KISARAGI

KISARAGI vol.272


カテゴリー: 2004年12月12日
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K I S A R A G I vol.272                               2004/12/12発行
                          編集/発行:みやこたまち
http://miytako.hp.infoseek.co.jp     ★ E-mail:tamachim@yahoo.co.jp  
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風邪ひきました。喉がいたくて呼吸できません。鼻が長い牛とかが、乾燥帯には
住んでいて、吸気を鼻の中で適度に湿らせてから気管へ入れることができたりし
ますが、人間の、しかも日本人の私の鼻にそんな機能は皆無です。ストレートに
吸って、惜しげもなく吐き出す。一事が万事、そんな有様です。

では、今週はたまさんの作品から、いきましょう。
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◆古典へのいざない【119】     とりかへばや物語[69]   作者 たまさん

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 十二月晦日の事、中納言が左大臣邸に行くとかなり取り込んでいたが、一
晩でも中納言の顔を見ないと不安になる左大臣なので、待っていたとばかり
喜んでまじまじと中納言を見た。だが、あれほど盛りの美しさであった顔が
大層面痩せて沈みがちなので、胸が潰れた。
「どうしてそれほどやつれてしまったのか。まだ気分が優れないのか」
「特に苦しい所はないですが、長く患っていた名残でしょうか」
「それはよくない、祈祷をまた始めなければいけない」
 左大臣はしかるべき人々を呼んで、御修法《みずほう》や祭や祓えなどを
するように命じた。
「ああ、これほど私を心配してくれているのに跡を残さず消え失せてしまっ
たら、どんなに嘆く事だろうか」
 中納言は堪え切れずにほろほろと涙が出そうになるのを紛らわそうとして
いる。
「……お前の思いもよらない姿を我が身の災難だと思い、命も尽きるような
気がしていた。だが今では官位を極め、内裏を出仕する身分になってからは、
公私につけ人に誉められ面目を施している。取るに足らない私の顔を立てて
くれたので昔の嘆きも慰められ、こうなる運命だったのだとほっとしていた
ところ、このようにいつもと違って調子が悪そうだが、それ以上に思い嘆い
ている様子がとても辛く、生きている張り合いもなくなってしまう」
 涙を流す左大臣を見るのは耐え難く悲しかった。
「何を嘆いているのですか。気分が優れないのをこのように心配してもらっ
ていますが、自分の命も思う通りにならず、見てもらえなくなるのではない
かと案じているのです」
 中納言はそう言って左大臣を慰め、無理をして食事をするので、左大臣は
とても嬉しがり一緒に食事をした。一方、中納言の母は大雑把な性格で、中
納言の異常に気付かなかった。
(続く)
                                   ★

 左大臣のところに顔を出した中納言。やつれた自分を本気で心配してくれ
る父を見て、このまま死んでしまったらどうなるだろうと心を痛めています。
 続きは次回にお届けします。それではまた。
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ジャンル:古典レビュー
メール :miztam@nifty.com
HP  :【山猫屋本舗】http://homepage3.nifty.com/miztam/
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天気の話はもういいよ。それよか、君の今後の人生設計について、とことん話し
てもらおうじゃないか。それがどのくらい駄目かってことを、僕が、微に入り
細に渡って解説してあげるから。絶望? 違う違う。本当の絶望は、私の解説が
全て当たっていたと気が付いたときに感じるものなんだ。もちろん、その時の君
に、「絶望」を感じられるだけの体力が残っていればの話だけどね。
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◆きせい 【十一】                               作者:みやこたまち

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「ごらんなさい。」きょういんきょうしにしょるいてわたす。きょうしくいいる
ようにみつめる。がくせいのしょうらいがかかっているかもしれないこのさくぶ
ん。がくせいのほんしつがわかるかもしれないそうじけいとしてのさんぷる。
 きょういんひとりでしゃべりちらす。びーじーえむにもなりはしない。
「このせいとはね、さくぶんがじょうずでね、そこらじゅうのこんくーるにこの
がっこうだいひょうでしゅっぴんした。せいとかいのきかくもつとめたことがあ
って、それはわたしがないしんしょのふんしょくのためにひつようだからといっ
て、まあしどうしたけっかなんですけどもね、うんぬんかんぬん。」
うるさい。
 きょういんわざとらしくとけいをみる。あ、こんなじかんだわ。じゅぎょうの
したくをしませんと。せんせい、それではしつれいします。ああ、せんせい、そ
のしょるい、もとのところへしまっておいてくださいよ。こうちょうがうるさい
からね。それからあんまりそのせいとばかりにめをかけないようにきをつけてく
ださい。ああいうせいとはそのじつなにをかんがえているかわかりやしませんか
らね、といってもしょせんがこどもがせのびしているだけのことだということも
ながねんきょうしをやっとるとわかるようになりますが、いかんせんせんせいは
まだしんにんでいらっしゃるから、いらんろうばしんとおもっていただいてけっ
こうですが、うんぬんかんぬん。
うるさい。

つづく
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ジャンル:小説
メール :tamachim@yahoo.co.jp
HP  :【電網 昼行灯】http://www1.odn.ne.jp~cak87430/index.html/
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書見棚 その79*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*

ここは、みなさまの本棚のなかで今、目に入ったものを御紹介いただく棚です。
投稿が無い週は私の本棚で目についたものを紹介します。今週は

「宗教学講義」植島啓司作 です。

 たしか劇場にかかったこともあるはずの、脚本です。植島氏は精神と物質系に
強い人で、いわゆる精神分裂、いわゆるバーチャルリアリティーの人という印象
です。この本も、まともな宗教学の講義であるはずもなく、脚本にかかれていな
いあいだに、教授や女学生、助手の間におこる心の動きによって、脚本が必然的
に断絶し引きずられ、衝撃的なラストへなだれこむ。というか、その描かれてい
ない部分の心の動きがまた、ひじょうに美妙な形でしか台詞やト書きに現れない
ので、あまりにも唐突におもわれもするのですが、それは読む側の能力の問題。
劇中に取り上げられる宗教学の背景や、小道具一つにしてもおろそかにできない
謎解きに近い構成の作品なのだと、私は思っています。未だにその全容は把握
できてはおりませんが。深読み賛成。タモリ倶楽部に使われるBGMの選択理由を
類推するのも大賛成。

ちくま新書より 1998年11月20日 660円+税です。
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愚流繰言 【3】

「あらー、こちらおいくら? おいくら万円?」
                              〈めぎう作〉

いかにも上流風のご婦人が、おうように値段を尋ねたときの台詞。デビ婦人クラ
ス?

ここでは、ジャンルを問わず何故か頭をグルグル駆け巡った台詞を紹介します。
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それではまた次週お目にかかりましょう。

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