KISARAGI

KISARAGI vol.947


カテゴリー: 2018年01月14日
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

K I S A R A G I vol.947                              2018/ 1/14
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

 配信システム
KISARAGIは「まぐまぐ」で配信しています
「まぐまぐ」:http://www.mag2.com/

登録解除の方法
KISARAGIを解除するには、次のアドレスへアクセスして
『購読及び解除はこちら』のフォームをご利用いただくか、
まぐまぐHPへアクセスして下さい。
解除できない場合は、メールして下さい。
--> http://mmkisaragi.blogspot.jp/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

通信欄:雪害でていますね。十分にお気をつけて。

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

今週のお話

◆ "古典へのいざない" [717]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[26] 黄金百両 [3]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第十一回 アガタビル 4
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

<運営よりお知らせ>
メルマガの配信ドメインが変更になります。
全てのメルマガが受信できるよう、以下のドメイン全ての受信設定をお願いい
たします。
・mag2.com
・mag2official.com
・mag2-tayori.com
・mag2tegami.com
・mag2premium.com

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

古典へのいざない [717]
伽婢子《おとぎぼうこ》[26] 黄金百両 [3]
作者:たまさん

コココココココココココココココココココココココココココココココココココ

宿に戻ると妻が言った。
「これまで流浪してきたのも、源内《げんない》がきっと助けてくれるはず
と思っていたからなのに、わずかな酒を飲ませてもらったからといって、百
両の金の代わりに一言も言わずに帰ってくるのはどういうことですか。この
ままでは、わたしたちはやがて道の傍らで飢え死にするでしょう」
 これを聞いた兵次《へいじ》は確かにもっともだと思い、夜が明けるのを
待たずに再び源内の屋敷に赴き、出て来た源内本人と対面した。
「確かにその昔、金子《きんす》を借りたことは今も忘れておらぬ。お前の
恩をおろそかに思うものか。そのときの手形があれば持って来たまえ。書い
てある金額をすべてお返し致す」
「同じ里に住む親しき友で、互いに近所の契りも浅くないからと、あえて証
文を作らず質《しつ》も取らずにお貸しした金子《きんす》です。今、わた
しは強盗に財産を一つ残らず奪い取られてしまって身の置き所がないため、
どうしてもこの金子をいただき、しかるべき商売でもして妻子を養おうと考
えております。わたしを取り立てるとお思いになって、お貸しした金子を恵
み返しください」
 源内は笑うと、「手形がなければ清算もできぬが、もし思い出したら全額
をお返ししよう」と約束して兵次を帰らせた。
(続く)
                                  ★

 前回、借金の返済を言い出せずにすごすごと帰って来た主人公は、妻に説
得されて再び友人のもとを訪れます。しかし、作らなかったはずの手形の話
を持ち出され、「金額を思い出したら返す」と言ってまた帰されてしまいま
す。雲行きが怪しいようですが、果たしてどうなることでしょうか。
 続きは次回にお届けします。それではまた。

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

HP
「かたかご」http://yamanekoya.jp/
 趣味で読んでいる古典文学の現代語訳と参考文献を主に掲載しています

「山猫屋本舗」http://yamanekoya.net/
 写真日記を綴っています

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第十一回 アガタビル 4
作者:宇祖田都子

コココココココココココココココココココココココココココココココココココ

第十一回 アガタビル4
 
 ひじょうに低くくぐもった声です。あたりは布の襞ばかりなのに、なんだか
奇妙な反響があって、とても聞き取りにくい。薄暗がりとはいえ、目の前にあ
る手藻蔓さんの唇は、髭の剃り残しまで見えるくらいなのに、そこから出てい
るはずの声が、直接私の耳朶にとどく前に、みんな周囲の襞をくぐって、速度
をおとしてエッジをそぎ落とされて、とても硬いものに打ち当たって、ヨロヨ
ロになってまた襞をくぐって、四方八方から私の耳にたどり着く。そんな具合
で、こんな風に声にださずに思う私の感想でさえも、それと全く同じプロセス
を辿って私に届いてるような感じなので、もしかしたら、手藻蔓さんのこの声
は手藻蔓さんが声に出しているとは思っていない、心の中で考えていることが、
響いてきているのではないだろうか。とするならば、こんな風な私の想いもま
た、手藻蔓さんの耳に泳ぎ着いているのではなかろうか。と、そんなことさえ
思われてくるのでした。

 心を落ち着けるため、コーヒーを口にしましょう。
 ああ。このお店のブレンドコーヒーはひじょうに深入りで、苦味重視の私好
みです。私は酸っぱいコーヒーは苦手です。そして、ブレンドも、手藻蔓さん
のチャイも、ミカサのテラゾパターンで出てきました。薄暗い、襞の只中で、
ガムランと甘いお香の中の風情としては申し分ありません。私もこのセットを
そろえようかしら。

 「僕は自分のスタジオを開くのに有用な知識を得るために、図書館に通って
いた。3年ほど前で、当時僕は南荒田のTスタジオのアシスタントをしていた。
宇祖田さんは、当時はまだいなかった」
 「はい。私はまだ、お手伝いを始めて1年もたっていませんから」
 「それでも、会報のコラムを任されるのだから、優秀な人だ。僕は君の名前
は、鸚鵡の展示で知っていた。顔を知ったのは、図書館のカウンター越しだっ
たが」

 「会報」というのは、うちの図書館に文献を寄贈してくださったり、ご寄付
をいただいた方など、恩のある皆様への活動報告のようなもので、季刊で出し
ています。
 無味乾燥な活動報告と、所長の堅苦しい挨拶だけでは、図書館が作る冊子と
しての面白みにかけるというので、主事が書いている連載エッセイと、その他
に一つか二つのコラムを掲載しているのです。
 このコラムは、期間内におこなった企画展や、イベントの舞台裏とか、近隣
のニュース、個人的な雑感など、比較的軽いものを載せているのですが、今回
の私のコラムは、「小栗虫太郎の蔵書と暗号に関する試論」という、原稿用紙
30枚ほどの少々お堅いものだったのです。

 「読み応えがありました。小栗虫太郎、というのがいい。主幹のエッセーも、
写生文としてはなかなかのものだが、彼はもうすこし、巷間に出たほうがよさ
そうだね」
 「まぁ。それは分りませんけれど。あれを読んでいただいていたのはとても
うれしいです。といっても、かなり展開が強引なので、異論をお持ちの方は大
勢いらっしゃるでしょうね」
 「いいんです。それで。いいんです」
 手藻蔓さんは妙に強調して、なんども頷きました。テーブルがすこし揺れて、
チャイにいくつもの輪波が寄せ返しました。

 じつは、あの論文は、図書館での「企画展示の企画案」として提出したもの
だったのです。企画委員会で「あまりにも私的趣味に片寄りすぎている」との
判断が下され、展示としては実現しなかったものなので、それを褒められると
いうのも、多少複雑なのでした。
 それでも、その論文が日の目を見られるようになったのには、主幹の強い推
薦があってのことだったと、田母戌さんから聞きました。あ、この方は、図書
館で主幹の上司にあたる方で、素敵なおばあちゃまなのです。

 「そういえば、並木さん宛ての会報、戻ってきてしまったんです」
 並木さんは、たくさんの本を寄贈してくださっており、さらに多額ご寄付も
いただいておりました。かといって、施設にみえた際にビップ待遇を希望なさ
ることもなく(なかには、特別な個室での閲覧や、新着書の優先的借り出し権
や、貸し出し期間延長などの特別待遇を求めるかたもいらっしゃいます)年に
一回はそういう方々をお招きするパーティーも催しているようです。
 私はそのパーティーへは招待されることはありませんし、出席したくもない
のですが、並木さんは、ご出席していたのでしょうか?

 「海外旅行とうかがっていましたが、海外移住なさったのですか?」
 私がそう尋ねると、手藻蔓さんは目を見開いて叫びました。
 「海外旅行! 並木さんはあなたに、そう言ったんですかッ?!」
 血相を変えて、イスからお尻を浮かせて。ザリザリという不快な音が、イス
と床の間から天幕を震わせました。
 「い、いえ。私は手藻蔓さんから、そう、聞いていたんです。並木さんは、
海外旅行に出かけると」
 「え?」
 と手藻蔓さんは、お尻をうかせたまま、きょとんとした顔になり、それから
眉間に皺が三本寄りました。
 「そうか。そういうことか」
 そうつぶやいた手藻蔓さんの顔。アマゾンのダンボールに描かれているよう
に、唇の片方がすこし持ち上がって。あれは笑っている口元だとばかりおもっ
ていましたが、鼻から上の部分によっては、これほど邪悪な表情にもなるのだ
なと、私はへんな関心をもって、手藻蔓さんを見つめていました。

 「僕が知っていたのは、並木さんが海外へ出かけると本人が言っていたとい
うことと、いつ戻ってくるか分らないということだ。旅行なのか、それとも仕
事なのか。逃亡なのか。そんなことは聞いちゃいなかったさ」
 どかりとイスに尻を置きました。
 けっして太ってはいない、というよりひどく痩せた体型の手藻蔓さんがたて
た着地音にしては、重厚に響いたものです。まるで鉛のジャケットでも着込ん
でいるみたい。
 
 「なあ。並木さんは、ミステリーを好んだだろうか?」
 ”なあ”、だったのか、”な、並木さん”、だったのか。判別はつきません
でした。ただ、さっきの驚愕がまだ冷めやらぬ態であることはわかります。並
木さんに、ミステリーに関する書籍について問い合わせをいただいたり、検索
のお手伝いをする、ということは、ありませんでした。ですが、
 「利用者のみなさまの読書傾向については、プライヴァシーなので、お知ら
せできないんです」
 ―ごめんなさい。と私は頭を下げました。すこし残っているブレンドから暗
い影が飛び出してくるように見えました。手藻蔓さんは、私の答えに対して、
「フン」と鼻を鳴らしました。

 「では、君はどうだい? 宇祖田都子さん。君は、ミステリー好きじゃない
のか?」
 アマゾンのあの口元で、並木さんが私をまっすぐに見ています。そんなとき、
私は妙に対抗心を燃やしてしまう性癖があるのです。

 「世の中は、ミステリーで溢れていますよ。手藻蔓さん」
ニッコリと。私、ちゃんと笑えているかしら? (20170114)

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

投稿随時募集中
    http://mmkisaragi.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html

このメールマガジンは、投稿によって全てが成り立っています。
ぜひ、あなたの小説を投稿して下さい。

投稿はkisaragi HP の投稿要綱
 http://mmkisaragi.blogspot.jp/2013/10/blog-post_6740.html

または、直接のメールでも結構です。

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

作者情報が必要ですので、以下の内容をお送り下さい。

タイトル(必須):
種別:ショートショート/短編/中編/長編/エッセイ
ジャンル:(時代、現代、SF、冒険、推理、ファンタジー、など……)
作者名(ハンドル可;必須):
メールアドレス(必須):
HPアドレス&名前:
一行コメント:

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

なお、発行の都合上、一行の最大文字数は全角で35文字(原則)までです。
それを超えるものはこちらで修正させていただきますのでご了承下さい。
投稿作品の著作権は各作者にあります。

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

発行者について

編集者 みやこたまち

E-mail :tamachim@yahoo.co.jp

WebPage:http://mgkisaragi.web.fc2.com/index.html

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

KISARAGI

RSSを登録する
発行周期 週刊
最新号 2018/04/22
部数 46部

このメルマガを購読する

ついでに読みたい

KISARAGI

RSSを登録する
発行周期 週刊
最新号 2018/04/22
部数 46部

このメルマガを購読する

今週のおすすめ!メルマガ3選

ダメおやじの全財産をかけた崖っぷちFX通信
【1日に数万人が熟読する人気FXブログのメルマガ版】 相場歴30年以上のダメおやじがFXノウハウを大公開! 毎朝配信!毎日の経済指標情報や攻略法を無料で解説しています。 ●損切りがうまくできない、利食いが浅い ●ポジポジ病(ポジションを不要に持ってしまう) ●コツコツドカーン(小さく勝っても大きく負ける) ●エントリータイミングわからない ●メンタル面が弱い このようなお悩みがあれば購読してみてください。 FX初心者から経験者まで、FXの悩みをこのメルマガで解消します。 期間限定でメルマガ内で数万円相当分のFX情報商材をプレゼント中!
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン
サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2017年、億り人に。 平成24年より投資助言・代理業を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。 2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数3万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。 主な著書に『10万円から始める高配当株投資術』(あさ出版)『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

がんばれ建設~建設業専門の業績アップの秘策
ダム、トンネル等大型建設工事の参画経験を有し、テレビ、ラジオ、新聞に出演中の著者が、「儲かる」「身につく」建設(土木、建築、設備、電気、プラント)関連情報を厳選。建設業の業績アップ、技術者育成、技術提案、原価低減ネタを紹介します。ベストセラー「今すぐできる建設業の原価低減」等著書多数。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

今週のおすすめ!メルマガ3選

日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン
サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2017年、億り人に。 平成24年より投資助言・代理業を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。 2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数3万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。 主な著書に『10万円から始める高配当株投資術』(あさ出版)『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

システマティックな「ま、いっか」家事術
食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。 そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。 家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

ダメおやじの全財産をかけた崖っぷちFX通信
【1日に数万人が熟読する人気FXブログのメルマガ版】 相場歴30年以上のダメおやじがFXノウハウを大公開! 毎朝配信!毎日の経済指標情報や攻略法を無料で解説しています。 ●損切りがうまくできない、利食いが浅い ●ポジポジ病(ポジションを不要に持ってしまう) ●コツコツドカーン(小さく勝っても大きく負ける) ●エントリータイミングわからない ●メンタル面が弱い このようなお悩みがあれば購読してみてください。 FX初心者から経験者まで、FXの悩みをこのメルマガで解消します。 期間限定でメルマガ内で数万円相当分のFX情報商材をプレゼント中!
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

アーカイブ

他のメルマガを読む

ウィークリーランキング