KISARAGI

KISARAGI vol.200


カテゴリー: 2003年07月27日
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K I S A R A G I vol.200                               2003/07/27発行
                          編集/発行:みやこたまち
                     ★ E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                     http://miytako.hp.infoseek.co.jp
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おかげさまをもちまして、KISARAGIは通算200号を迎えることとなりました。
初代編集者 牧瀬佑樹様、前編集者 仙ちゃん様のご尽力に、改めて感謝いたす
とともに、不肖みやこたまちの代となっても変わらずご愛読下さっている
読者の皆様に、篤く御礼申し上げます。
今後も皆様と共に作るKISARAGIを、どうかよろしくお願いいたします。

それでは今週もたまさんに、古典の世界へ連れて行っていただきましょう。

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|連載|小説|
◆古典へのいざない【56】     とりかへばや物語[6]         作者: たまさん
                       
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 やがて、このように若君の学識や容貌が優れている事が世間の評判となった。そ
れを耳にした帝や東宮が、「それほど何事にも優れているのならば、殿上もさせず
人々と交際させないでいるのはどういう事だ」と、若君にとても関心を持ち、度々、
大将に子どもを出仕させるように勧めた。だが、当の大将は情けなく決まりが悪い
ので、まだ幼い事を理由に外に子どもを外に出さないので、「童姿のままでは人目
にさらしたくないのであろう」と、帝は五位の位まで無理に授けた上で、早く元服
させて出仕させるようにと再三命じた。大将は、参内を拒む理由がなくなってしま
った為、「そういう事であるのなら、成り行きに任せるしかあるまい。これも前世
の宿縁で、男女を入れ替えて生きる運命なのであろう」
 と思い直し、裳着《もぎ》と元服《げんぷく》の儀式を急いで準備する事にした。
 儀式の当日になると、姫君と母親の東の君が一際美しく整えた寝殿に渡り、祖父
の大殿が裳着の腰紐を結ぶ役目をした。第三者に依頼しないのは変則的ではあるが、
大将としてはやはり都合が悪かったからであろうと思われる。
 この様子を耳にした人々は、男女が取り替えられているとは考え付かないので、
ただ、「若君と姫君を思い違えて聞き誤っていたのだ」と一様に納得していた。ご
く稀に事情を知っている人は口外すべき事ではないと心得ていたので、世間に真相
を知る人はおらず、大将にとってはせめての救いであった。
 若君の加冠《かかん》の役は、大将の兄である右大臣が行った。若君が髪を結い
上げたその姿は以前から噂になっていた以上に素晴らしく、引き入れ役の右大臣が
比類なき若君の美貌に絶賛するのも当然である。
 ――この右大臣は、四人の姫君を子どもに持っていた。大君は帝の女御、中の君
は東宮の女御であったが、後の三の君・四の君はまだ未婚であったので、二人のい
ずれかをこの若君と結婚させたいと思っており、祝儀や贈物などはこの世にないほ
どの贅美を尽くしたものであった。
 なお若君は元服前から五位に叙されていたので、人々は大夫《たいふ》の君と称
した。

(続く)
                                   ★

 男として育った妹、女として育った兄が共に成人し、とうとうそのままの姿で表
舞台に顔を出すようになりました。元服の儀式に出た若君(妹)に目を付けた右大
臣が、さっそく自分の娘と結婚させようとしているようですが、果たしてこれから
どうなる事か。この続きはまた来週にお届けします。それではまた。
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ジャンル:古典レビュー
メール :miztam@nifty.com
HP  :【山猫屋本舗】http://homepage3.nifty.com/miztam/
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「これも前世の宿縁」と腹をくくった大将。立派だと思いませんか? これから
先に巻き起こるであろうさまざまな障壁を、どのように乗り越えていくのか、そ
して、本人は自分のことをどう思っているのか。興味は尽きません。次号も楽し
みですね。

続きまして、ツール・ド・フランス 第19ステージの興奮冷めやらぬ作者がお送
りする、
「そののちのこと」です。へえ。大学生なんだ、今。

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|連載|小説|

◆そののちのこと【11】                           作者:みやこたまち
      
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>回りの人間を騙しながら、自分自身を見失った一郎青年は、齢十七にして自由
になった。家業が破綻し、父親が憤死したのだ。母親はすっかり参ってしまい、
寝たきりになった。

>こうした経緯は、もちろん大学では知られていなかった。どことなく陰気な臆
病者だという見方が一般的だった。それは外見とあいまって、間違いの無いとこ
ろと思われていた。

>「諸君が本日この時刻に同じ場所に介しているということは、非常に素晴らし
い縁の賜物なのです。諸君らのそれぞれの人生において、今後の数年間を共有す
るということは、とりもなおさず、なんらかの影響を与えあってゆくことである
と言えるのであります。全員が自らの意思でこの場に集いました。志を同じくす
る者達を、同士と呼ぶのです。いかなる時も協力し合って、志を果たすために獅
子粉塵の努力を怠ることなく、きっと未来を担う人物に成長していかれることを
、切に希望してやみません。」

>教室では、そんな教師の挨拶が空々しくこだましていた。誰の体内にも入って
いかないこれらの言葉は、机やら、頭蓋に反響するだけだった。

>以下次号
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書見棚 その10-*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*

ここは、みなさまの本棚のなかで今、目に入ったものを御紹介いただく棚です。
投稿が無い週は私の本棚で目についたものを紹介します。今週は

前編集者 仙ちゃん 様から

「My Secret Life(我が秘密の生涯)」(田村隆一訳)學藝書林 のご紹介です。 

このあいだ本棚の奥から出てきた本です。もう20年以上前に、大学生協で取り寄せ
たものです。ヴィクトリア朝のある富裕なイギリス紳士の性的自叙伝ですが、全11巻
どこを読んでも、セックス描写ばかりです。ただ、セックスの内容そのものより、こ
れを詩人の田村隆一氏が翻訳していることのほうに興味がありました。これが古典ポ
ルノと呼ばれるかどうか、あるいは作品の評価がどうかはわかりませんが、ともかく
セックスの描写だけを期待して読み通すのは、大変困難だといえる本です。

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ご紹介ありがとうございました。ちょっと覗いてみたい本ですね。11巻という
長さのセックス描写。なんてストイック! 徹底的に○○、という内容に私は弱い
のです。田村氏による詩の語彙が、内容とどんな風に絡み合っているのか、それは
もう途方にくれる程の長さなのでしょう。きっと読み通せない、かもしれない、
でも、持っていたい・・・ そんな気分になりました。
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お知らせ【怖いもの見たさってあるじゃないですか?】

怪談も近頃は季節を問わなくなりました。しかし、やはり旬というものはあるも
ので、これからが本番、ということになりはすまいか?
いやきっとそれが一番いいんだと、考えまして、以前やっていた「貘食」を、
「貘食譚」というシリーズにします。恐い話、不思議な話、都市伝説、新解釈
御伽話、創作、実話、受け売り、なんでもいいので、御投稿下さい。

それではまた次週お目にかかりましょう。

_/_/ KISARAGIについて _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
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 編集者 みやこたまち
 E-mail :tamachim@yahoo.co.jp
 WebPage:http://www1.odn.ne.jp/~cak87430/index.html
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 前編集者 仙ちゃん
 E-mail :slowhand@sea.plala.or.jp
 WebPage:http://www7.plala.or.jp/slowhand/
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 初代編集者 牧瀬佑樹(マッキー)/スタック作家
 E-mail :macky@livrer.jp
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