KISARAGI

KISARAGI vol.180


カテゴリー: 2003年03月02日
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K I S A R A G I vol.180   2003/03/02発行
                          編集/発行:みやこたまち
                     ★ E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                     http://miytako.hp.infoseek.co.jp
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KISARAGI通信
なんやかやでもう三月であとに十回でKISARAGIも通算200回になります。これも一重
に、みなさまのおかげと思います。長さが第一基準ではないことは、もちろんです
が、続けること、ただそれだけにも何らかの意義はあるものと信じます。
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今週の目次
 ◆古典へのいざない【38】   花桜折る中将[1]   〜堤中納言物語」から〜 
                              作者:たまさん
                                
 ◆Inter_View 5 minutes【138】     	Guest/出会い系 鈴木修氏
 ◆ 獏食 36.                        未練・・・
 ◇ KISARAGIについて
 ◇ 編集後記
 ◇ 発行者について
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|連載|小説|
    ◆古典へのいざない【38】                           作者: たまさん

       花桜折る中将[1]  〜「堤中納言物語」から〜
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 月の明るさに騙されて、夜更けに起き出してしまった。辛く思っているであろう
女性が不憫だと思うものの、引き返すにも遠い道のりであるので、このまま歩いて
帰宅する事にした。辺りの小家もまだ物音が聞こえない。隈なき月明かりに、あち
らこちらで花の咲いている桜の木が、空と一つになって見間違えそうに霞んでいる。
これまで通り過ぎたどの家よりも桜の花が美しく風情があったので、通り過ぎ難い
気持ちがして、

   そなたへと行きもやられず花桜
    にほふとかげにたびたたれつつ
  (あちらの家へと行こうかと思うが、
    匂うばかりに咲き誇る桜の木陰に立ち寄らずにはいられない)

 と歌を諳んじた。以前に親しくしていた女がここにいた事を思い出し、立ちつく
していると、築地の崩れた所から白い人影が咳をしながら出てきた。寂しく荒れ果
てて人の気配もせず、ここかしこと覗き込んでも咎める人もいない。先ほどの者が
引き返すのを呼び止めて尋ねる事にした。
「ここに住んでいた人は今もいらっしゃるのだろうか。『山人に申し上げようと思
う人がいる』――と取り次いで欲しい」
「そのお方は、ここにはいらっしゃいません。何とかという所に住んでいらっしゃ
います」
 中将は「可哀想な事だ、尼にでもなったのだろうか」と気掛かりになり、
「あの光遠に逢いたいとは思わないのか?」
 と笑みを返すと、家の妻戸を静かに開け放つ音が聞こえた。

(続く)
                                   ★

 今週からは「堤中納言物語」に掲載されている「花桜折る中将」をご紹介します。
「好き者」である主人公が引き起こす騒動を楽しんでもらえればと思います。
 わたしのウェブサイトなどで、既に「花桜折る中将」の訳をご覧になった方がい
らっしゃるかもしれませんが、あちらの作品はわたしが若干の味付けをした「私
訳」ですので、ここでは、出来るだけ原文に忠実な内容をお伝えしようと思います。
(とは言え、原文のままですと意味が通らない箇所が幾つかありますので、そうい
う文に対しては若干の解釈を入れてありますので、ご了承下さい。)
 それではまた。

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ジャンル:古典レビュー
メール :miztam@nifty.com
HP  :【山猫屋本舗】http://homepage3.nifty.com/miztam/
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 ◆Inter_View 5 minutes【138】 
                    	Guest/出会い系 鈴木修 氏       
                          作者:宇祖田都子 さん
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before minute
IP電話サービスがスタートしましたね。みなさまはこの恩恵にあずかれる幸運な
かたがたでしょうか? それとも、ブロードバンド空白地帯に居住する恵まれない
かたがたでしょうか? ADSLも35メガサービスを視野にいれているとのこと
ですが、局から2キロ程度の到達度で威張って欲しくないものです。ではお客様で
す。出会い系、鈴木修さんです。

first mintue
M:ものすごく、悪者扱いされていますね。出会い系。
S:人には変わらない、変えられない大事なものがある、という願望が、そういう
論調に人々を駆り立てるのでしょう。所詮はオールドタイプの固定観念なのです。
M:その願望とは、何でしょうか?
S:広く言えば対人関係の取り結びかた、ということでしょうか。しかし、出会い
系を提供する側、また利用する側も、同じことを信じているから、出来るんだとい
うことを、まず理解していただくべきなのです。

second minute
M:かつては、到底知り合うことのできなかった、というのは主に、物理的な距離、
時間と空間ですね、そういう障害を取り払うのが、インターネットであり、携帯電
話だと思います。この十年で、距離、の概念は激変しています。
S:そして、公私および、自他の境界もまた、あいまいになってしまったと、ひら
たく言えば、そういう論法から、出会い系のみならず、様々な情報へのアクセスの
自由度の拡大を害悪だとする主張がはびこっているのです。
M:人は、現代のテクノロジーを使いこなすほどには成長できていないと?
S:しかしですね、補完こそがテクノロジーだったはずでしょう。かくして、人間
は、歩行器なしには歩けない赤ん坊になりさがる。しかし、それを要望し、受け入
るのは人間です。

third minute
M:出会い系サイトの閉鎖についての、法整備が、まさに泥縄式に行われています。
まずは、未成年の保護という観点が第一義にあげられています。
S:形の無いもの、目の前に無いものに強くあこがれる若者が、つねに被害者だと
いうのは勘違いもはなはだしいですね。匿名的な通信網の増大は、逆に、個人のス
キルによる序列を強制します。物理的な世界においては交じり合うことの無かった
人間が、交流を結び得る世界。しかしそこで繰り広げられる愛憎の物語には、人類
誕生以来何一つ新たなものなどありはしない。だます。だまされる。信頼と裏切り。
関係性には何の変化もないのです。
M:インフラは使用者の心一つで、善にも悪にもなる、という言い古された理屈で
すね。

forth minute
S:私はそう主張したことはないですよ。むしろ、人間の本性が剥き出しにされる
場なのだということです。人は利己的なものです。欲望の塊です。身体を離れて、
言葉のみのやりとりを行う時、人はリミッターを見失う、または見失ったフリをす
る。身体感覚による警鐘を伴わないという意味で、ネットは人の暴走を促す潜在的
な特徴をもっていたのですよ。
M:犯罪の温床となるのは、当然だと。
S:犯罪だけではありませんよ。善意の活動だって、健全なグループ活動だって、
人と人との出会いにより営まれる全ての活動に対して、ネットは有効なのです。そ
こから、「不健全」なもの、「犯罪的なもの」のみを分離することは不可能です。

final minute
M:今後、出会い系は自浄作用により健全になっていくものでしょうか?
S:分化はするでしょう。しかし、出会い系はあくまでも手段なのです。ここで
の活動は、ネットの外で成就する、究極的にはね。いや、そのうち、外の世界なん
て、重たくて、疲れるから嫌だという人々が増えていくかもしれない。逆に、身体
が復権するかもしれない。いずれにせよ、目的ではないのですから、この出会い系
が無くなるなんてことは無いでしょう。形は変わっていくかもしれない。だが目的
としての欲望が全く変わらないのですから、つまりは何も変わりませんよ。あとは、
単純に、統計の問題でしかない。様々な個性が尊重される時代なのでしょう? 表
向きは。犯罪かそうでないかだって、風向き一つですよ。法律はいつだってザルで
す。損害をこうむりたくないのならば、スキルを磨くことです。あらゆる面でね。
M:本日はどうもありがとうございました。

after minute
鈴木修氏は、出会いの場をずっと提供してこられた方です。ディレクターであり、ア
ドバイザーであり、コーディネーターです。鈴木氏自らが不特定多数間を取り結ぶ
結節点となる人です。間にそうした立場の人間を挟まない自由な出会いの場、そこに
問題があるような気がします。リスクは個人に。政策の行き詰まりをこんな言葉で
解決しようとする国家が、お金と関係ない面ではしきりと介入しようとしている。
そんな風に考えるのは、うがちすぎでしょうか?

<<次回のお客様はシンドローム鑑定氏 楯脇譲さんです>>

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種別  :小説短編
ジャンル:架空対談
作者名 :宇祖田都子
メール :cak87430@geocities.co.jp
HP  :非所持
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◆ 獏食 36.                         未練・・・

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ずっとうらやましかった親友と、別れてしまった彼女とが夫婦になっていて、そこ
に私が遊びに行っている夢だった。だんなの目を盗んで、彼女に復縁を、それとな
く、間接的に、迫る。一挙両得じゃないか、と思いながら、ずぶぬれで歩いている。

獏満足度 ■■□□□ クサリカケナラウマイケド・・・
 
_/_/ 編集後記 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
たまさんの「古典へのいざない」では「花桜折る中将」がスタートしました。
もうすぐ桜の季節ですよね。私は毎年、桜と紅葉に縁がなくて、いつも見そびれて
います。今年は夜桜見物にでかけたいものです。     (みやこたまち)
_/_/ KISARAGIについて _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■配信システム
 KISARAGIは「まぐまぐ」:http://www.mag2.com/で配信しています。
■登録解除の方法
  KISARAGIを解除するには、次のアドレスへアクセスしてフォームに記入を。
 -->http://miytako.hp.infoseek.co.jp
_/_/ 発行者について _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
 編集者 みやこたまち
 E-mail :tamachim@yahoo.co.jp
 WebPage:http://www1.odn.ne.jp/~cak87430/index.html
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 前編集者 仙ちゃん
 E-mail :slowhand@sea.plala.or.jp
 WebPage:http://www7.plala.or.jp/slowhand/
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 初代編集者 牧瀬佑樹(マッキー)/スタック作家
 E-mail :macky@livrer.jp
 WebPage:http://www.livrer.jp/
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