安心!?食べ物情報

安心!?食べ物情報 Food Review 903


カテゴリー: 2017年02月26日
安心!?食べ物情報903号
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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------903号--2017.02.26------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「生乳改革」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 まず、先週の東京での食中毒事件の続報です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■立川の食中毒、給食が原因 3月末まで提供中止

 東京都立川市の小学校7校で給食を食べた児童らが食中毒の症状
を訴えた問題で、都は25日までに、同市の給食センターが調理した
給食による集団食中毒と断定し、3日間の供給停止処分とした。原
因食材は不明としている。同市はセンターが供給していた13校で3
月末まで給食の提供を停止する。

 市によると、嘔吐(おうと)や腹痛を訴えた児童と教職員は24日
正午時点で計1098人。入院していた児童は計9人だったが、既に全
員が退院した。13校の児童は3月末まで弁当を持参する必要がある。

 都の調査では、これまでに40人の検便からノロウイルスを検出。
給食センターの調理従事者や、保管していた食材サンプルからはノ
ロウイルスが検出されていないが、児童らが同じメニューの給食を
食べていることから判断した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13381780V20C17A2CN0000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 患者数は千人を超えましたが、やはりノロウィルスだったようで
すね。

 この施設が営業停止となるのは仕方ないとしても、そのかわりに
「弁当持参」となるのは何とかならないでしょうかね。どこか余力
のあるところで代替するとかしてほしいものです。

 パンと牛乳を支給するというのでもかまいません。どうも行政の
方に、「本来は弁当の方がよい」というような感覚があるような気
がするのです。

 次は「こんにゃくが肉を固くする」というのが間違いだったとい
う話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「しらたき(糸こんにゃく)がすき焼きの肉を硬くする」は誤解
だった 
 
 一般財団法人日本こんにゃく協会では、「すき焼き」に使用され
ているこんにゃくの「しらたき(糸こんにゃく)」が、肉を硬くす
るという風評を払拭するため、一般財団法人食品環境検査協会に委
託して、「しらたき」の有無による肉の硬さの比較試験を行いまし
た。 

 この結果、別添の試験結果のとおり次のことが確認されました。 
 
1「しらたき」の有無による肉の硬さへの影響はみられない。 

2 肉の硬さへの影響要因は加熱時間と肉の霜降り度合いが大きい。 

3「しらたき」の有無や下処理の違いによるすき焼き鍋(割り下)
のpHの変化はほとんどない。 
 
  「しらたき」は味がしみやすく歯触りが良いことから「すき焼き」
の美味しさを引き立てる具材として使用されています。また、脂肪
が多く高カロリーな「すき焼き」のカロリー摂取過剰を抑える上で
もなくてはならない食材です。 

 「しらたきが肉を硬くする」という風評のため、「しらたき」の
代わりにでんぷん食品である「くずきり」や「はるさめ」を使用し
ているケースが少なからず見られますが、これではカロリー摂取の
抑制にはなりません。 

 今回の試験結果の公表により、美味しさや食感はもちろん栄養バ
ランス的にも理にかなった「しらたき」を使用した本来の「すき焼
き」の美味しさを味わっていただく方が増えることを期待します。 
 
 「しらたきが肉を硬くする」という誤解は、「しらたき」が水酸
化カルシウム等の凝固剤で固められたこんにゃく製品であることか
ら、こんにゃくに含まれるカルシウムのアルカリ性が肉を硬くする
と考えられたためです。 

 しかし、「しらたき」に含まれているカルシウム成分は、「日本
食品標準成分表」でみると 75mg/100gで、同じすき焼きの具材であ
る「焼き豆腐」の150mg/100gの半分程度のわずかな量です。 

 試験結果からもわかるように、すき焼き肉の硬さの要因としては、
加熱時間と肉質が大きく、また、「しらたき」の有無による割り下
のpH の変化はほとんどありません。 

 市販されている「しらたき」は凝固剤溶液と一緒に袋詰めされて
いるものもありますので、水洗いして使用されることをお勧めしま
す。

http://www.konnyaku.or.jp/pdf/2017.2.23.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この話はいかにも尤もらしいので、私も信じていました。マンガ
のネタにもありましたね。

 でも、元はといえばこんにゃくがカルシウム豊富な食品…という
ような宣伝をしてきた業界にも責任があるような気がします。

 こういう情報こそ、テレビなどで流すのにちょうどよいと思うの
ですが…。

 次は物流の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■宅配便、総量抑制へ=人手不足で労使が協議-ヤマト運輸

 宅配便国内最大手のヤマト運輸が、労働組合の要求を受けて、荷
受量を抑制する方向で検討に入ったことが23日、分かった。イン
ターネット通販の普及で総取扱量が急増する中、ドライバーの人手
不足が深刻化し、長時間労働が常態化しているため。同業他社が追
随することも予想され、成長が続いてきたネット通販の在り方にも
影響を与えそうだ。

 宅配便の荷受量の抑制は、2017年春闘でヤマト運輸労働組合
が働き方改革の一環として経営側に提案。労使で今後協議するが、
経営側も基本的に応じる方向とみられる。

 ヤマト運輸の17年3月期の国内取扱量は前期比8.0%増の1
8億7000万個と過去最高になる見通し。荷受量を抑制する場合
の対応策では、大口顧客として割引を適用していたネット通販業者
らに対する料金値上げも検討している。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017022300569&g=eco
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 労使が協議…というような難しい話ではなく、配達量が増えて処
理に困っているのですから、単純に値上げすればよいだけです。

 値上げして、荷物が減り、売上が増えれば、労働者の仕事が楽に
なり、収入を増やすことができます。人手不足なんかすぐに解決す
ると思いますが、いかがなものでしょうか。

 次は毎度おなじみセブンイレブンの不当労働行為です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■セブン店長、欠勤バイトに罰金か オーナーら書類送検

 急に欠勤したら「罰金」を払うという契約をアルバイト店員5人
に結ばせたとして、愛知県警は23日、名古屋市にある大手コンビ
ニエンスストア加盟店の、いずれも30代で中国籍のオーナーと店
長の男女を労働基準法(賠償予定の禁止)違反の疑いで書類送検し
た。捜査関係者への取材でわかった。

 関係者によると、このコンビニは名古屋市北区にある「セブン―
イレブン」の1店。

 捜査関係者によると、2人は昨年9~12月の間に、女子高校生
を含む10~30代のアルバイト店員の男女5人に、正規の雇用契
約とは別に「急に欠勤した場合は1万円の罰金を徴収する」という
内容の書類に署名させ、契約を結ばせた疑いがある。このうち1人
には、遅刻した時に罰金を払わせたという。

 労働基準法は雇う側に対して、欠勤などで労働契約の内容が実行
されなかった場合に違約金や損害賠償を払わせる取り決めをあらか
じめ結んでおくことを禁じている。

http://www.asahi.com/articles/ASK2R0BXZK2QOIPE047.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 タテマエ上はセブンイレブン本部の責任ではないことはわかった
上で、やはりここらで真面目に考え直さないといけないですね。

 解決策は、人事権を店のオーナーから取り上げる、しかないと思
います。

 最後は「築地市場移転」の話題です。あまりに馬鹿らしいし、東
京ローカルの話なので放置していましたが、中西準子先生が記事を
書いているというので、紹介せざるをえません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■豊洲への早期移転が望ましい理由

 厳しすぎる土壌環境基準、環境対策にお金と時間をかけすぎては
いけない

□豊洲市場に水道はあるの?

 小池百合子東京都知事の登場で、豊洲市場予定地の安全問題につ
いて、私の周囲にいる高齢者の女性たちの関心も高まり、昨年の秋
口は集まるとその話題という状況だった。誰もが「もう、安心して
マグロの刺身もダメね」というような心配を口にしていた。筆者は、
あるとき、聞いてみた。どうして、と。「あんな水で洗った刺身な
んか食べられない」。地下水は、市場では使わないと説明すると、
「では、水はどうするの?」となり、掃除も含めて水道水を使うと
答えると、「水道があるのか」とつぶやくような声になった。そこ
にいた他の人も、大半は、市場では井戸水で魚や、まな板を洗うと
考えて、ニュースを聴いていたようだった。

 もちろん、これは完全な間違いである。

 東京都は「豊洲市場において地下水の飲用その他の利用は予定し
ていないため、問題は生じない」とはっきり言っているし、土壌汚
染対策法(以下、土対法)でも、地下水利用はないということで対
策が議論されている。豊洲市場予定地は有害物質が残っていること
が分かっており、土対法に拠って汚染物が除去されてきた。それで
も、まだ完全ではないという疑いは常に流布されている。

 確かに、全く有害物がないとはいえない。こういう場合に一番重
要なのは、もし、そこに有害物があった時、どの経路で、どのくら
いの量が人体に入るか、そして、何が起きるかを決めることである。
それが、リスク評価である。

 飲食物の場合は、直接体内に入るから、摂取の経路についての議
論は不要だが、環境汚染の場合には、摂取経路の確定を真っ先に行
わなければならない。しかるに、豊洲市場の場合、摂取経路が分か
らぬまま議論されている。これでは将来に禍根を残すのではないだ
ろうか。

土壌汚染対策法とは何か?

 環境省が出しているパンフレット「土壌汚染のしくみ」には、
「土壌汚染があっても、すぐに私たちの健康に悪い影響があるわけ
ではありません」「土壌汚染対策法は、これらの健康リスクをきち
んと管理するために作られました」と、同法の精神が述べられてい
る。

 同法では、まず汚染を認定するか否かの「認定段階」があり、こ
こで汚染と認定された場合に、人の健康に対するリスクを判断する
「リスク分類段階」になる。判断には、3つの基準が使われる。有
害物質含有量基準(以下、含有量基準)、有害物質溶出量基準(以
下、溶出量基準)、そして地下水水質基準である。

 含有量と溶出量が基準を超過した場合に、「土壌汚染あり」と認
定するのが認定段階。次のリスク分類段階では、摂取経路を判断し、
飲用の経路ありとなれば「地下水水質基準」と比較し、また、直接
摂取の経路がある場合には「含有量基準」と比較してリスクの有無
を判断する。

 「おそれあり(リスクあり)」の場合には「要措置区域」となり、
汚染の除去や封じ込めが必要になる。「おそれなし(リスク無し)」
の場合には、「形質変更時要届出区域」となり、除去や封じ込めは
求められず、大きな工事などの場合に届出が必要なだけである 。

http://webronza.asahi.com/science/articles/2017020700009.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここから土壌汚染とリスク管理という興味深い話になるようです
が、残念ながらここは有料サイトなので、ここまでしか読めません。

 同じ話題を扱った、産経の平沢記者の記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■食の安全に「問題あり」は豊洲より築地だ 五輪選手村の食材納
入にも壁

 東京都の築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転。
延期が続いているが、食品衛生の専門家らからは、これ以上築地市
場にとどまることの問題を指摘する声があがっている。都民の「食
の安全」を守るなら、豊洲への移転を早急に実現しなくてはならな
い。

□移転の原点は何かをいま一度

 「ネズミやゴキブリが走り回り、カラスやハトが入り込んでいる
築地市場の衛生環境は、途上国の露天販売と大差ない。大きな問題
が起きなかったのは、働いている人たちの相当の努力があったから。
しかし、築地の現状は努力で防ぐには限界にきています」

 こう指摘するのは、内閣府食品安全委員会の元専門委員で東大名
誉教授の唐木英明さんだ。唐木さんは、長年にわたり食品安全の問
題に取り組んでいる。

 そもそもは、築地の老朽化と衛生環境の悪化がもはや看過できな
い状況になっているのでほかの場所への移転が行われることになっ
たはずだ。

 それが、移転先の豊洲において専門家会議が汚染対策として提言
した盛土が行われていなかったり、地下水のモニタリング調査でベ
ンゼンやヒ素が環境基準を超えて検出されたりしたため延期となっ
ているのが現在だ。

 この延期によって「豊洲は危険」という印象をもった都民も少な
くないだろう。

 確かに豊洲という土地に、有害物質であるヒ素や水銀、ベンゼン
など土壌汚染の問題がかつてあったが、市場移転にあたって対策が
行われた。

その結果、働く人や扱われている食品に影響が出るような環境でな
いことは、2014年以降東京都が行なっている地下水のモニタリ
ング調査で明らかだ。

□築地の限界

 話を築地市場に戻せば、衛生の点で課題が多い施設であることは
専門家には周知の事実なのだ。

 「築地市場は衛生面はもとより、食品テロ防止の観点からも課題
が多い」

 長らく保健所で飲食店などの監視業務に携わってきた東京都中央
区の食品衛生監視員、小暮実さんは指摘する。

 小暮さんによれば、海外では共通の衛生基準が策定されつつあり、
アメリカは食品安全強化法を制定して輸入の際には相手国にも厳し
い衛生管理を求めている。市場のような衛生施設は閉鎖型の施設で
あることが当たり前であり、築地市場では建物の点でも衛生の面で
も、これらの基準に適合していない。したがって築地市場を経由し
た食品は輸出できないのだ。この課題、輸出だけではなく2020
年東京五輪の選手村に納入する食材選びの際にも直面するかもしれ
ないという。

 唐木さんが言う。

 「小池百合子知事は、都民の『食の安全』の観点から、豊洲に関
する誤解と懸念を払拭し、早急に築地市場の移転を実現するべきだ」

 移転がこれ以上長引くのなら、築地のリスク評価を行い、安全性
を高める措置をとる必要がある。が、都によると「今のところ、そ
の予定はない」という。(文化部 平沢裕子)

http://www.sankei.com/premium/news/170222/prm1702220001-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関しては「守旧派」+「共産党」+「小池知事」という
悪のトリオががんばっています。

 以下はネットで見つけた川柳のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「俺達が 死ぬまで持てば それでよい」

「あとのこと そんなことなど 知るものか」

「後世の ために移転費 払えるか」

『政治利用 できればそれで いいんだよ』

『都の安全 それより俺らの 票稼ぎ』

https://twitter.com/Fuwarin/status/834960396393951234
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「生乳改革」
------------------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■生乳改革、農協系以外に出荷でも補助金 看板倒れの可能性も

 生乳の流通を自由化する農林水産省の改革案が22日、固まった。
農協系の団体に全量を出荷しなければ補助金がもらえない仕組みを
改め、それ以外に出荷した酪農家にも補助金を出す。酪農家の生産
性向上を後押しする狙いだが、補助金には様々な交付要件があり、
50年ぶりの改革は看板倒れに終わる可能性もある。

 同日、自民党の部会で了承された。農水省は1965年制定の関連法
を廃止し、今国会に畜産経営安定法の改正案を出す。

 全国10カ所の農協系の団体は生乳を集め、飲用乳や乳製品に振り
向けたり、乳業メーカーと価格交渉したりしている。飲用乳より安
価なバター向けの生乳を作った酪農家には補助金が出る。補助金は
農協に出荷しないと受け取れず、生乳生産量の97%は農協経由だ。

 農協系の団体を介さず乳業メーカーと直接取引する酪農家も補助
金を受け取れるようにする。国に年間の販売計画を提出することが
条件。補助金をもらえない酪農家は飲用乳が中心だった。法改正で
不足気味のバターの生産拡大をめざす。

 農協系の団体の力の源泉だった酪農家に全量出荷を求める規定も
見直し、酪農家が売り先を分散できるようにする。だが集荷力の衰
えを懸念する農協団体への配慮から、短期間取引などの場合は分散
販売を認めない仕組みとなった。政府の規制改革推進会議のある委
員は「農協団体に全量出荷せざるを得ない状況が続く可能性がある」
と指摘する。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H35_S7A220C1PP8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いきなり見出しに「看板倒れの可能性も」と書いておきながら、
肝心の案の中身については書かない、典型的な「フェイクニュース」
です。

 中身については、以下の記事が詳しいです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2017.02.17
■生乳改革 補給金を恒久的制度へ

□用途別取引が交付要件

 農林水産省は加工原料乳生産者補給金制度の恒久的な制度とし
「指定生乳生産者団体」を畜産経営の安定に関する法律に引き続き
位置づけるなどの改正法案の骨子を2月17日の自民党農林関係合同
会議に示した。

 脱脂粉乳やバターなどに仕向ける加工原料乳には生産者補給金が
交付されているが、今回の改革では交付対象者を拡大する。これま
では暫定的な制度だったが恒久的な制度として位置づける。

 生乳生産量と飲用牛乳需要が減少傾向にあるなか、需要の増加が
見込まれる乳製品に生乳を仕向けやすい環境を整備し、需給状況に
応じた乳製品の安定供給の確保が法改正の狙いだ。

 現在の「指定生乳生産者団体」(指定団体)は法律に位置づけ、
これまで同様の補給金の交付を受けることができる。

 ただし、指定団体に出荷する酪農家以外でも要件を満たせば補給
金を交付する。その要件は「年間を通じた用途別需要に基づく安定
取引」とする。それに基づいた年間販売計画を作成し農林水産大臣
に提出することを義務づける。

 飲用向けに売れない時期にだけ加工用に販売し交付金を受け取る
といった、いわゆる部分委託による「いいとこ取り」を排除する。

 そのために農水省は指定団体が取引を拒否できる場合の省令案を
示した。

 それによると

(1)生乳生産の季節変動を超えて変動する生乳取引を求められる
場合、

(2)短期間の生乳取引を求められる場合、

(3)特定の用途仕向けに販売することを条件とした生乳取引を求
められる場合、

(4)生乳の品質が指定団体の定める統一的基準に満たない生乳取
引を求められる場合、

(5)生産した生乳のうち売れ残ったものを持ち込むような取引を
求められる場合とした。

 これを生産局長通知として生乳受託契約例に明記するという。ま
た、いわゆる指定団体に出荷しないアウトサイダーでも合意があれ
ば全量委託を可能とするほか、部分委託の現状について国がチェッ
クする方針も示した。

 また、指定事業者に対しては条件不利地域など集送乳に経費がか
さむ地域からの集乳も拒否しないことなどを条件に集送乳調整金を
交付する。現行の指定団体も当然対象となるが、要件を満たせば他
団体も対象となる。

◆酪農経営の安定を

 日本の酪農家が生産する生乳の97%は指定団体に出荷され、全量
委託のもと需給に合わせて用途別取引を行っている。加工原料乳生
産者補給金は飲用乳価との差を埋め酪農経営の安定を図るものだ。
今回の改革は指定団体に出荷していない3%の酪農家も交付金の対
象とする。

 17日の自民党の会合に出席した(有)本川牧場の本川和幸社長は
「何のための改革か分からず釈然としない。飲用向けの不需要期だ
けに加工原料向けに出荷して交付金で補てんを受けるなら違和感が
ある」と主張するとともに、飼養頭数を増やす大規模化より乳質を
上げる技術力が重要でそれを評価する仕組みが酪農生産基盤の強化
につながると指摘した。

 JAグループはJA全中の奥野会長とJA北海道中央会会長の飛
田酪農委員長が出席して法案の具体化に向けて要請した。

 重点事項は

▽需給と価格の安定によって消費者への国産牛乳・乳製品の安定供
給と酪農所得の増大を実現することを法律の目的で明確にすること、

▽指定団体の機能強化が図れるよう、用途別の需給調整、集送乳の
合理化、乳価交渉力の強化等の機能を法的に位置づけること、

▽部分委託(分割委託)は指定団体の円滑かつ安定的な取引を確保
できるよう指定団体に出荷する生産者の公平な取引ルール等を具体
化することなどを強調した。

 会合で自民党の西川農林食料戦略調査会長は法案の具体化に向け
て「公平感を確保し、いいとこ取りはさせない。部分委託は国全体
が把握しておいたほうがいい」などと指摘したほか、プール乳価の
なかでも、乳質を評価する仕組みの必要性も指摘した。

http://www.jacom.or.jp/nousei/news/2017/02/170217-32048.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 何だかわかりにくいですが、現在の案では、今までの「指定団体」
制度を温存し、それにいくつかの「自由化」要素を加える、という
形になったようです。

 昨秋の段階では、こんな議論でした。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「生乳」改革の議論本格化=流通自由化で攻防-政府・与党

 牛乳やバターの原料となる生乳の流通制度改革をめぐり、政府・
与党の議論が本格化してきた。酪農の衰退を食い止めようと、政府
内や一部の酪農家から農協系組織がほぼ一手に握る流通制度の自由
化を求める声が上がる一方、酪農団体や自民党族議員らの反対は根
強い。今秋の改革案取りまとめに向け、攻防は激しさを増しそうだ。

 生乳の流通は「指定団体」と呼ばれる全国10の農協系組織が、
全生産量の97%を扱う。酪農家は指定団体に販売を委託し、指定
団体が生産量の調整や乳業メーカーとの価格交渉を行う。

 指定団体は酪農家に国からの補給金を配る役割も担う。補給金は、
乳業メーカーへの販売単価が牛乳用より安いバターなど乳製品向け
の生乳供給量を確保するための補助金で、酪農家がメーカーに直接
販売する場合は受け取れない仕組みだ。

 政府の規制改革会議(現規制改革推進会議)は、販売先を自由に
選べない制度が酪農家の生産意欲をそぎ、近年のバター不足にもつ
ながっていると生乳流通の現状を問題視。今年5月、指定団体制度
について「抜本的改革を検討し、結論を得る」との提言をまとめた。

 ただ、規制改革会議はいったん同制度の廃止を打ち出しながら、
参院選を控えた自民党族議員の猛反発で表現の後退を余儀なくされ
た。このため、9月に衣替えした規制改革推進会議は、巻き返しを
狙って早々に農業部会を設置、今秋の提言に向け始動した。

 一方、自民党は10月12日に酪農関係の会合を開催。出席議員
からは「需給調整など指定団体の役割は大きい」「自由化して需給
バランスが取れるのか」などと、生乳の流通自由化に反対する意見
が相次いだ。(2016/10/12-18:38)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016101200770&g=eco
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここでも「指定団体」制度についての議論がされていて、自民党
の反発で自由化反対ということが出てきたとされています。

 その前段階として、「自由化」を求める「提言」がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■生乳の流通を自由に 規制改革会議が提言了承 JA全中は反発

2016/4/8 20:45

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は8日、牛
乳やバターなどの原料に使う生乳の流通を自由化すべきだとの提言
を了承した。国が指定した農協団体が独占的に生乳を集荷・販売す
る仕組みを改め、酪農家が生乳の生産量や売り先を選べるようにす
る。6月までにまとめる答申に盛り込む。全国農業協同組合中央会
(JA全中)などは反発しており、調整難航は必至だ。

 提言は同会議の作業部会が策定した。現行制度では、生乳は農協
が地域ごとに集荷・販売を独占し、生産量や用途を決めている。農
協団体に出荷しないと国の補助金を受け取れない仕組みで、生乳生
産量の95%以上が農協経由になっている。

 今回の提言では、全ての酪農家が公平に補助金を受け取れるよう
求めた。酪農家が生産量を増やしたり、高く売れる販売先を開拓し
たりする効果を期待する。20年続く生乳生産量の減少傾向に歯止め
をかける狙いだ。

 菅義偉官房長官は8日の記者会見で「酪農家の所得向上を図り、
後継者不足に対処することは重要な問題だ。重要な提言だ」と強調
した。

 一方、JA全中の奥野長衛会長は7日の定例会見で、提言に反対
する考えを表明した。同日、森山裕農相に会い、現行制度の役割維
持を求める意見書を提出。奥野氏は記者会見で「規制改革会議がど
れだけ牛乳の世界をご存じなのか疑問を持っている」と述べた。自
由化になじまない理由に搾乳や衛生管理の難しさを挙げた。

 自民党の畜産・酪農対策小委員会や北海道のホクレン農業協同組
合連合会も「乳製品の安定供給を損なう」と批判的だ。

 規制改革会議の岡議長は8日の記者会見で「酪農を成長産業にし
ようという思いがあれば提言に反対しないはずだ」と反対論をけん
制した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H2V_Y6A400C1PP8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下はこれに対する反論です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 この「新提言」における、指定団体制度の見直しの観点からの主
要なポイントは以下の2つです。

第1点は、生産者が自ら自由に出荷先等を選べる制度とすること。

第2点は、加工原料乳生産者補給金の交付対象者について、指定団
体に委託して生乳を出荷する生産者に限定せずにすべての生産者を
対象とすること。

 もっともらしく聞こえる提言ですが、第1点目については、事実
の歪曲があるように思えます。なぜなら、現行制度においても、生
産者は自由に出荷先を選ぶことができるからです。

 互助精神に基づき加工原料乳の価格面での不利性と需給調整のリ
スクを共同で負い、ローリスク・ローリターンの安定的な経営を選
択する大多数の生産者には補給金が交付されますが、その大多数の
生産者の互助精神と負担に依存し、隙間を狙って飲用向けに限定し
て生乳を販売し、自らの利益のみを追求するハイリスク・ハイリタ
ーンの経営を目指すこともまったくの自由です。このような仕組み
の中で、結果としてほとんど(97%)の生産者が法定の信頼感ある
指定団体に委託して生乳を販売することを選択しているに過ぎませ
ん。

 第2点目については、出荷形態によるハンディキャップをなくし、
指定された農協のみに国が財政支援を行うという、現行の方式は是
正すべきであるとしています。しかしながら、実際には、指定団体
を通して生乳を出荷する生産者が価格面で不利な加工原料乳の生産
を引き受けています。さらにその際、加工向け乳価と飲用向け乳価
の格差が拡大しているため、補給金の交付を受けても、出荷量の一
部を加工向けに販売する場合は、飲用向けに限定して生乳を販売す
る生産者と比べて手取り乳価がやや低いという、「逆のハンディキ
ャップ」が存在します。それは指定団体制度が創出した、価格の異
なる用途別取引が国内の生乳取引の基軸となったなか、最高価格の
飲用向けに限定した制度外取引と、用途別の加重平均価格(補給金
込み)が実質手取りとなる制度内取引との価格差、つまり最高価格
と平均価格を比べるようなものです。

 それゆえに、指定団体に生乳の販売を委託している大多数の生産
者は、そのような飲用向けのみに限定して販売しようとする生産者
に対して、制度を利用して「いいとこどり」をしていると考えてい
るわけです。こうした中で、「いいとこどり」をして手取り乳価が
相対的に高い生産者に対して、需給調整に何の責任も負わずにハイ
リスク・ハイリターンを追求した経営の結果として、たまたま収益
上不都合な加工原料乳が発生した場合に補給金を交付すれば、イコ
ールフッティング(競争を行う際の諸条件を平等にすること)とは
いえないどころか、「いいとこどり」をする生産者を優遇し、生産
者間の不平等を助長することになるのではないか、と指摘している
わけです。

http://milkkenkyukai.blog.fc2.com/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 指定団体廃止については、こんな意見もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2016.04.04
【緊急寄稿】生乳流通見直し問題 指定団体廃止は間違い

■指定団体廃止の理論的な間違い

 生乳市場では、経済学的にも、規制緩和は正当化されない。規制
緩和が正当化されるのは、市場のプレイヤーが市場支配力を持たな
い場合であり、市場支配力を持つ市場では、規制緩和が不公正な価
格形成を助長する。

 今でも小売に「買いたたかれ」ているのに、「対等な競争条件」
の実現のために、生産者に与えられた共販の独禁法適用除外をやめ
るべきだという議論は、今でさえ不当な競争条件をさらに不当にし、
小売に有利にするものであり、市場の歪みを是正するどころか悪化
させる、誤った方向性であることを改めて認識しないといけない。
逆に、大手小売の「不当廉売」と「優越的地位の濫用」こそ、独禁
法上の問題にすべきである。

 我々の試算では、我が国では、メーカー対スーパーの取引交渉力
の優位度は、ほとんど0対1で、スーパーがメーカーに対して圧倒的
な優位性を発揮している。一方、酪農協対メーカーの取引交渉力の
優位度は、最大限に見積もって、ほぼ0.5対0.5、最小限に見積もる
と0.1対0.9で、メーカーが酪農協に対して優位である可能性が示さ
れている。

 このように、指定団体制度による共販が行われていても生産者が
「買いたたかれ」ている現状があるのに、それを壊したら、事態は
さらに悪化する。

http://www.jacom.or.jp/nousei/proposal/2016/160404-29536.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 正直、なかなか難しいですね。今回の最終案は折衷的ではっきり
しないところがありますが、そういう苦労の現われなのでしょう。

 で、私の意見としては、別に「生乳改革」は必要なくて、バター
の輸入を自由化すればよいだけじゃないの?というものです。

 あまり自信はありませんので、ご意見をお願いします。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 牛乳の話がとりとめがなくて申し訳ありません。今回は無駄に長
くなってしまいました。

 最後の引用に出てきた、「スーパー>メーカー>酪農協」という
力関係は興味深いですね。みんなデフレが悪いんだ…という声が聞
こえてきそうです。

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