KISARAGI

KISARAGI vol.813


カテゴリー: 2015年06月21日
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K I S A R A G I vol.813                                 2015/06/21
                                              編集/発行:みやこたまち
                         E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [588]
   春雨物語 [100] 捨石丸[1] 
   作者 たまさん

 
◆ "棒立ち 中庭と三階2改  [18]
   
   作者 みやこたまち

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [588]

 春雨物語 [100] 捨石丸 [1]                  作者:たまさん

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「陸奥《みちのく》の山に黄金花《こがねばな》が咲く」と古歌《こか》に
詠われているのは、本当のことである。
 麓の里に小田の長者という人がいた。東国の果てで並ぶもののない金持ち
であった。父は財産一切を子の小伝次《こでんじ》に任せ、明けても暮れて
も酒を飲み、遊び暮らしていた。小伝次の姉は豊《とよ》といい、夫に先立
たれた後に親に許されて尼となり、豊苑比丘尼《ほうえんびくに》と名を改
めて修行に専念していた。母親は既に他界していたので、家のことはこの姉
が取り仕切っていたが、慈悲深かったので、出入りする者たちは大変ありが
たいと思い仕えていた。
(続く)
                                  ★

 今回から「捨石丸」というエピソードをお届けします。
 歌枕や故事から入り、周りの人々から描写するのは、作者お決まりのパタ
ーンです。
 続きは次回にお届けします。それではまた。

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HP
「かたかご」http://yamanekoya.jp/
 趣味で読んでいる古典文学の現代語訳と参考文献を主に掲載しています

「山猫屋本舗」http://yamanekoya.net/
 写真日記を綴っています
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棒立ち 中庭と三階 2改 [18]
3.蘇り続ける半球体仮設 3
                           みやこたまち
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3-3
「村上春樹好きなの?」
 と高橋が尋ねた。僕は「そうだ」と答えた。「どこがいいと思う?」と聞かれて、
「Tシャツの絵がはいっているところだ」と答えると、高橋は妙な顔をした。
「一時、変な本ばかり買いたくなったことがあって。トリストラムシャンディとか、
石蹴り遊びとか。いわゆる奇書のガイド本にあるみたいなもの」
「村上春樹は奇書かい?」
「少なくとも、僕がそれまで読んでいた本の文体とは、まるっきり違っていた。こ
れでいいのか、と思ったよ」
 高橋は本棚の『風の歌を聴け』を人差し指でつついて、「で、すきなの?」と再
びたずねてきた。
「手放しで好きだね。<僕>のありさまが、なんともいえず良いね。なんだか、漱石
の『草枕』みたいで」
 僕は漱石の『草枕』から、『それから』にいたるライフスタイルが好きだった。
村上春樹の<僕>が、『言いたいことの半分しか言わないように心がけたら、言いた
いことの半分しかいえないようになっていた。壊れた冷蔵庫をクールと呼びうるの
なら、僕だってそうだ』というようなありさまが好きで、日記などがみんな村上春
樹風の文体になっていたくらいであり、そういう日記を書くために、日常生活にお
ける目線や感想などにも偏向をかけていた。
 ガラスや陶磁器への嗜好は、村上春樹というよりも、『それから』の大介に通ず
るものがあったのかもしれず、梶井基次郎や、稲垣足穂を持ち込んでいたことから
も、ある種のフェティシズムの素養は備わっていたのかもしれない。それらを実際
に収集するようになることは、つまり一人暮らしの時空をどのように満たすか、と
いう問題であり、この夜の高橋との会話もまた、その範疇に属する問題であった。
 高橋は、僕が村上春樹を好きな理由に納得したようだった。そしてその隣にあっ
た、『限りなく透明に近いブルー』を取り出した。
「で、こっちは?」
 僕はコーヒーに口をつけながら、「ん」と息をついて答えた。
「村上春樹と村上龍とは、同じ講談社の黄色い背表紙で隣あって並んでいた。似た
名前だったから、ついでに買って読んでみた。18才で、ハッシッシで、米軍で、
ベタベタのドロドロで。それでいて読後感が、土砂降りが止んだ朝、まだ陽が登る
前の透明なブルーだったっていうのが、信じられなかったな。だって、本当にドロ
ドロのベタベタなんだから」
 そして、コーヒーを飲み干してから
「ただ、どっちも本当にすきなのは、『ピンボール』と『海の向こうで』の方なん
だ。二作目だね」
「ああ、そっちね」
 高橋は僕のつけたしにはあまり興味をしめさず、稲垣足穂の『一千一秒物語』を
パラパラとめくっていた。
「これ、貸してくれないかな?」
 と高橋は言った。
「いいとも」
と僕はいった。(20150621)
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HP:『ふみふみ』へ『収穫―』を掲載しました。
http://fumi2.net/miyako/
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