紳也特急

紳也特急 vol,210


カテゴリー: 2017年02月01日
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 全国で年間200回以上の講演、HIV/AIDSや泌尿器科の診療、HPからの相談を
        精力的に行う岩室紳也医師の思いを込めたメールニュース!

性やエイズ教育にとどまらない社会が直面する課題を
                                         専門家の立場から鋭く解説。
                    Shinya Express (毎月1日発行)

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~今月のテーマ『幸せ』~

●『大人の感想』
○『岩室紳也が撮影した富士山の写真が雑誌の表紙に』
●『寄稿文』
○『幸せなひとりぼっち』
●『自殺予防』
○『中年男の難しさ』
●『役割の喪失と回復』
○『福祉(幸せ)の果て?』
●『最期の幸せ』

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●『大人の感想』
 岩室先生の富士山のおはなしをお聞きして、私は心がぽっと温かくなりま
した。特別なことじゃなくても自分の「すき」と思えることを、「楽しい」
と思えることを、日々の中で感じられることの幸せ。また、人と人との出会
いの時に、そのあたたかなものが伝えられる。特別なことではなくても伝わ
るかもしれない。それでいいよと言っていただいたようなほっとした気持ち
になりました。

 思春期の若者とインターネットに関する研修会で、「岩室紳也が『幸せ』
と感じるのは富士山を拝むことができた時」という話をほんの数十秒させて
いただいたところ、なぜかこの言葉に多くの方が感想を寄せてくださいまし
た。
 「性教育で何を伝えるか」という研修の質問コーナーでも、「岩室先生が
『幸せ』と感じる時って何ですか」と聞かれました。その日は飛行機での移
動だったので、いつものように富士山が見える側の座席をとっていたらちょ
うどきれいな富士山を拝むことができたので、「今日も富士山を拝むことが
できたことです」とお答えしていました。
 なぜこの「幸せ」という言葉が最近、いろんなところで取り上げられるの
かはわかりませんが、そんな時に見た映画が「幸せなひとりぼっち」でした
ので、今月のテーマを「幸せ」としました。

『幸せ』

○『岩室紳也が撮影した富士山の写真が雑誌の表紙に』
 公益財団法人日本教育会が発行している「日本教育」という機関誌の今年の
1月号の表紙に私が撮影した富士山の写真が採用されました。写真を撮るのは
好きなのですが、基本的に人に見せたいという思いで撮っているのではありま
せん。Facebookに出会ってから「陸前高田の今」といった写真をアップして情
報発信をしたり、富士山を拝めて何となく幸せになっている自分の思いを「今
日の富士山」としてアップしたりしてきました。写真を撮ること自体が好きで
すのでカメラやレンズをいくつも持っていますが、何のために写真を撮ってい
るのかと聞かれると、自分が「きれいだ、いいなと思える写真に出会える喜び
を得たいがため」なのでしょうか。そこには「自分のために」というのはあっ
ても、誰かにその写真を見せるため、という思いになったことはありませんで
した。雑誌の表紙に採用された時に写真への思いも寄稿させていただいたので
すが、いつも思っている「富士山を拝める幸せ」について書いたところ、依頼
者の方が予想されていたものではなかったようでした。

●『寄稿文』
 東海道新幹線で関西方面に向かう時は必ず進行方向に向かって右側の、東北
新幹線で北上する時は左側の、横浜→東京間を移動する時、晴れていて時間が
許せば横須賀線のグリーン車の2階の左側の、飛行機で羽田から南下する時は
航空会社のインターネットサイトで、行き先で異なる富士山が見える側の席を
確保します。
 どうしてここまで富士山を見ることにこだわるのかと言えば、実際に富士山
が見えただけで不思議と元気がもらえるからです。その富士山を写真に収めら
れると、その日の幸せ度が確実にアップしますのでカメラはいつも持ち歩いて
います。富士山は私にとって元気の源、背中を押してくれる不思議な存在です。
 医者として数多くの生と死を診させていただく中で、一番大事なことは生き
ている一瞬一瞬をどれだけ堪能できるか、大事にできるかだと気づかされまし
た。今は元気でも明日の保証はどこにもありません。日本は健康づくりブーム
の真っただ中ですが、健康づくりで一番大事なことを見失わないようにしたい
ものです。
 世界保健機構(WHO)が掲げる健康の定義の中に日本語訳が難しい“well-being”
という言葉があります。「福祉」という言葉もこの“well-being”や“welfare”
の訳とされていますが、日本人が福祉という言葉から受けるイメージとは随分
異なるのではないでしょうか。その人なりの幸せ、調和がとれた状態と訳すの
が適当なのかもしれませんが、実は日本人が一番苦手なのが「幸せづくり」、
「幸せを実感すること」なのかなと思ったりします。
 日本人は課題を見つけ、それを解決する発想法が大好きです。しかし、病気
にならないための、障がいを抱えないための健康づくりという発想でいると、
実は病気や障がいの状態になった時に不幸のどん底に突き落とされてしまいま
す。
 いろいろあるけど今日は富士山が見られたから幸せ。そう思えるだけで昨日
の失敗を、今日の現実を乗り越えられます。もう少し「幸せづくり」を意識し
た生き方をしたいものです。

○『幸せなひとりぼっち』
 この原稿を書く2日前にこの題名のスウェーデン映画を見ました。この映画は
今日的なテーマがいろいろ凝縮されていて、まるで自分がいろんなところでか
かわっている仕事への後押し、問題提起、皮肉にも思えました。まだ見ていな
い、でも見てみたいと思う方は、この後は読まずにまずは見てください。

●『自殺予防』
 妻に先立たれた頑固な男が会社をクビになる。これはまさしく今、私が取り
組んでいる「自殺予防」そのものに該当すると思っていたら、実際に映画の中
で何度も自殺を試みていました。自殺予防でよく言われる「誰かに相談すれば
いい」や「早期発見早期対応」といったきれいごとは通用しないのはちょっと
考えればわかることですが、日本では未だにそこに焦点を当てた研修会が繰り
返されています。しかし、映画の中では近所の、それもとんでもなく主人公に
迷惑をかける人たちのお陰で主人公は死に損ねてしまいます。「映画だから」
ではなく、自殺予防には地域のつながりが大事と訴えてきた自分の背中を「こ
うやって防ぐしかないのだ」と押してくれたように思いました。

○『中年男の難しさ』
 男はプライドの生き物で、歳を重ねると頑固になるというのは多くの人が経
験から学んでいることです。自治会の会長をしていた主人公がいつしか頑固さ
故に友人も離れていくのですが、そのストーリーをスウェーデンの自動車メー
カーのSaab派とVolvo派の好みの対立で巧みに描いているところが秀逸でした。
車好きで、かつケニアで小学生の時にこの2車があこがれだった自分にとって
「このやり取り、わかる、わかる」と思っていました。さらに痛快だったのが、
落としどころはドイツ車のAudiのロゴ「0000」をゼロが四つ並んでいて何が面
白いと皮肉ったかと思うと、Volvo派の友人がドイツ車のBMWZ3のオープンに乗
り換えて呆れられる落としどころでした。ここは何とも言えない「車種で戦い
になる男たち」を見る思いでした(わからない方にはすみません)。

●『役割の喪失と回復』
 役割がなくなっていた主人公ですが、気が付けば地域の見回りに近所の若者
たちがいつの間にか同行するようになっていました。ゲイの男の子が親にカミ
ングアウトしたら(という私の仕事にも絡むような設定が何よりうれしかった
のですが)家を追い出されたので泊めてくれと頼まれたら断れず、また自殺す
る一人暮らしの環境がなくなります。隣に引っ越してきた移民のアラブ系の家
族とは生活習慣等でぶつかるものの、食事の差し入れで元気をもらう一方で、
車の運転を教える(自動車学校はないのかとは思いましたが)。気が付けばお
互いを支え合っている姿は、まるでいま、移民排斥に動いている、それもこの
映画ができた時にはEU離脱も決まっていなかったイギリスのメイ首相や、今や
世界中が困っている(?)アメリカのトランプ大統領への皮肉としか思えませ
んでした。

○『福祉(幸せ)の果て?』
 北欧は福祉の先進地だということはよく知られていますが、主人公の長年の
仲間が脳の病気(脳出血?)で倒れ、奥さんが自宅で、一人で介護していると
ころに福祉施設の職員が行政命令として施設入所を迫っていました。介護が大
変でもご主人を一人で面倒を見たいということであればそれでいいのではと思
いながら見ていたら、最後は奥さんのためと称して強制収容になりそうな場面
でした。そこで地域の新聞記者が、強制収容をしに来た福祉施設の職員に「あ
なたの施設は赤字のはずなのにとんでもない隠し財産を持っているのを書きま
すよ」と迫ると、「どこで調べたのだ」と食ってかかる施設の職員に「インター
ネット」と答えるとすごすごと引き下がっていました。これはまさしくウィキ
リークス(WikiLeaks)という機密情報が公開されているウェブサイトのことを
いっているのでした。
 いろんな困難を抱えていても、いろんなサービスを導入することで人が幸せ
になれる制度が福祉制度のはずですが、その制度が金儲けの手段になれば、逆
に人の幸せを奪うものになりかねないと、医療費や介護費用が高騰し続けてい
る日本に対して警鐘を鳴らしている映画でした。

●『最期の幸せ』
 最後の場面で主人公は持病の心臓が原因で、自宅で亡くなります。日本でも
自宅で亡くなりたいと思っている人は多く、映画の中のこととはいえ、ある意
味理想的な死に方でした。しかし、それ以上に私が感動したのが、ご遺体の上
で、野良だった、そしていつしか主人公の見回りにも同行するようになった猫
が、最期では主人公のご遺体の上で見守るように横になっていたことでした。
「飼い猫をおいて死ねない」と思って高齢になると動物を飼わなくなる人が多
い中で、近所づきあいをしっかりしていれば、誰かが引き取ってくれるという
メッセージまで映画に込められていたようでした。
 絆(きずな+ほだし)の大切さを訴えていますが、「岩室がやっていること
は間違いではないよ」と背中を押されたような幸せを実感できた映画でした。


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☆岩室先生宛の質問も t.watanabe49@gmail.com 受け付けています。 
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