農業文化マガジン『電子耕』

『電子耕』No.401 2017.6.1


カテゴリー: 2017年06月01日
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隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」  第401号
-環境・農業・食べ物など情報の交流誌-
2017.06.01(火)発行      山崎農業研究所&編集同人
<キーワード>
環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の
交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。
http://www.yamazaki-i.org
*************************************発行部数 980 部***************
□  目  次    □----------------------------------------------------
<巻頭言> 「減反政策」廃止に思う――どの作物も「本作」に 塩谷哲夫
<お知らせ> 山崎農業研究所所報『耕 No.140』発行されました
<会員著書案内>
 安富六郎著『武蔵野・江戸を潤した多摩川──多摩川・上水徒歩思考』
<編集後記> 私たちは被災地とどうつながりつづけるか
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<巻頭言> 「減反政策」廃止に思う――どの作物も「本作」に
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 日本の農業と言えば「水田」、「コメ」という印象が強いのではないかと思
う。たしかに、日本の農地面積452万haのうち過半の約55.7%を水田が占めて
いる(H26年)。約7割の農家がイネを作っているが、水田面積にすれば64%
(全体の農地面積の36%)に過ぎない。農業総算出額8.8兆円の内訳を部門別
にみると、コメは第3位の17%しかない。第1位は畜産部門の35%、2位は野菜の
27%。次は果実9%である。

 これは国民の食生活の実態を反映したデータでもある。戦後日本の食生活改
善は、パン給食に始まって“洋食化”を目指して展開されてきた。食の素材を
日本の農地を活かした国産農産物に依拠して進めればよかったが、そのように
はならなかった。日本の農業振興を疎かにし、食料自給という大義を忘れ、輸
入農産物への依存を進めた(畜産の飼料農産物も含めて)結果、国産農産物に
よる食料自給率は39%となっている。

 政府は、主食の“コメ余り”と日本農業の象徴である“水田”の維持という
対立する悩ましい矛盾を一気に解消するために、「減反は廃止する。あとは強
い農業にお任せします。ご自由にどうぞ」という政策転換を来年度から実施す
ると宣言した。これは国家として担うべき責任の放棄である。

 しかし、皮肉にも、ようやくコメ(水田稲作)の呪縛下にあった日本の農業
構造に変革のチャンスが訪れたと言えるのかもしれない。

 水田は排水機能を整備すれば、灌水して水田に、排水して畑にと、田畑を輪
換できる「汎用水田」になる。現在、わが国の246万haの水田の44%,108万ha
が、排水開始後3時間で地表下72cmまで畑地にできる「汎用水田」として整備
されている。

 私は水田の「汎用化」に期待している。そこでは、水田にしてイネを作り、
畑にして、ダイズ、イモ類、飼料用トウモロコシ、野菜などすべての作物を
「本作」として栽培することができる。一部の湿田などを除いて、なるべく多
くの水田が「汎用化」されてほしい。そして、水田での穀物や野菜の「本作
化」が、日本農業全体の構造を考える契機になってほしいと思っている。

塩谷哲夫
山崎農業研究所幹事・東京農工大学名誉教授
yamazaki@yamazaki-i.org

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<お知らせ> 山崎農業研究所所報『耕 No.140』発行されました
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山崎農業研究所所報『耕 No.140』が発行されました。
ご希望の方には雑誌を頒布いたします。
yamazaki@yamazaki-i.org
までご連絡ください。

《土と太陽と》(巻頭言)
先生は忙しすぎる◎高梨雅人

[第155回定例(現地)研究会]玉川上水を巡る
玉川上水と武蔵野台地の変貌◎渡邊 博
玉川上水の奇跡「ひとくい川」◎安富六郎

[第156回定例研究会]自然災害と文化・技術
I 「地震・雷・火事・親父」考◎大橋欣治

[特別寄稿]
人の生活の身近にあった水辺環境を取り戻すたたかい◎石川幹子
美しい福島の農村を取り戻すために◎浅見彰宏
FECの自給をめざして、とくにEのこと◎鈴木孝夫

〈連載〉“生きもの語り”の世界から(11)
農の本質への道/宇根 豊

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<会員著書案内>
 安富六郎著『武蔵野・江戸を潤した多摩川──多摩川・上水徒歩思考』
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安富六郎著『武蔵野・江戸を潤した多摩川──多摩川・上水徒歩思考』
農文協、199ページ、定価1700円〈税別〉)
http://www.amazon.co.jp/dp/4540142631

※山崎農研HPに関連記事を掲載しています。

玉川上水の奇跡「ひとくい川」(第3話)連載  安富六郎 著
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No10.pdf 第8話
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No9.pdf 第7話
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No8.pdf 第6話
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No7.pdf 第5話
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No6.pdf 第4話
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No3.pdf 第3話
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No2.pdf 第2話
http://www.yamazaki-i.org/img/Hitokui_No1.pdf 第1話

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<編集後記> 私たちは被災地とどうつながりつづけるか
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編集を担当した『聞く力、つなぐ力』(日本農業普及学会編著)の刊行記念シ
ンポジウム(「私たちは被災地とどうつながりつづけるか」)に参加した
(05/20)。

第1部は、本書の解説を執筆した宇根豊氏(農と自然の研究所代表)と山下祐
介氏(首都大学東京准教授)の対談、そして第2部は、古川勉氏(元大船渡農
業改良普及センター所長)と行友弥氏(農林中金総合研究所特任研究員)をく
わえての被災地農業の復興に関する報告である。

宇根さんは、この本には、2つの視点(まなざし)があるという。それは「外
側からのまなざし」と「内側からのまなざし」である。前者は、復旧・復興や
除塩、除染を客観的に語るまなざしであり、後者は、震災後、どうしてよいか
わからない農家からの不満をただただ「聞くしかなかった」という普及員のあ
りようをしめしている。そして、普及指導員は、もともと“公務”の枠からは
ずれる/はみでる傾向にあるが、本書を読んでもそのことがよくわかったと。

山下さんは震災当時、青森県にいた。さまざまな支援活動を行うなかでたくさ
んの出会いがあり、それがいまの仕事にもつながっている。“公務員はみんな
ダメだ”と思い込んでいた山下さんの意識を変えるきっかけとなったのが、普
及指導員との出会いだった。現場の人々ときちんと向き合う公務員の存在は山
下さんに感銘を与えたという。

参加した学生からは「これから被災地とどうかかわりつづけたらよいか教えて
ほしい」との質問があった。登壇者はそれぞれの言葉で真摯に答える。「最初
から結論をもたずにかかわりつづけていけばいいと思う」(行友)、「普及員
の立場としては“協働”だと思う。ぜひ普及指導員をめざしてほしい」(古
川)、「支援ではなく交流でいくのがいいと思う」(山下)、「ひとつの場所
に通いつづけるのが大事だと思う」(宇根)。

最後に宇根さんはこう述べた。「生きる場、生きる世界、生きる共同体――と
りもどしたいけれどもとてもむずかしい」。むずかしいということを共有する
こと、だからこそ、つながりつづけることを確認し合うこと、そのことに今回
のシンポの意味はあったようにわたしは思う。

『聞く力、つなぐ力
3.11東日本大震災 被災農家に寄り添いつづける普及指導員たち』
日本農業普及学会 編著
古川勉 著/行友弥 著/山下祐介 著/宇根豊 著
発売:農文協
定価:2,376円(税込)
ISBNコード:9784540161780
発行日:2017/03
出版:農文協プロダクション
判型/頁数:四六 252ページ
http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54016178/
https://www.amazon.co.jp/dp/4540161784

2017年06月01日
山崎農業研究所会員・田口 均
yamazaki@yamazaki-i.org

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山崎農業研究所編・発行/農山漁村文化協会発売
『自給再考──グローバリゼーションの次は何か』
(発売:2008/11 定価:1,575円 )
http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_4540082955/
たくさんの書評・紹介記事をいただいています。感謝・感謝です。
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◎辻信一さん(文化人類学者、ナマケモノ倶楽部世話人。明治学院大学教授)
グローバルの次は何? ~卒業するゼミ生諸君へ
http://www.sloth.gr.jp/tsuji/library/column64.html
◎戎谷徹也さん(大地を守る会)
ブログ:大地を守る会のエビちゃん日記 “あんしんはしんどい”
「自給率」の前に、「自給」の意味を
http://www.daichi.or.jp/blog/ebichan/2008/12/16/
◎吉田太郎さん(長野県農業大学校教授、執筆者)
キューバ有機農業ブログ 自給再考の本が出ました
http://pub.ne.jp/cubaorganic/?entry_id=1822182
◎関良基さん(拓殖大学政経学部)
ブログ:代替案 書評:『自給再考 -グローバリゼーションの次は何か』
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/cb22650fa39384bdd22b61440fa81fa0
◎大内正伸さん(イラストレーター・ライター)
ブログ:囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio「書評『自給再考』
http://iroridanro.net/?p=15533
◎ブログ:本に溺れたい グローバリゼーションの次は何か
http://renqing.cocolog-nifty.com/bookjunkie/2009/01/post-841e.html
◎森川辰夫さん
NPO法人 農と人とくらし研究センター/資料情報
http://www.rircl.jp/shiryo.htm
◎日本農業新聞/書評
(2009/01/19 評者:日本農業新聞編集委員 山田優)
http://yamazaki-i.org/
(画面トップの「書評はこちらから」よりアクセス下さい)
◎小谷敏さん(大妻女子大学)
日本海新聞コラム「潮流」/「自給」の方へ(2009/01/31)
http://blog.goo.ne.jp/binbin1956/e/c895f6619b30ba7725e264b4daa75219
◎白崎一裕さん((株)共に生きるために)
月刊とちぎVネットボランティア情報vol.158/しみん文庫
http://yamazaki-i.org/
(画面トップの「書評はこちらから」よりアクセス下さい)
◎塩見直紀さん(半農半X研究所、執筆者)
ブログ:半農半Xという生き方~スローレボリューションでいこう!
立国集。
http://plaza.rakuten.co.jp/simpleandmission/diary/200812270000/

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◎お願い「<読者の声>の投稿規定・メールの書き方」
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1、件名(見出し)を必ず書いて下さい。「はじめまして」は省略して、言い
たいことを具体的に。
2、氏名・ハンドルネームは、文末ではなく始めのほうに。
3、1回1テーマ、10行位に。
4、ホームページを持っている人は、文末にURLを。
5、JIS X0208 規格外の文字(機種依存文字)のチェックを。
http://www.csj.jp/learned-society/check/new_but/jisx0208-sjis.html
インターネットで使えない丸数字や半角カタカナ、括弧入り略号などは文字化
けの原因です。

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次回  402号の締め切りは06月12日、発行は06月15日の予定です。

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<本誌記事の無断転載を禁じます>
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