KISARAGI

KISARAGI vol.264


カテゴリー: 2004年10月17日
------------------------------------------------------------------------
K I S A R A G I vol.264                               2004/10/17発行
                          編集/発行:みやこたまち
http://miytako.hp.infoseek.co.jp     ★ E-mail:tamachim@yahoo.co.jp                 
------------------------------------------------------------------------
先日、検診バスがやってきて血液検査をしました。その二日後、検診センター
から電話が・・・

では、たまさんの作品からお送りいたします。
------------------------------------------------------------------------

◆古典へのいざない【112】     とりかへばや物語[62]   作者 たまさん

------------------------------------------------------------------------

 このように宰相中将は内裏でもどこでも身を離れぬ影のごとく中納言に立
ち添った。中納言は、心から満足出来るような逢瀬は無理だと言いつつ、大
抵は親しげに語らい、どうしても拒みきれずに逢う時は、逃れる事の出来な
かった宿世と諦めた様子で宰相中将に従った。だが一度別れると、逢おうと
思えば思いのままに逢えるはずなのに機会を作ろうとはせず、わざとはぐら
かそうとするので、宰相中将は次第に侘しくなっていく。
「思い煩っているあの人に逢ってあげて下さい」
 中納言はそう言って四の君との逢瀬を勧め、自分はそ知らぬ顔で適当な機
会を作って逢わせたりした。確かに四の君は愛情深く心遣いが行き届く。中
納言が認めた上での逢瀬なので普通ではないが、それがかえって新鮮な感じ
がする。だが、宰相中将の心は半分以上、中納言に傾いているので、四の君
との関係が平凡なものに思えてくる。心弱くも中納言と離れたままでいると
様々な思いが募ってやり切れないが、その慰めに他の女に逢おうという気は
起こらない。四の君だけは、中納言に逢えぬ辛さを紛らわす程度に付き合っ
ている。今は世間の人の目だけは気にしているが、中納言に知られるかもし
れないという恐れはなくなり、以前よりも足繁く通ってくるので、四の君も
すっかり見馴れた感じでなびいていじらしい様子を見せる。だが、宰相中将
の胸中はつれない中納言の事で一杯だった。
 中納言は二人の様子を全て見聞きして知っていたので、妙な事になったと、
興味深くも尋常ではないと嘆いていたが、こうなった今も四の君に宰相中将
との関係を知っている素振りは見せない。いつまでもこの世に留まっている
身ではないのだから――と思っているので、ただ優しく語り掛けながら過ご
していた。
(続く)
                                   ★

 宰相中将が求めれば求めるほど、拒絶する中納言。落ち込む宰相中将に中
納言は四の君との逢瀬を勧めますが、「夫」の公認となった密会は色あせ、
中納言の思いは募る一方です。
 この続きは次回にお届けします。それではまた。

------------------------------------------------------------------------
ジャンル:古典レビュー
メール :miztam@nifty.com
HP  :【山猫屋本舗】http://homepage3.nifty.com/miztam/
------------------------------------------------------------------------
かかってきた電話は深刻な声で、「大至急、再検査をしてください。」と。
仕事の都合で来週なら、というとなにやら相談をはじめ、
「それでは、検査の前に、筋肉痛とか、血尿が出たら、必ず救急で来て下さい。
紹介状は、FAXで送ります。」だって。
行ってきましたよ。昨日。

では、読みにくい連載三回目はじめます。
------------------------------------------------------------------------

◆きせい【3】                                 作者:みやこたまち

------------------------------------------------------------------------
 おとこはかおをこうちょうさせた。たばこはとっくにふぃるたーまではいにな
った。おもむろにうわぎのぽけっとからみどりのきっぷをとりだして、じっくり
とながめる。さっきまでむげんだいのしょうてんをむすんでいたもうまくが、き
しむ。みけんのしわ。おとこは、めがねをかけていた。きっぷをもっていないほ
うのてで、めがねをかけなおす。そうして、きっぷをにらむ。かすれたすたんぷ
をみる。ぢのもようになっているまーくをみる。みる。めばかりこくししている。
はなは、おとこのかんがえ、きっぷとはむかんけいのかつどうをてんかいしてい
る。みみは、からだのそとか、なかか、はんべつのつかないおとをこまくにかん
じている。すべてがせいじょうなはたらきをすいこうしている。したがって、お
とこはいまめのことしかかんじていない。あとは、すこしさむいということを、
べつのどこかでかんじている。つうそうていおんのようにかんじつづけている。
 かんなづきのあさはさむい。まだたいようさえのぼっていない。ぎゅうにゅう
はいたつのじてんしゃのおと。こうしつな、おとが、もやにきゅうしゅうされて
いる、とおくにきこえる。つめたいぎゅうにゅうびん。つめたいくうき。ぎゅう
にゅうはいたつのつめたいみみ。ぐんてのしたの、かさかさでしわしわのゆび。
けいとのぼうし。きいろいぎゅうにゅうばこ。そのうしろすがた。なにもみえな
いけれど、そういううしろすがたはのうにうつる。それだけでじゅうぶん。もう
たくさん。おとこののうにもやはりうつるだろうか。

つづく
------------------------------------------------------------------------
ジャンル:小説
メール :tamachim@yahoo.co.jp
HP  :【電網 昼行灯】http://www1.odn.ne.jp~cak87430/index.html/
------------------------------------------------------------------------

書見棚 その72*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*

ここは、みなさまの本棚のなかで今、目に入ったものを御紹介いただく棚です。
投稿が無い週は私の本棚で目についたものを紹介します。今週は

「図説 想像の魔術師たち」 レオナルド・デ・フェリス著 本田成親 訳です。

本屋の少しお堅い棚に並んでいた本です。サブタイトルは「19世紀」発明家列伝
ですが、主眼は、発明品の図解説明です。しかも全ては復刻した銅版画でのご紹介。
「サイエンティフィック・アメリカン」「ラ・ナチュール」「デ・ナツール」「ザ・
ネイチャー」など各国の名だたるアカデミックな科学誌に掲載された。
「のりもの」「でんき」「ひかり」「その他」というカテゴリーで、「速歩車」や
「電気椅子」「雲上映写装置」「メッキによる死体保存」「女性酷使装置」など。
発明されたばかりで、まだ評価のさだまらないまま、手探りで書かれた紹介文。
19世紀万歳。フランス万博万歳。資料としても、インスパイアされるにしても
最高ですよ。

工学図書株式会社より 平成14年6月1日 第一刷 8800円です。
------------------------------------------------------------------------
総合内科へいって、地図をもらって血液検査、心電図などのアトラクションをこ
なし、半日つぶして、フィナーレの医者の宣告は、
「異常ないですね。けっこうです。」
4600円。なんだぁーそりゃ。

それではまた次週お目にかかりましょう。

_/_/ KISARAGIについて _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■配信システム
 KISARAGIは「まぐまぐ」:http://www.mag2.com/で配信しています。
■登録解除の方法
  KISARAGIを解除するには、次のアドレスへアクセスしてフォームに記入を。
 -->http://miytako.hp.infoseek.co.jp

_/_/ 発行者について _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
 編集者 みやこたまち
 E-mail :tamachim@yahoo.co.jp
 WebPage:http://www1.odn.ne.jp/~cak87430/index.html
------------------------------------------------------------------------
 前編集者 仙ちゃん
 E-mail :slowhand@sea.plala.or.jp
 WebPage:http://www7.plala.or.jp/slowhand/
------------------------------------------------------------------------
 初代編集者 牧瀬佑樹(マッキー)/スタック作家
 E-mail :macky@livrer.jp
 WebPage:http://www.livrer.jp/
------------------------------------------------------------------------

KISARAGI

RSSを登録する
発行周期 週刊
最新号 2018/07/15
部数 48部

このメルマガを購読する

ついでに読みたい

KISARAGI

RSSを登録する
発行周期 週刊
最新号 2018/07/15
部数 48部

このメルマガを購読する

今週のおすすめ!メルマガ3選

サラリーマンで年収1000万円を目指せ。
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て公開します。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信しています。人生を意のままにするには、脳みそとこころの両方が進化しなければなりません。そんな進化とは何か?をお届けする四コママンガ付きメルマガです。2014年から4年連続でまぐまぐ大賞部門賞を受賞しました 学歴やバックグラウンドに拘わらず、人生を思いのままに生きるために必要な考え方が書かれた、「良書リスト」も希望者に差し上げています。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

親鸞に学ぶ幸福論
【あなたを幸せにさせない理由はただ一つの心にあった。その心がなくなった瞬間に人生は一変する】と親鸞は解き明かします。 「本当の幸福とは何か」はっきり示す親鸞の教えを、初めての方にもわかるよう、身近な切り口から仏教講師が語ります。登録者にもれなく『あなたを幸せにさせない5つの間違った常識』小冊子プレゼント中。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン
サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2017年、億り人に。 平成24年より投資助言・代理業を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。 2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数3万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。 主な著書に『10万円から始める高配当株投資術』(あさ出版)『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

今週のおすすめ!メルマガ3選

右肩下がりの時代だからこそ、人の裏行く考えを【平成進化論】
【読者数12万人超・日刊配信5,000日継続の超・定番&まぐまぐ殿堂入りメルマガ】 ベストセラー「仕事は、かけ算。」をはじめとするビジネス書の著者であり、複数の高収益企業を経営、ベンチャー企業23社への投資家としての顔も持つ鮒谷周史の、気楽に読めて、すぐに役立つビジネスエッセイ。 創刊以来14年間、一日も欠かさず日刊配信。大勢の読者さんから支持されてきた定番メルマガ。 経験に裏打ちされた、ビジネスで即、結果を出すためのコミュニケーション、営業、マーケティング、投資、起業、経営、キャリア論など、盛り沢山のコンテンツ。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

●人生を変える方法【人生をよりよくしたい人必見!誰にでもできる方法を組み合わせました。】
■「人生(自分)の何かを変えたい!」と思ってる方、まずは最初の1分から始めましょう!今日は残っている人生の一番初めの日です。今、「人生を変える方法」を知ることで、一番長くこの方法を使っていくことができます。コーチングで15年間実践を続けてきている方法なので、自信をもってお勧めできます。「人生を良くしたい!」と思うのは人として当然のこと。でも、忙しい生活の中で人生(自分)を変えることって諦めてしまいがちですよね。誰かに変える方法を教えて欲しいけど、その方法を知っている人は少ない。だからこそ・・・。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

サラリーマンで年収1000万円を目指せ。
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て公開します。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信しています。人生を意のままにするには、脳みそとこころの両方が進化しなければなりません。そんな進化とは何か?をお届けする四コママンガ付きメルマガです。2014年から4年連続でまぐまぐ大賞部門賞を受賞しました 学歴やバックグラウンドに拘わらず、人生を思いのままに生きるために必要な考え方が書かれた、「良書リスト」も希望者に差し上げています。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

アーカイブ

他のメルマガを読む

ウィークリーランキング