Cinemaの王国

[Cinemaの王国 vol.479]~『その名にちなんで』


カテゴリー: 2008年01月17日
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☆   「Cinemaの王国」  vol.479(2008. 1.17)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、
映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者
からの便宜供与は一切受けていません。
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とりあえず昨日に続いて本日も発行してみました。昨年観た映画のベスト5を
選んでいるのですが、まだ迷っていて……。決まったら明日も発行します。

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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ―『その名にちなんで』―
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! 〜『その名にちなんで』〜
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●『その名にちなんで』(THE NAMESAKE)
(2006年 アメリカ・インド)(上映時間2時間2分)
監督:ミーラー・ナーイル
出演:カル・ペン、タブー、イルファン・カーン、ジャシンダ・バレット、ズ
レイカ・ロビンソン、ライナス・ローチ、ブルック・スミス
*シャンテシネほかにて全国公開中
ホームページ http://movies.foxjapan.com/sononani-chinande/
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<ストーリー>
1974年、インドの学生アショケ(イルファン・カーン)は列車事故に遭う。数
年後、アメリカの大学で工学を学んでいたアショケは、インドで見合いをして
アシマ(タブー)と結婚。2人はニューヨークで新婚生活をスタートさせる。
慣れないアメリカでの生活に戸惑うアシマだが、やがて元気な男の子が生まれ
ゴーゴリ(カル・ペン)と命名する。しかし、彼は成長すると自分の名前を嫌
い、改名してしまうのだった……。

<レビュー>
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アメリカに暮らすインド人家族の愛と葛藤のドラマ。じんわりした感動が…
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『サラーム・ボンベイ!』『モンスーン・ウェディング』で評価された(残念
ながらボクは未見)ミーラー・ナーイル監督が、ジュンパ・ラヒリのベストセ
ラー『その名にちなんで』を映画化した作品。アメリカで暮らすインド人一家
の感動の家族ドラマです。

オープニングで描かれるのはインドでの列車事故。実は、これがこの家族にと
っての大きなポイントになります。

その後は、アメリカで勉強するインド人青年アショケと、インドからやってき
たアシマという女性とのアメリカでの結婚生活が綴られます。異国で少しずつ
育まれていく夫婦愛、長男・長女の誕生、成長していく子供たち、インド人社
会との深いつながり……。

もちろんそれは幸せなだけのドラマではありません。慣れない生活を送る妻の
孤独、妻の父の死、親子の対立、そして夫の死……。

感動のドラマとはいっても、登場するのはどこの家庭にもありそうな平凡な出
来事。いずれの出来事も、温かな視線で、抑制的に、ユーモアを交えながら描
かれます。おかげでリアルで、じんわりとした感動が伝わってきます。

小さな行動や感情の動きから、親子の愛と葛藤、家族の絆などをすくい取って
いく繊細な演出が光ります。序盤で見合いする前のアシマが、アショケのアメ
リカ製の靴に足を入れるところなど、印象に残るシーンがたくさんあります。

そして、「名前」が大きなテーマになっているのがこのドラマの特徴。一家の
長男の名ゴーゴリは、ロシアの文学者の名で、その命名にはオープニングで描
かれた事故にまつわる大きな秘密があります。そして、その名前こそがこの家
族のすべてを象徴しているのです。

自身の名前を拒否すると同時に、インドという国にも違和感を持つ長男。イン
ド育ちの両親とアメリカ生まれの子供たちとのギャップも、この一家に大きな
影を落とします。しかし、そうした様々な問題に明確な決着をつけて、お手軽
なハッピーエンドへと持ち込むようなことはありません。

ラスト近くで登場するのは、長男の妻の不倫話。一瞬、蛇足にも思えるエピ
ソードですが、実はそこにも長男とインドとの遠くて近い距離が象徴されてい
ます。同時に喜びも悲しみもすべてひっくるめて、この家族のドラマなのだと
いうことを実感させてくれる展開でもありました。ラストのアシマの歌が、彼
女の新たな旅立ちを示してくれて、とても心地よく感じられます。

個人的には、冒頭の事故の内容をもう少しボカしてナゾを深めたほうが、もっ
と面白くなった気はしますが……。

約30年にわたる家族の愛と葛藤のドラマ。繊細な演出によってじんわりと感動
が伝わる作品に仕上がりました。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(派手さはないけれど、じんわりと感動できる家族のドラマ。自分と重ね合わ
せてみる人もいるのでは?)
                                                    (ぽち)

〔鑑賞データ〕
2008年1月14日(月)シャンテシネにて。午後2時10分の回。

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◆2.メールちょうだいッ!!
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「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

▼(わんちゃん)さんから、『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』に
ついて「愛する者のために、信じることのために、死をも賭して戦う人々の姿
に感動を覚えざるをえません。」という感想をいただきました。

▼(みいな)さんから、『再会の街で』について、「大泣きしてきました。ア
ダム・サンドラーって真面目なこういう映画も素晴らしいんですね。改めてま
た好きになりました。」という感想をいただきました。

ありがとうございました。

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp

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◆3.ぽちのひとりごと
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*久々に有楽町に行ったら、以前とはまったく様相が違っていました。イトシ
アの前なんて、まるでお祭りみたいな人の群れ。ちなみにイトシアの中には、
映画館(シネカノン有楽町2丁目)もあります。

                         (ぽち)
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
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