の文字が入っているか

 輸入の文字が入っていたら、3か国以上の外国産原材料が使われ
ていることをします。国産原料にこだわる場合は、チェックしまし
ょう。

その3 「又は」の文字が入っているか

 国名などが「又は」でつながれている場合は、それら産地が使わ
れる可能性を意味します。

 「、」でつながれている場合は、その原材料が必ず混ぜて使われ
ていることを意味します。

「輸入、国産」は必ず国産原料が入っていますが、「輸入又は国産」
はその商品に国産原料が入っているとは限りません。

http://www.foocom.net/secretariat/foodlabeling/16288/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 4つの例外表示と3つのキーワードですか。これはわかりやすい
まとめ方ですね。

 消費者庁では、制度がスタートしてから、「説明会」を開く予定
だそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■新しい加工食品の原料原産地表示制度にかかる消費者庁説明会の
開催について

□加工食品の原料原産地にかかる食品表示基準の一部改正

 平成29年9月1日、加工食品の原料原産地にかかる食品表示基準
の一部を改正する内閣府令が公布・施行されました。

 原料原産地表示は、これまで一部の品目(食品表示基準別表第1
5)にのみ課されていましたが、今後は加工食品全てに表示するよ
う義務対象が拡大されました。

【経過措置期間:平成34年3月31日まで】

 この新たな制度について、消費者庁が全国8か所で説明会を開催
します。

https://goo.gl/vtuo8Hhttp://www.pref.okinawa.jp/)
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これもふざけた話ですが、制度のスタート前には説明しきれない
部分を残しているようです。

 一応、以下のような資料は出ていますが、ツッコミどころはまだ
まだたくさんあるようです。

食品表示基準一部改正のポイント
平成29年9月 消費者庁
https://goo.gl/NAdzQ9http://www.caa.go.jp/)


 以下は毎日新聞の小島記者が書いた「悪法」批判です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■食品に原料原産地の表示を義務づける制度
「悪法」はなぜ生まれた?

■99%の消費者は理解不能「食品表示」の怪

 加工食品の原料表示をめぐって「悪法」と呼ぶべき制度が始まろ
うとしている。その問題は国内にとどまらず、国際問題になるリス
クもある。毎日新聞の小島正美編集委員は「こんなあいまいで分か
りにくい表示制度は過去に見たことがない」という。何が起きてい
るのか。特別寄稿をお届けしよう。

■消費者団体の「要望」も背景にある

 こんなあいまいで分かりにくい表示制度は過去に見たことがない。
国内で製造される全加工食品に原料原産地の表示を義務づける「原
料原産地表示制度」(食品表示基準改正案)のことだ。なぜ、こん
な“悪法”といってもよいくらいの表示制度が生まれてしまうのか。
政治主導もあろうが、消費者団体の「知りたい権利」という安易な
ステレオタイプ思考も背景にあるのではないか。

 加工食品の包材やラベルに原料原産地を表示させる制度は、すで
に緑茶など22加工食品群と4品目で実施されている。これをどこま
で拡大するかの検討が2016年1月、消費者庁の「加工食品の原料原
産地表示制度に関する検討会」で始まった。

 最初の2、3回目まで聞いていて異様に感じたのは、大半の消費者
団体がいとも簡単に「すべての加工食品に義務づけるべきだ」と要
望したことだ。「消費者は原材料の原産地を知りたいと思っている」
「それは消費者の知りたい権利に応えることだ」という論理だ。

 それに呼応して、国内の農業生産者団体と多くの自治体も義務化
に賛同する意見を寄せた。義務化すれば、国産表示が増えて、国産
品が伸び、地場産業の育成につながるという思惑だ。

 ふだんは政治的な問題で利害や考え方が異なる消費者団体と農業
生産者団体が一致してスクラムを組むという異様な光景のように私
には映った。

 これに対し、大半の事業者は「実務的に困難」との理由で反対意
見を述べた。品質のよい製品を同程度の価格でつくり続けるには、
いろいろな産地の原料を組み合わせる必要があるが、その頻繁な変
更に合わせて、包材やラベルをいちいち印刷し直すわけにはいかな
い。現実的に対応は難しいという言い分だ。至極まっとうな意見で
ある。

■知りたいことは何なのか

 私が疑問に感じたのは、そもそも原料原産地の表示はそれほど優
先順位の高いニーズなのかという点だった。表示で重要なことは、
健康や安全性、環境保全、おいしさなどにかかわる内容がその製品
の表示から読み取れるかどうかである。

 たとえば、栄養成分。炭水化物や脂肪、ビタミン、ミネラルなど
大切な栄養素はもちろんのこと、その製品に含まれる栄養素が1日
に必要な栄養素の何パーセントにあたるかの表示があれば、消費者
としては健康維持に役立つはずだ。海外ではこうした栄養成分表示
が当たり前のように実現しているのに、日本ではやっとわずか5つ
の栄養成分表示が実現したに過ぎない。あまりにも世界から遅れて
いる。消費者団体はなぜ、こういう重要な表示の実現にもっと力を
入れないのだろうか。

 いうまでもなく、アレルギーを引き起こすアレルゲン表示は、安
全性にかかわるだけに優先順位は高く、もっと充実させる必要があ
る。

 さらにいえば、その製品の原材料または加工食品がつくられると
きに、たとえば農産物の加工品ならば、どんな農薬が何回散布され
たのか、加工工場の排水はどのように処理されたのか、地球温暖化
ガスをどれだけ発生させたのか、製造工程で労働者の安全対策はど
こまで施されたかなどなど、その製品に関して知りたいことは山ほ
どある。

 そうした知りたいことの中で、原料原産地の表示がどれくらい重
要かという議論をすべきなのに、そういう肝心な議論はない。

■アメリカの「知りたい」運動

 もうずっと以前のことになるが、アメリカの市民団体を取材した
ときを思い出す。その市民団体はいろいろな製品について、「会社
内の女性の重役比率」「軍需産業とのかかわり」「環境保全策」
「社会貢献度」などさまざまなことを調べて、その情報を消費者に
知らせることで、「この製品を買いましょう」といった活動をやっ
ていた。買い物を通じて世の中を変えていこうという運動だ。

 こういう有用な情報こそ、まず消費者が知りたい情報だろう。そ
して、その有用な情報を商品の購買に結びつける活動こそが、本当
の意味での知りたいことに応える活動のはずだ。

 つまり、製品を選ぶときに大切な情報は、原料原産地以外にたく
さんあるということだ。日本の消費者団体はそういう緻密な議論を
せずに、ここぞとばかり「選択」や「知る権利」を持ち出している
ように見える。

■天から降ってきた政治決定

 そういうもやもやした気持ちを抱いていたところ、2016年6月、
いきなり「すべての加工食品に表示義務」が検討会で決まってしま
った。政府の閣議決定を受けての政治的な判断だった。それ以降、
検討会は天から降ってきた決定を覆すことはできなかった。

 その結果、苦肉の策として出てきたのが「A国またはB国またはそ
の他」(「または表示」と呼ぶ)、「輸入、国産」(「大くくり表
示」と呼ぶ)、「国内製造」(製造地表示)などの例外表示だった。

 今度の表示の基本原則は「原材料に占める1位のものについて、
その重量割合の順番に国名を表示する」(国別重量順表示)という
ものだが、現実には原材料の産地は頻繁に変わるため、実行可能性
を確保するためには、検討会としても、例外表示を認めるしかなか
った。

 消費者団体から見れば、全加工食品を対象にすることに賛成した
結果が、この例外表示というお化けだったわけだ。結局、今年3月、
例外表示を認めた食品表示基準改正案がまとまった。

■99%の消費者は理解不能

 この例外表示の分かりにくさは天下一品だろう。

 もし街頭インタビューで消費者に「A国、B国、その他」と「A国
またはB国またはその他」の違いが分かりますか?という質問をし
たら、正しく答えられる人は100人中1人か2人だろう。いやゼロか
もしれない。

 私自身、これだけ取材していて、的確に答えられる自信がないほ
どなので、いくら消費者庁が表示制度の普及・啓発に努めると言っ
ても、一般の消費者が正しく理解するのは不可能に近いと断言でき
る。

 なにしろ、この例外表示は、多くの消費者団体からも、誤認を招
くと言われているほど、あいまいで分かりにくい。分かりにくいか
ら、別の表示方法(インターネットでの情報提供など)を考えまし
ょうというなら理解できるが、そうではなく、その分かりにくさを
法施行後に教育と啓発で理解してもらおうという前代未聞の表示制
度なのだ。

 そんな粗雑で混乱を生む表示制度なのに、「何の表示もない現在
よりは、一歩前進」と述べた消費者代表が検討会にいたのには驚い
た。私から見れば、混乱を生む要素があり、一歩後退だ。

 もっとも、確かに事業者側に多大な労力やコストが発生しなけれ
ば、つまり、事業者が大変な費用をかけずに表示することが可能な
らば、「A国またはB国」でも、まあよしとしよう。しかし、現実に
は中小の事業者が並々ならぬ苦労を強いられて、なお「国内製造ま
たは海外製造」といった程度の表示しか出てこないとしたら、事業
者がそこまで苦労して表示する意義が本当にあるのかと私などは思
ってしまう。

 こんなおかしな例もある。たとえば、中国産の作物をアメリカで
加工して、日本が輸入した場合、その加工食品は「アメリカ製造」
か「国内製造」となる。消費者が知りたいのは原産地の中国のはず
だが、今度の制度はそこまでは要求していないと消費者庁は言う。
ならば、原料原産地表示という呼び名はやめたほうがよいだろう。

 このままだと、たとえば、原材料の重量順位の表示が中身とちょ
っとくい違っているだけでも、法律違反となり、食品の廃棄は増え
てしまうだろう。

 こういう経済全体や将来に及ぼす想像力を消費者団体に期待した
が、検討会では少数派にとどまった。

■消費者委員会で「監視」の問題浮上

 問題はさらに続いた。

 今年3月から、議論の舞台は、消費者庁から諮問を受けた内閣府
の消費者委員会・表示部会(委員18人)に移った。ここでも最初か
ら疑問点がたくさん出され、問題点はより鮮明になった。しかし、
「全加工食品が対象」という政治の壁は崩せなかった。

 とはいえ、そもそも表示が正しいかどうかをチェックする監視活
動ができるのかという新たな問題が浮上した。6月の検討会で数人
の委員が「原産地を証明する根拠書類を中小の事業者が整え、長く
保管するのは困難」などと監視の難しさを訴えたせいか、表示部会
は「監視は難しい」との判断を示した。しかし、ではどうするかと
いう解決策は議論されずに終わった。

 例外表示については、「全加工食品を対象にするのはやめるべき」
という意見も出たが、政府案に賛成する委員も多くいて、事業者側
はやむなしの空気だった。

 最終的には7月28日、消費者委員会・表示部会が答申を出す予定
だが、このまま政府案が通りそうだ。

■今後は国際的な整合性問題が浮上か

 しかし、実はまだ終わってはいない。日本の表示制度が新たな非
関税貿易障壁になるのではという国際整合性の問題があるからだ。
アメリカ、豪州、カナダからは意見が届いているが、その内容は明
らかになっていない。この問題は非常に重要だが、消費者委員会で
はほとんど議論されなかった。私個人の見方では、国産品を誘導す
るような表示や輸入の原材料にも根拠書類の保管などの負担を求め
る動きが出てくると、海外からは非関税障壁だという外圧が出てき
そうな気配を感じている。

 いま振り返れば、諸悪の根源は「国内で製造されるすべての加工
食品への義務づけ」だった。消費者団体が足並みをそろえて「全加
工食品を対象にする限り、分かりにくい例外表示を認めざるを得な
くなる」と全加工食品への義務づけに反対していれば、少しは流れ
が変わったかもしれないと思う。

 ひとつ予言。施行後(2022年4月の見込み)には、表示への問い
合わせ、表示ミス、突発事故などで表示対応ができないことによる
製造のストップ、食品廃棄の増加などの混乱が予想される。それは
全加工食品を対象にした副作用だ。消費者団体はその副作用を甘ん
じて受ける覚悟をもっていてほしい。

http://news.livedoor.com/article/detail/13360782/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 また、こんな批判もあります。

■複雑すぎる"加工食品の原料表示"は必要か
むしろ悪質業者の「偽装」を招く
http://president.jp/articles/-/22580

 「偽装」とともに心配なのは「食品廃棄の増加」です。

 以下は「食品ロス削減」という話なのですが、食品ロスの削減が
大切なのであれば、「原料原産地表示制度」には反対してもらわな
いと困ります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■公明が「食品ロス」削減法案=国、地方に責務

 公明党は、まだ食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」を
減らすための法案の骨子をまとめた。政府と地方公共団体に、食品
ロスの縮減につながる施策の策定と実施の責務を課すことを明記。
事業者と消費者にも積極的な取り組みを求めている。自民党や野党
に協力を呼び掛け、秋の臨時国会に議員立法の提出を目指す。

 食品ロスは、店舗での売れ残りや消費期限切れの在庫、家庭での
食べ残しなどを指す。環境省などの2014年度の推計によると、
食品廃棄物約2775万トンのうち、2割を超える約621万トン
が食品ロスだった。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090600942&g=pol
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「原料原産地表示制度」の猶予期間はあと4年半、その間に少し
は改善してくれればよいのですが、撤廃することが最も望ましいと
思います。

 そもそも、加工食品の原料に「国産」とどうしても書かせたいと
いう動機が不純なのです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 2週続けて、抗ガン剤投与が中止になりました。「抗ガン剤が効
かないのではなく、体が耐えられない」ということのようで、どう
も困った状況になっています。本人は案外元気なのですが、血液検
査の結果が…。

 「原料原産地表示制度」については、本当に無視してやろうか、
と考えていたですが、いろいろと解説記事を書いてくださっている
ので、その尻馬に乗ってみることにしました。森田さん、小島さん、
ありがとうございます。

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不動産業者がゼッタイ言わない最新の業界ウラ事情をリアルタイムで暴露します!!不動産投資で儲けよう!と意気込んでいるあなた。家族を守り夢を叶える手堅い不動産投資ですが数億円の借金を負う100%自己責任の事業。海千山千の業者相手に知識武装は万全ですか?「まかせっぱなし」は命取りです。かく言う私も業者ですが、不動産に携わる者として不幸な投資家さんをゼロにしたい。本気です。業界経験13年のプロとして真実だけをお伝えします。業者と対等な立場で戦ってください。決して損はさせません。村上しゅんすけ
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ダメおやじの全財産をかけた崖っぷちFX通信
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