KISARAGI

KISARAGI vol.313


カテゴリー: 2005年10月02日
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K I S A R A G I vol.313                               2005/10/02発行
                          編集/発行:みやこたまち
http://miytako.hp.infoseek.co.jp     ★ E-mail:tamachim@yahoo.co.jp                 
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文学史5
前回までのあらすじ・・・歴史とはあなたの歴史でしかないのでは?

並べてみるとなんとなく系統というやつがある気がするし、発展の経過も跡付け
られる気がするものだ。時間というやつは、空間よりもめちゃくちゃなもので、
そもそも時間の存在を二次的なものとしか考えない私にとって、歴史とは記憶で
しかなく、その記憶ですら最近では曖昧で、都合のいい記憶を野放図に捏造し、
今の苦境を乗り越えるのに必要な処方を得ているようなありさまだ。文学のために
自分の時空を費やすゆとりは実はない。ただ自分自身とむき出しで向き合うのが
少々堪える場合、擬似的なヒトガタを想定するのに文学を使用して、間接的に、
自己との関係を取り結ぶことができる。使用する文学の意匠によって、世界、
政治、自我、などに細分化した擬似自我と向き合うことができる。つまり、私
にとっての、文学とは、そういうものだと仮定する。
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◆古典へのいざない【158】     とりかへばや物語[108]   作者 たまさん

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 左大臣は右大将が失踪して月日が経つままに多くの祈祷を山々寺々で尽く
し、もう駄目かと諦め掛けていたところ、夢にとても尊く清らかな僧が現れ
た。
「そのように嘆く必要はありません。明朝、貴方の悩み事について解決した
という知らせが来るでしょう。前世でしかるべき違い目があったが為に、天
狗がその報いとして男を女に、女を男にして貴方の心を絶えず嘆かせていた
のですが、その天狗も業が尽きました。貴方が仏道に従い長年の間、多くの
祈祷をした験で全てが収まり、男は男に、女は女に戻り、思い通りに栄える
事になるでしょう。このように思い惑っていたのもちょっとしたものの報い
なのです」
 目を覚ました左大臣は、男君(尚侍)の母親に会いに行った。
「気が動転していたここ何ヶ月か尚侍を見ていなかったが今はどうしている。
実は先ほど、こういう夢を見たのだが」
 夢の内容を告げられた北の方はびっくりして、尚侍が右大将を探しに出掛
けた事を詳しく話すと、左大臣は驚き呆れてた。
「そうか、夢で見たのは本当だったのだ。尚侍まで出て行ったのを知らなか
ったとは――」
 その日、明け方近くに尚侍の帰京の知らせが北の方の元に入った。
「どうやら夢が当たったようですね」
 北の方は左大臣に言った。
(続く)
                                   ★

 左大臣の夢枕に僧侶が現れ、息子と娘の姿が異常なのは天狗の仕業であっ
たがその業も尽き、二人は元の姿に戻るであろうと告げました。果たしてそ
の知らせ通り、右大将を捜しに出ていた男君(尚侍)が帰京したようです。
 続きは次回にお届けします。それではまた。

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ジャンル:古典レビュー
メール :miztam@nifty.com
HP  :【山猫屋本舗】http://homepage3.nifty.com/miztam/
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いろいろな人とすれちがったり、なにか人の通り道を邪魔するみたいに出現する、
バイクや、ショッピングカートや何か。自分が渡ろうとする前後30分は絶対に
車なんて通らない横断歩道を渡ろうとした瞬間に三台も続けて車が通過するのを
待たされたりする生活。そういう舌打ちの現場に、実はとてつもない出会いが仕掛
けられていたりして、と仮定し、「そんな分かりにくい縁は、要らない」と思う。
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◆きせい 【五十二】                              作者:みやこたまち

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 人攫いの風貌をしている。と学生は鏡に映る自分をみて思う。人攫いの背後には、
夜になると段数が変わる階段が映っていて、その階段をのぼった先の防火扉は厳重
に戸締りされている。その扉の向こうは、教師の目の届かない格好の溜まり場なの
だということを学生は知っている。ボケットのなかでジッポの蓋をカチャリとあけ
てみる。

 湖のほとりにまどろむ男。自分は暇人で世界中を旅しているのだと思い込もうと
してみる。伝説の岩に近い宿は、湖畔にあった。女は温泉があるというので、そち
らへいった。男は阿部一族は紛失し、薄暮にスライスされた峰の稜線に、牧童が羊
を追う姿を見ていた。
 牧童は生前、男の思想に興味を抱いていた。男は単純作業をこなしながら、夜に
なると文献漁りをしていた。

 女は露天風呂で茂みのざわめきにぎょっとしていた。樵がいると聴いていたから
だ。樵は山で少女に出会うものだと女は思っていた。そして、その少女は、ずっと
昔の自分なのだと空想し、その時は夜中に露天風呂に入っていてもちっとも怖くは
なかったと思った。付近のかわった形の木や岩、朝焼けの風景や、雲など、少女は
片端から名前をつけていたのだと思った。そしてそれは、バスターミナル前で案内
をしていたあの人の空想だったのだと思った。少女はいつかどこかにやってきて、
ふわふわと辺りを名づけ、時折風にフワフワと舞いながら、恥ずかしそうに、じた
ばたと、地面に靴底を擦り付けて歩く癖があったっけ。きっと牧童は彼女のことが
好きだったに違いない。女は星を見上げて、こんな誰の夢想か知れない思いに、
流されていた。

つづく
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ジャンル:小説
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本日、御茶ノ水聖橋付近、内堀どおりは空いておりました。

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